*提出された内容をそのまま掲載しています。
塾生番号 01~ 塾生番号 11~ 塾生番号 21~ 塾生番号 31~
01. 阿部 晴生
私は「創造性の育成塾」に参加して、五日間とても充実した時間を過ごせました。私が一番楽しみにしていた実験では、蠟燭の火に触ったり指に火をつけたりと予想よりも刺激的でとてもおもしろかったです。草木染では想像と違う色が出たり、つける液体によって全然色が違っていたりして魅力的で、家でもやってみたいなとおもいました。講義では私の好きな宇宙の話以外にも、放射線や光についての話だったり、お医者さんやJAXAの方々からのいろいろな視点での講義だったりと、今まであまり触れたことのない分野にも興味を持つことができ、世の中に対する視野が広がりました。実験や講義、いずれも面白かったのですが特に思い出に残ったのが課題研究です。育成塾に行く前は友達が作れるのかがとても心配でした。ですが課題研究でのチームや部屋割りで同室になった人などと友達になることができました。課題研究の結果は今一つだったのですが、友達と一緒に話し合って考えて作業をするのは、とても楽しかったです。このようなことがあり理科の楽しさを再発見でき、友達もでき、とても充実した五日間でした。
02. 伊藤 有汰
今回の創造性の育成塾に参加して、僕はこれまで知らなかった知識を手に入れたり、ノーベル賞をはじめとする貴重な賞を受賞されている先生方のお話を聞くことができ、遠くに住んでいる同年代の人との会話をすることができました。
特に、梶田先生のご講義は感銘を受けました。素人でも分かるようなニュートリノの簡単な説明から入って、カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、ハイパーカミオカンデのこれまでの業績や仕組み、重力波を観測するKAGRAの仕組みや重力波を観測する世界のシステムを解説していただきました。
この講義を受けるまではニュートリノや重力波のことについて名前だけは知っている状態でしたが、この講義を受けてからニュートリノなどの知識が深まり、素粒子物理学にとても興味がそそられました。
また、科学という共通の興味を持っている全国各地から集まった同志と対話をすることで、今までとは別の視点を得ることができました。
また、他の生徒は講義や実験、課題研究への意欲に満ちていて、会話によって課題研究のアイデアが思いついたこともありました。
離れたところに住んでいる同志ともこれからはOB・OG会や文化祭を通じて交流を続けていきたいと思います。
最後にこの場をお借りして、運営の方々、協賛の企業の方への感謝を伝えさせていただきます。
03. 今井 菜々子
創造性の育成塾に参加して、理科の世界の面白さを改めて実感しました。
理科の面白さは考察したり、実験や実際に検証したりできることだと思っていました。しかし、講義では様々な講師の先生の経験や考えからお話ししていただき、それぞれの講師の先生の創造性や未知のものに挑む姿勢などを学ぶことができました。このことから理科は、人の信念や歴史、物事などと繋がることができる面白さがあると気づきました。
合宿では講義のほかに、課題研究がありました。チームになり、リング飛行機を作り、「どれだけ遠く飛ばせるか」や、「どうデザインするか」、「飛行機の魅力をどうアピールするか」の三つを大切にして取り組みました。私たちの班では、最後まで意見がまとまらず、うまくチームワークが取れていませんでした。考察するのも、検証するのも納得する結果が出ず、苦しいと思うこともありました。今では、「こうしていたら…」や「ああしたほうが良かった」などの反省がたくさんあります。私はこの課題研究を通して、自分がとても成長したなと感じました。理科が人間性や社会性を磨く、自分にとって大切なものとなりました。
合宿ではいろいろな人の価値観や世界に触れられて、自分が成長する一歩になりました。これからも合宿で得た知識や、経験を自分のものとできるようにしていきます。
04.内田 篤秀
私は育成塾を通して、新しい発見を得たり、考える楽しさを実感することができました。
特に印象にの残ったのは、鈴木先生のAIについての講義です。最近はAIに任せておけばほとんどのことができてしまっていて、私自身も分からないことがあれば考えるより先にAIに聞いてしまうが増えてきています。でも、今回の講義で出た問いでコロナ患者の受け入れ優先順位をつける際に、私たち塾生はみんながみんな一緒ではなく答えはバラバラでしたが、上位に入っている番号はほとんど一緒でした。AIは私たちの答えと似ているものもあれば全然似ていないものもあり、同じアプリでも違う日に聞くと違う回答だったりしていました。つまり、聞くAIや時間によって答えはバラバラということになります。私は、決断や判断はAIに任せるのではなく、人間が考えなければいけない。ということをこの講義を通して改めて実感することができました。
また課題研究では飛行機の作成、プレゼンの作成を両方こなさないときいけなく、時間がありませんでしたが最終的にはメンバーそれぞれの個性を活かした発表などをでき、総合優勝で二位を取ることができて嬉しかったです。
仲間と共に学んだり、いろいろなことをした五日間はとても充実していて、あっという間に終わってしまいました。それと共に、今回の体験はいい刺激になったと思います。この刺激を良い機会として、この先も頑張っていこうと思います。
最後になりましたが、講義や実験をしてくださった先生方、運営に関わってくださった方々、OB・OGの皆様、ありがとうございました。
05. 遠藤 悠真
創造性の育成塾は学びが多く、とても充実した4泊5日でした。特に印象に残っていることは二つあります。
一つ目は梶田隆章先生の「ニュートリノと重力波で探る宇宙の謎」の講義です。
スーパーカミオカンデやKAGURAが「宇宙のことを地中から観測する」ということがとても印象に残っています。ニュートリノや重力波を観測することによってブラックホールの謎や重い星の一生、宇宙の起源までをも知ることができるということが面白かったです。合宿に参加する前にニュートリノ・重力波に関する本を読んで臨んだので、講義中に知識と知識がつながったことも楽しさを大きくしてくれた一因であったと思います。今回の講義でニュートリノ振動の仕組みや原因など、新たに疑問に思ったこともあったので、もっと調べたいとも思いました。
二つ目は課題研究です。
今回の課題研究では、より遠くに飛ばし、より美しいデザインのリング飛行機を製作し、「より分析的に伝える」という課題にチーム一丸となって取り組みました。
食事を共にしたり、会話をしたりしているうちに昔からの友達であったかのような関係を築けたこと、結果としてチームで総合優勝ができたことも忘れられない思い出となりました。
最後に、創造性の育成塾に携わっていただいた先生をはじめ、OB・OGの方々、このような機会を与えていただき本当にありがとうございました。
06. 大久保 早夏
私は、この塾に参加した同じ学校の先輩の話を聞いて入塾を希望しました。一次の選考問題では、問題を知った日からずっとそのことばかり考えていて、上手くいかずに心折れそうになったこともありました。でも、その試行錯誤があったからこそ合格した時の喜びはとても大きなものでした。
私がこの塾で最も印象に残ったことは二つあります。一つ目は、坪倉先生の講義です。東日本大震災と福島の原発事故の話を通して、日本は災害大国なのにも関わらず、足腰が不自由な方や障害をお持ちの方などすぐに逃げることができない人を守るための仕組みがないことに初めて気がつきました。災害が起こった時に誰を優先するかは決められませんが、どうやってよりたくさんの命を守るか、改めて考えるべきだと思いました。とても心に残る講義でした。
二つ目は課題研究です。私の班は飛行距離を延ばすことはできませんでしたが、デザインに力を入れ、結果は総合4位でした。課題研究を通して、仲間との試行錯誤の楽しさや、一人では絶対に思いつかない発想が出てくることの素晴らしさを感じました。班のメンバーとの仲も深まるとても楽しい時間でした。
創造性の育成塾に参加するために頑張って本当に良かったです。全体を通して、とても貴重な経験ができたと思っています。ありがとうございました。
07. 大谷 有佳里
私は創造性の育成塾19期に参加して、大きな学びを得ることができました。
私がこの育成塾で一番印象に残っている講義は上田正仁先生の「考える力」についてのお話です。「考える力」は才能だと思っていたけれど、「考える力」は生まれつきの才能ではなく、運動と同じで鍛えることができ、「考える力」やその先の「創造力」を鍛えるためには小中学校などの勉強の「マニュアル力」が必要だと分かりました。ただ「考える力」を伸ばそうとするのではなく、「考える力」を作るために「マニュアル力」を鍛えるのは欠かせないものだと学びました。
実験では、豚の血を用いた実験が印象に残っています。血などの体のことについては自分にとって怖いと思い、今までは避けてきました。しかし、いざやってみると、血は酸素や二酸化炭素に触れると色が変化することや、輸血をするときに血液型を調べられる液体を使って豚の血液型を調べたりしているうちに、血は性質をたくさん持っていて、おもしろいなと見方が変わりました。
マッチをたくさん使った実験では、マッチが少し怖くなくなったように思います。
育成塾を通じて、普段はできない貴重な体験をたくさんすることができました。この経験を活かして、さらに成長していきたいです。
サポートしていただいた運営委員の方々、OB・OGの方々、そして講師の先生方には本当に感謝しております。5日間、本当にありがとうございました。
08. 大西 謙心
今回の合宿で僕は大切なことを学ぶことができました。講義では特に中島研吾先生のお話が心に残っています。中島先生にはスパコンについて講じていただき、これからの研究で成功するためにはAIやコンピューターについて知り、使えるようになる必要があると教えていただきました。実際、去年のノーベル賞を受賞された方は全員AIなどを使っていたそうです。スパコンやAIのことについても勉強していこうと思いました。またろうそくの炎を触る実験を行いました。普通炎は熱いものなので触ろうと思いませんが、この実験で水で指を濡らしてから炎に触れれば一瞬なら熱くないという事を体験しました。ここから人はかなりの偏見を持っており、本当にそうなのか考える必要があると思いました。課題研究では一人一人の考察したことをしっかり共有することの重要性を感じました。スムーズに実験を進めていくためには、誰の考察をもとにして次の実験をするか決める必要があるからです。またいろいろな生徒と触れ合えたことで新しい考え方を発見することが出来ました。例えば光の波長によって、その光を散乱させるものの粒の大きさが変わります。可視光を散乱させる粒子はすごく小さいので、日常的なものでは試せないと思っていましたが、この粒をろうそくの煙で代用している友達がいました。育成塾ではたくさんの大切なことを学びました。このことをたくさんの人のために生かしていきたいです。
09. 岡崎 正太郎
私は、創造性の育成塾を終えて感じたことが特に二つあります。
一つ目は、講義でのことです。この合宿では様々な分野の先生の講義を受けました。講義のはじめはよくわからなくても、だんだんと理解することができるようになりました。そして、関心を持てるようになりました。先生の話では、好奇心と探究心を感じられるものが多くあり、その過程や仕組みを詳しく話していました。私も、人に関心を持てるような話ができるようになりたいです。また、学生時代の経験が役に立ったという話もありました。私もまた、いましていることが将来に活かせるといいです。
二つ目は、仲間との交流です。合宿でほかの人と話してみたり、講義の質問を聞いてみたりすると、興味深い見方や行動を知ることができました。この経験を今後の生活で活かしていきたいです。また、この合宿では課題研究がありました。初めての人と班になったので不安もありましたが、楽しかったです。課題研究では、班で協力して作業ができたと思います。しかし、私は振り返ってみると限られた時間に対する誠意が足りなかったと思いました。課題研究に後悔はありませんでしたが、今後は意識していきたいと思います。
この合宿ではいままでしたことがない経験ができ、とても楽しかったです。この経験をもとに、今後の生活でいろいろなことに挑戦していきたいです。
最後に、創造性の育成塾に協力してくれた方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
10. 小川 大遥
この創造性の育成塾の5日間はとても充実した時間となりました。
最初のインタビューのときのみんなの趣味や特技、国際生物学オリンピックで銀賞を獲得された日吉さんのお話などを聞いたときにはみんなについていくことができるかとても不安でした。しかし創造性の育成塾に参加していた人たちはとても関わりやすく、講義や実験の内容について話したりわからないところを教えてくれたりしたおかげで、たくさんの知識を得ることができました。
特に印象に残っている講義は、津田雄一先生の【「はやぶさ2」と太陽系探査】という講義です。はやぶさシリーズは世界で初めて惑星間往復飛行を成功させたものであり、そのはやぶさ2の大きさは6mもあるのにもかかわらず600kgしかないことにとても驚きました。また小惑星リュウグウは重力が地球の8万分の1であるため、変に動くとリュウグウの重力外に出てしまうそうです。そのためリュウグウを探査するロボットの移動方法にはスマホの電話のときなどの振動する原理が使われているといっていました。このことを思いつくすごさにとても驚きました。
この創造性の育成塾で学んだことはどれも日常からかけ離れたもので、新たな自分の好奇心を持たせるものでもありました。この育成塾で学んだことを自分のものだけにはせず、周りの人にもアウトプットしていきたいと思います。
11. 岸本 慶龍
今回の育成塾で学んだことは大切なことばかりでした。もちろん、科学について学んだ部分もありますが、問題を解く上で何が大切なのか、仲間と協力することの重要性などの大切な基礎の部分を、先生のお話や課題研究で学ぶことができました。
最初は、もっと硬く全身全霊の学習時間だと想像していたので、とても緊張していましたが、実際の合宿雰囲気は明るく平穏で居心地のいい空間でした。
課題研究に取り組む時も、より良くするための案をお互いに出し合って、尊重しあえた事がとても良かったなと思います。思いやりがあり、芯が強く、博識で探究心あふれる仲間と出会えとても嬉しいです。
特に実験は楽しかったです。
気加熱を利用して指に火を灯す実験は、ずっと憧れがあったので、心から感動しました。その炎を見ながら「自分はここに来て夢への第一歩が踏み出せたんだなぁ」と実感しました。
スケジュールが終了してホテルに戻っても部屋の人と過ごす時間も、特別な時間になりました。お互いの出身地の話や、課題研究の話、趣味の話、部活の話などで盛り上がり、楽しさやくやしさなど様々な気持ちを共有することができました。僕は今までに合宿を何度か経験しましたが、今回が一番楽しく充実した合宿になりました。
またいつかこの育成塾でできた仲間と会えたらいいなと思っています。
この合宿には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
12. 桐ケ谷 華
なかなか経験することのできない貴重な体験。そこで私は様々なことを得られました。その中でどの先生の講義でも共通していることがありました。ずばり、「好きなことへの熱意」です。 天文、物理、数学、脳科学など、どの分野の先生も分かりやすく、楽しそうに教えてくださいました。中でも印象に残っているのは、津田先生のはやぶさ2と拡張ミッションについての講義です。飛行の形態として最も難しいサンプルリターンを選び、まだ誰も成したことのない小惑星の着陸を成功させました。はやぶさ2プロジェクトによって、多くの学者たちが小惑星の新たな可能性を知り、驚き喜んだのかなと思います。私は「リュウグウに着陸して物質を調べること」がゴールではなく、1998KY26を目指すという姿勢に憧れました。1998KY26はとても小さいかつ自転のスピードが速いそうです。他にも調べると、リュウグウと同じC型小惑星であり、サンプルを持ち帰り2つを対比できるのではないかといわれています。どんどん謎が解けていくたびにまた疑問が生まれるのですが、自分の生まれた自然・宇宙のことを少し知れたと思うと嬉しいです。
5日間を振り返ると、創造性は、広い視野を持ち枠にとらわれないことで好きなことを突き詰めていくのではないかと思います。チームワークの大切さ、専攻と他分野との関わりなど、この塾で得られた経験を活かしてまずは好きなことから積極的にチャレンジする姿勢を大事にしていきたいです。
13. 小泉 尚志
僕は創造性の育成塾で3つの力を学びました。
これは、僕が一番興味を持った講義である、上田正仁先生のお話から学んだことです。
上田先生はお話の中で、「優秀さの評価基準は生活の段階によって変化する」とおっしゃっていました。
大学入試までは、与えられた問題を正確に解く力である「マニュアル力」、大学生では、問題を自ら見つけて、それに対するよりよい解決策を編み出す「考える力」、大学院ではもともとある型にはまらず、新たな型を創り出していく「創造力」、この3つの力が重要になってきます。
また、この3つの力はピラミッドと同様に、マニュアル力は考える力の土台となり、考える力は創造力の土台になります。
マニュアル力で現在ある型を知り、それをもとによりよい型を考え、その型を抜け出した奇想天外な型を出すという流れです。
なので、いきなり創造力を高める事はできず、マニュアル力→考える力→創造力という順番で高めていくことで、より力が付きやすいです。
また、「考える力は鍛えることが出来る」ということに興味を持ちました。
考える力は筋肉と同様で、「日々の鍛錬の積み重ね」「基礎からレベルを上げていく」「一度止めてしまうと衰えてしまう」という3つの性質を持っています。
よって、考える力は筋トレのように育てることが出来ます。
これからは、考える力や創造力を鍛えていき、それらを駆使していきたいです。
5日間ありがとうございました。
14. 胡 宸睿
僕は創造性の育成塾に参加し、まず未知は沢山存在するのだと思った。
理由はいくつかあるが、多くは先生達の未知を切り拓く研究の話を沢山聞いたからだ。例を挙げると、一つに梶田先生のニュートリノによる宇宙の観測だ。それまで電磁波で、目の延長線上のような方法で宇宙を見てきた私たちにとってそのニュートリノという観測方法は凄まじく斬新なものなんだと思った。他には坪倉先生の話にあった災害のような極端な状況下での科学の運用だ。人々が混乱に陥っている時、隠れて色んなところで色々な思惑が蠢いていて、観察で導き出せても、人々が冷静になり難い状況で、科学的見方も麻痺してしまうようなことも、一種の予測し難い未知な状況なのだと思った。
そして、その未知に果敢に挑む勇気と努力が大切なのだとも思った。
これも理由がいくつかある。その多くはまた先生方の未知を拓く研究に起因する。例としては一に山形先生の気象現象に関する研究だ。先生は私は気象庁の敵だ、と自虐していたが、先生のような未知をこれまでの当たり前とされる相関や数値から見つけ出し、気象への認知を変えてしまうような現象を発見するような努力と変えていく勇気がとても尊敬できるものだと思った。他に鈴木先生の科学倫理の研究だ。科学技術の利用については多様な意見があり、人類は利用や影響を考えていく必要があるという話は、結局のところ社会や生命にまで大きな影響を及ぼしかねない、効果の未知な科学技術を認めながら時代時代の中で挑み、利用しようとする人類の勇気の現れであると思った。
最後に、先生達の研究は色々な分野がつながり合い、未知に挑んでいく科学の共同体になっていっていると思った。僕も、結果を残せるかは分からないが、創造性の育成塾で学んだ未知に挑む気概を心に刻み、そのような科学者の一員となれることを望み、自分なりに進歩を続けたく思う。
15. 小竹 文佳
わたしにとってこの5日間は先生方の貴重な講義や実験、全国から来た友達と話したことなどとても充実した忘れられない思い出になりました。はじめは緊張していて講義を理解できるのか、周りのみんなと友達になれるのか不安でした。しかし、みんなとは理科以外のことも話せたり、講義もすべてが興味深くておもしろく分からない部分もありましたが、その部分を友達と話し合えるところも含めて楽しかったです。
講義で印象に残ったのは、上田正仁先生の講義です。
マニュアル力、考える力、創造力の求められる時期の違いや使う場面、鍛え方などについて教えてくださいました。それぞれ才能で生まれつき決まってしまうものではなく、その人個人の努力によるもので、諦めてしまうのはもったいないことだと実感しました。
また、様々な分野の先生の講義を聞いて「好奇心」、「疑問に思う力」が大切だと思いました。いろいろな物事に興味を持って、わからないことに出会っても無視してとばさずに立ち止まって自分にできる限り考えてみようと思います。
今回の合宿で学び、得た経験を今後に活かしていきたいです。
最後に創造性の育成塾に関わってくださった皆様、素晴らしい体験をありがとうございました。
16. 小松 咲月
私はこの合宿で、貴重な講義や塾生との交流を通じて、自分の好きな分野だけでなくこれまで知らなかった分野や、物事の考え方まで幅広く学ぶことができました。
梶田先生によるニュートリノと重力波の講義では、カミオカンデで観測されたわずか11個のニュートリノから超新星爆発のメカニズムが解き明かされることに感動しました。また、13億光年という途方もなく遠い宇宙から届いた、ほんのわずかな時空のゆがみからブラックホールの融合が起きたことがわかるということにも、大きな驚きと興味を覚えました。
坪倉先生の福島第一原子力発電所事故に関するお話も、深く心に残っています。避難の混乱の中で高齢者や障がい者の方が置き去りにされ、その中には餓死で亡くなった方もいたこと、さらに命の優先順位を決めざるを得ない「トリアージュ」の現場についてなど、思わず耳をふさぎたくなるような衝撃的で生々しいお話が続きました。「災害は社会の弱いところをあぶり出す」という先生の言葉は、特に強く心に響きました。
課題研究の時間では、班のメンバーと「ああしよう」「こうしたらどうだろう」と意見を交わす中で、自分一人では思いつかなかった実験条件まで試すことができました。仲間と一緒に考えながら実験する楽しさや意義を実感しました。
他にもここには書ききれませんが、すべての講義が濃密でとても興味深かったです。
中学2年生というこの時期に、これほど密度の濃い5日間を過ごせる機会をくださった先生方やOBOGの皆さま、本当にありがとうございました。
17. 小松 大斗
僕は、この夏、創造性の育成塾で、著名な先生方の講義を聞き、「学ぶ姿勢」を身につけることができました。特に心に残っていることをいくつかご紹介します。
まず僕は、五神先生の講義を通して、「基本となる知識を学ぶこと」、「知識を柔軟な発想によって使いこなすこと」、「新しい可能性と向き合い、興味を持って挑戦し変化を作り出すこと」など、これから私が色々なことを学ぶ上で、大切にすべきことを教えていただきました。
また、梶田先生の講義では、地球から放出されていると考えられていた放射線が、実は、宇宙から出ていると発見したヘスさんの話や、カミオカンデで初めてニュートリノを観測したときの話を伺い、更に合宿中に多くの実験を経験し、「正しいとされていることも、そのまま受け止めるのではなく、自分で確かめ、体験を通じて理解することの大切さ」を実感しました。
合宿から2週間経った今、気持ちが変わると、見るものや行動まで変わるのだと感じています。先生方から教えていただいた学びの姿勢を胸に、これからも多くのことを積極的に学んで行こうと思います。
そして、全国から集まった出会ったばかりの友達と過ごした4泊5日は、絶対に忘れられない時間になりました。中学2年の夏がこんなに貴重な時間になるとは思いませんでした。
先生方、運営の皆様、OBOGの先輩方、そして一緒に参加した塾生の皆さん、4泊5日本当にありがとうございました。
18. 嶋村 日和
私が創造性の育成塾で気づいたことは、おかれた現状を楽しむ力が大切だということだ。
それは、先生方のお話からも伺えた。講義をしてくださった先生方は、どの方も志半ばで大きな問題にいくつもぶち当たり、それでも最終的に当初の予定より大きな成果をあげていた。また、個人的にお話をさせていただいた運営の先生方が、どの方も紆余曲折の人生を語り、「とりあえず今できることを頑張れ」と伝えてくださったのもよく覚えている。
また、OB・OGの方々も同様だ。生物オリンピックについて話しているときの笑顔や、研究について質問したときにすごく嬉しそうに応じてくださったことが、印象的だった。
さらに、同期たちの姿からも学ぶことがあった。皆、良い意味で「普通」だったのだ。休憩時間やホテルなどでは友人との会話を楽しみ、はしゃいでハメを外す姿もあった。しかし、ひとたび講義になると真剣な表情でメモを取り、鋭い質問を繰り出していた。また、課題研究でも仲間と笑顔で会話をしつつも、深く思考し全力を尽くして、それぞれが個性を活かして成果をあげていた。たくさんの難しいルールにも、一言も文句は出なかった。ただがむしゃらに真面目なのではなく、その場を楽しむ気持ちを忘れず、その延長線上で力を尽くしている。
私は今回、過去や今を創造してきた方々や、これからを担っていく皆に触れた。どの方も、才能や資質に恵まれて目標に向かって一直線などではなかった。進もうと思った道からは逸れ、それでも流れ着いた先に奮起し、持つ力を尽くした結果だ。私も、将来望みとは違う状況におかれることが山のようにあるはずだが、その時も楽しむ気持ちを忘れず、ここの皆さんのような素敵な人生を送りたいと思った。
19. 下舘 泉
創造性の育成塾に参加させていただきありがとうございました。
全国のさまざまな地域から集まる高い意識の仲間と出会い、たくさんの友人ができました。話していく中で、自分がどうありたいのか、そして将来目指すものについてじっくり考えるきっかけとなりました。
今回、多くの著名な先生方からたくさんのことを教えていただき、その中でも特に印象に残ったご講話が2つありました。全く知らなかった学問がまだまだたくさんあり、自分が見ている未来の可能性がまだまだ大きくなると実感しました。
まず、鈴木寛先生の『公共哲学』という学問にふれたことです。自分事として大切なことと、社会全体としての最適化は同じでない可能性があるという広い視野を学びました。つい自分目線で物事を考えがちですが、物事を俯瞰して全体像を見据えることや、異なる意見も正しいといった広い視野の重要性を感じました。
次に考える力について上田正仁先生のお話です。頭の良さや、本質を見抜く力、粘り強く考え抜く力は自分の努力と意識次第であるというお話です。筋トレと考える力を鍛えることはとても似ているという、先生のお言葉を思い出し、考えることの楽しさを一つ一つ実感したいと思います。
参加当初は、優秀な方々ばかりで私でもついていけるのか、不安しかありませんでしたが、とても有意義な時間となりました。参加できたことを心から感謝いたします。
20. 白山 湊斗
私は今回の合宿で、現代の科学技術に関わる多くの講師の方々からお話を聞き、さまざまな知識を得ることができました。また、すでに自分が知っている知識に対する考えも深まったと考えています。
特に面白いと感じた授業は、上田正仁先生による、「考える力」に関する授業です。私は、私立中学の受験も経験しており、そのための勉強として記憶を行っていたことがあります。また、小学校から高校までの教育では考える力よりも、一つの答えを導く力の方が重要視されていると感じます。そうした教育の中には、社会に出た時に使わなさそうだと感じるものも多く、それらを学ぶ意味についてこれまで考えていました。上田先生曰く、それは「マニュアル力」という力で、高校までは重視されますが、大学、社会では、マニュアル力よりも、一つの問いについて長い時間考えて自身の答えに辿り着く力である「考える力」や「創造」が大切になってくるそうです。しかし、だからと言ってマニュアル教育が不要なわけではなく、考える力の基礎としてマニュアル力が大切なのだと知りました。一見必要なさそうに見えるマニュアル教育も、考える力の基礎となることがわかりました。一つの答えを導く一次元的な見方を、考える力によって多次元化させて広げていくことが今後必要になるのだと感じました。
今回の合宿で私は多くの「識を得て、その知識に対する考えが深まったと思います。それらを生かし、実社会で役に立つような創造ができるように努力していきたいと思いました。
21. 須古 桃佳
私はこの夏合宿を通して、様々な科学の魅力を感じることができました。
特に、津田雄一先生のご講義が印象に残っています。リュウグウの探査をするうえで発生する問題をどう解決していったのか、というお話がとても興味深かったです。また、先生の「夢がかなったというよりも、小さな興味を育てていったら、夢のようなことができた」というお話から、私もそのような経験ができるように、小さな興味を育てていく努力を重ねたいと思います。更に、「好奇心と縁を大切に」というメッセージとこの創造性の育成塾が重なっているように感じました。
課題研究では、班のみんなと「どうすればより良い飛行機になるのか」課題研究の時間だけでなく、食事や休憩時にも話し合ったりしたことがとても楽しかったです。また、中学校から宿泊施設までの帰り道での会話も、いい思い出になりました。
塾生みんなの興味や、その魅力を聴くことができ、とても刺激を受けました。私自身も熱中できることを見い出したいと感じました。
この五日間の貴重な経験を通して、今までよりも自分の興味の対象がはっきりとしたように思えます。自分の興味を育て、色々な挑戦につなげていきたいです。
この創造性の育成塾での経験と出会いは一生の宝物です。
最後になりますが、先生方、事務局の皆様、先輩方、本当にありがとうございました。
22. 曽山 仁
この夏、僕は同世代の理科好きの新たな友達と「創造性の育成塾」で五日間の有意義な時間を過ごしました。
東京大学の大きな教室で講義を受け、最先端技術や科学オリンピックについて学びました。また、食堂では、グループの仲間と一緒に「次は何をするか」や「選考課題は何に取り組んだか」などを話しながら学食を食べました。
この五日間、科学分野の学習だけでなく、友達との時間や生活の多くを東京大学の中で過ごして、とても楽しく、時間がすぐ過ぎていくように感じました。
僕が特に興味深いと思ったテーマは、五神真先生や梶田隆章先生が取り上げられたスーパーカミオカンデについてです。
事前にスーパーカミオカンデについての本を読んでいったのですが、講演を聴くことにより、ニュートリノの観測についてより深く学ぶことができました。実際の現場に立っている先生の講義が聴けてとても面白かったです。
また、科学オリンピック体験談では、国際生物学オリンピックで活躍をしている第15期塾生の日吉さんの講演から、実際にオリンピックに出ている人でなければ分からないことをたくさん知ることができました。
創造性の育成塾はこの5日間で僕にたくさんの活動への道を示してくれました。
このような機会をいただき、ありがとうございました。
23. 髙木 隆広
新たな知見を切り拓く。まさにそんな学びの多い有意義な五日間でした。特に課題研究においてチームで総合優勝という結果を修めることが出来たのは、忘れ難い経験となりました。この結果は、四人の仲間がそれぞれ異なる視点や考えを持ち寄り、互いを尊重しながら試行錯誤続けたことで新たな発想が生まれたからだと思っています。科学部に属していない僕は、これまで研究は基本的に一人で行うことが常でした。しかし創造性の育成塾の合宿で、「複数人で研究段階から意見を出し合い、切磋琢磨していく事で引き出しが増え、新たな発想が生まれる事」を体験として学ぶ事が出来ました。
創造性の育成塾では、各研究分野の第一人者である先生方から多くの心震える学びを得、そして日本全国に志を共にする多くの仲間を得ることが出来ました。今回出会った仲間達と、将来、それぞれが世界中で活躍しながら、共同研究等が出来る未来が今から楽しみです。その為には、僕自身も合宿での学びを忘れず、今後もっと研鑽を積んでいきたいと考えています。
ご講義下さった先生方、そして貴重な機会を下さった事務局皆様、そして多くの刺激を与えてくれた十九期生の仲間達に心より感謝申し上げます。生涯忘れる事ない学びと、感動に溢れた五日間をありがとうございました。
24. 田中 諒
今回の創造性の育成塾において、僕が最も面白いと感じた講義は、鈴木寛先生の講義です。最初、文系出身であるということを聞き驚きましたが先生のお話は研究者が心がけるべきことであり、僕たちが考え続けるべき問いを認識させるもので大変感銘を受けました。課題研究に関しては少し残念な結果に終わってしまい、自分の至らなさも自覚しました。班のみんなで全力を尽くしたとはいえ悔しく、どのような形が最も飛ぶのかはまだ分からないので、考えてみたいです。ただ、スピーチなどは上手くいったので、そこは良かったです。実験については、普段できないようなやや危険なものや、本格的なものが多く、とても満足しました。特に、蝋燭の実験は講師の方の話が面白く、楽しかったです。総じて、今回の育成塾を通じて僕は自分の現在地とこれから目指すべき場所がわかったような気がします。自分が考えもしなかったことをしている同期の塾生たちに負けずに、これからも精進していきたいと思っています。
25. 田村 純平
「創造性の育成塾」は、それまでは自分で自覚できていなかった僕の興味・関心を引き出し、さらに将来について考えるきっかけを与えてくれました。
創造性の育成塾では、様々な分野の世界、例えば量子力学や哲学、医学まで、幅広い分野の話を聞くことができます。この様々な講義が、僕に知識とともに沢山の将来の選択肢を与えてくれました。新たに量子力学や気象学にも関心が出てきたり、生物学の中でも、医学や心理学など、さらに細かい分野で自分の好きな分野を見つけることができました。
好きな分野や将来の目標など、長期的な目標ばかりではなく、今から進んでやってみたいと思うこともたくさん見つけることができました。僕にとっては、生物オリンピックがその一例です。先輩の大会の体験談は、自分に大きな刺激を与えてくれました。
学問に関することだけではなく、沢山の経験と思い出も作ることができました。グループワークやホテルでの生活、食事を通して、新しい友達ができますし、東大の校舎を実際に見て、「東大の良さ」というものも改めて実感しました。
このように、「創造性の育成塾」では、自分の将来に対する選択肢から、身近なものに対する興味、さらには友人まで、一生の宝となるであろうたくさんの経験を得ることができます。このような機会に自分が巡り合えたこともとてもうれしいですし、この機会を与えてくださった方々には感謝するばかりです。創造性の育成塾関係者の皆様及び19期の方々、5日間ありがとうございました。
26. 辻巻 凛
楽しい実験をさせてもらったり、貴重なお話を聞かせてもらったりとても充実した5日間でした。
私が特に印象に残ったことは2つあります。
1つ目は、坪倉正治先生の「東京電力福島第一原子力発電所事故後の健康被害について」というテーマの講義です。事故が起きた原因や、避難した後の問題、原発事故の時の防災対策がうまくできていないということなどをよく知ることができました。科学的に人体に影響はないが、社会的に大問題であるということが発見されたのに、その2つの事実の切り取り方によって全く違う風に解釈できるということを教えていただきました。このネット社会では受け手側が意識していないと情報が偏ってしまうこともあるので、自分も気を付けることが大切だと思いました。
2つ目は、大隅典子先生の「脳の性差と多様性」というテーマの講義です。人間の脳が性別によってどのような発達の違いがあるのかということや、神経回路レベルではどのような差があるかがわかりました。ジェンダー差の起源は小さい時からの刷り込みから来ていて、日本のジェンダーの差が大きいのは、意思決定の場に女性や、子育てに参加する男性が少ないためであると考えられていてることを知ることができました。思い込みを変えるのは簡単ではないので、少しずつ変えていくためにも、女性もロールモデルになることが重要だとわかりました。
この5日間はあっという間でしたが、とてもたくさんのことを学ぶことができました。本当にありがとうございました。
27. 尚永 苺華
私は、創造性の育成塾を通してたくさんのことを学びました。なかでも印象に残っているのは、さまざまな人との交流の楽しさと大切さです。科学について議論を交わし、知識を共有し合った塾生、専門分野のお話を聞かせていただいた講師の先生方、科学オリンピックや大学での体験談など貴重な話を聞かせてくださったOB・OGの方々、そして、課題研究を通して切磋琢磨しあった文京第六中学校の生徒たち。こうした人々との交流は、私にとって大きな財産となりました。
驚いたのは、昼食の時間に食堂で経験した出来事です。友人たちと食事をしていると、OBの方が交流のある6名ほどの外国の方々を紹介してくださいました。一人ひとりが自己紹介をしてくださり、本当にさまざまな国の方が日本で研究しているのだと実感しました。また、OBの方と彼らが流暢な英語でやり取りしている光景はとても新鮮で、「日本人だけでなく、世界中の人々と科学を通じて交流できるんだ」ということを肌で感じることができました。
育成塾で学んだ時間や、得た知識、共に学んだ友人達は私の宝物であり、今後の私の人生において、大きな影響を与えてくれると思います。
貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
28. 中島 榮太
私がまずこの夏合宿で気づいたことは、日本にはこんなにもレベルの高く、創造性を持った同級生がいるということです。おそらく私が普通に生きていたら想像もつかなかった、そんな次元の人たちと交流する事だけでも、私は人として強くなれたような気がします。ですがこの育成塾ではそれだけにはとどまらず、知識を出し合う機会を設けてくれたことにより自分のレベルをはかることができました。正直言って、この育成塾のメンバーの中で私はあまり優れているとは言えないと感じました。皆偏差値の高い学校に通っていたり、独学で義務境域ではやらないような知識をつけている人が大半でした。しかし、私がここで強くなれたことは、その次元を知れたことです。東大生なら年が離れているからにしても、同級生の東大生候補とのレベルの差を見ることができた今、今はその次元に到達できなくとも、まだ中学2年生というベストなタイミングの育成塾に参加できたことによって、まだ私は変わることができるという希望、可能性を見出すことができました。そして、その出会いと同じくらい、高名な方々の講義を聞き、その内容からもたくさん学ぶことができました。科学の可能性、研究に対する姿勢など、まさにこの育成塾への期待をそのまま具現化したような、本当に夢のような合宿でした。本当に、ありがとうございました。
29. 長野 泰雅
私はこの夏合宿を通して、理科をさらに好きになると同時に、今まであまり知らなかった分野にも興味を持つことができました。
一番印象に残った講義は梶田先生の講義で、超新星爆発の際に放出されたニュートリノを観測することで、超新星爆発のメカニズムを解明できたという話や、光の干渉や重力波の性質を利用したレーザー干渉計の話などが特に印象に残りました。
また、五神先生の講義の、レーザーを励起状態の原子に当てると、当てたレーザーの光のコピーを放出するという性質と、急速に原子を冷却し動きを固定する技術を利用した光格子時計の話も印象に残りました。
この夏合宿の目標として、自分の将来の夢を見つけるということを掲げていました。明確な分野までは決められていませんが、私は将来、生物学の研究者になろうと思います。上田先生が講義で言われたように、まずはマニュアル力を鍛えて基礎を作り、生物学オリンピックに出場したいと思います。この夏合宿には自分の好きな分野を突き詰めている人やいろいろなイベントや講義に参加してきた人など、自分よりも先を行っている人がたくさんいました。私も負けないように頑張ろうと思います。
これからも、この夏合宿での塾生とOB・OGの方々との活動、講義や実験、課題研究で学んだ内容を忘れずに生活していこうと思います。
30. 西岡 笑輝
僕はこの合宿を通じて、科学がもっと好きになり、全国の同学年の人と友達になれました。
これまでは科学の中でも生物の分野が特に好きでしたが、合宿でのOGの方のお話を通じて、生物の分野は他の分野と強いつながりがあると実感しました。そして、これまで苦手意識を持っていた地学の分野についても、生物を交えて学ぶことで、楽しく学べそうだという自信がつきました。
また僕がこの合宿で最も心に残ったのは、五神真先生のご講義です。先生のご講義は、現在の地球環境が危険な状態にあるといったお話や、利益を追求しすぎると「コモンズの悲劇」といった社会現象が引き起こされるという社会についてのお話から始まりました。そして徐に、先生の研究対象である光へと移り変わっていきました。光についてのお話では、僕が前から興味のあった光が波か粒かについて、わかりやすい図と科学者達の行った実験を交えて、ご講義してくださいました。その中でも、原子時計の仕組みやその高い精密度についてのお話に最も興味を惹かれました。素晴らしいご講義をありがとうございました。
最後に、絶えず緊張気味だった僕に、やさしく接してくださった19期生の皆様、先生方、OBOGの皆様、この合宿を形作ってくださった全ての皆様、ありがとうございました。
31. 福間 瑛太
私は、この育成塾の講義や実験を通して、これまでとは違う新しい自分になれたと感じています。それは、新しい知識を幅広く学べただけでなく、全国から集まった理科好きの友達とたくさん出会えたからです。
特に印象的だった講義は、光量子科学の面白さ、ニュートリノの検出方法、重力波の観測、核分裂のしくみ、ハヤブサ2の挑戦やサンプルリターンの難しさ、赤血球と酸素の反応、血液型の調べ方、そして母体の血液型が赤ちゃんにあまり影響しない理由です。
とりわけ心に残ったのは、実験やJAXAのハヤブサ2のミッション、そしてニュートリノの検出方法でした。自分が興味を惹かれる分野について話を聞いているだけで、胸が高鳴りました。
中でも光量子科学には、最も強い興味を持ちました。育成塾でいただいた分光器を使って、「色の三原色」と「光の三原色」はなぜ異なるのかというテーマで、新しい研究を始めようとしています。これは中学1年生のころから抱いていた疑問であり、ついに解明に挑戦したいと思ったからです。
育成塾では、「考える力」や「創造力」を身につけることで、日々の生活をより良く変えていけることも学びました。
この五日間で経験した多くの講義や実験を通して、理科への興味はますます深まりました。今回の学びと感動を忘れず、未来へとつなげていきたいです。そして、この気持ちを大切に、ずっと理科を好きでいられるような生活を送りたいと思います。
このような素晴らしい塾に参加させてくださり、本当にありがとうございました。
32. 藤田 岬佑
僕はこの5日間の合宿で色々なことを学びました。また先生方やOB・OGの方々、塾生の皆さんからとてもたくさんの刺激を受けました。
まず一番印象に残った講義は、津田雄一先生の『「はやぶさ2」と太陽系探査』です。今僕は地学の分野に一番興味がありますが、どちらかというと地震などの分野に興味が偏りがちでした。ですが講義を聴いて「はやぶさ」などの探査機は宇宙の、地球ではない星の謎を解き明かすだけでなく、解き明かすことにより我々が住んでいる地球の謎なども解き明かそうとしているということを改めて実感し、宇宙科学にも非常に興味がわいてきました。また梶田隆章先生や山形俊男先生の講義も同じ位印象に残っています。梶田先生の講義ではニュートリノや重力波を観測することで宇宙の様々なことが地上でも分かるようになってしまうということに驚きました。山形先生の講義では気候は一見全く関係のないように見える要素がめぐりめぐって関係していることもあるということが分かりました。
合宿を通して、自分にはまだまだ知らないことがたくさんあるということを改めて実感しました。これからさらにたくさん知識をつけて上田正仁先生のおっしゃった通り創造力などの土台となるマニュアル力から鍛えていきたいと思います。
最後に先生方、事務局の方々、OB・OGの方々、塾生の皆さん、5日間ありがとうございました。
33. 藤田 耕平
参加が決まったときには、うれしかった一方で、他の人のレベルについていけるか不安な気持ちもありました。しかし、プログラムが始まると、その不安も薄れ、内容が複雑な授業やあまりなじみのない分野でも授業に引き込まれ、視野の広がっていくことを実感しました。
この夏合宿で印象に残ったことが2つあります。
1つ目は、坪倉正治先生の講義です。この講義では、自分達が生まれる少し前に起きた東日本大震災と福島原発事故の深刻さが分かりました。特に、立場の弱い人々が避難できずに取り残されていたことを物語る写真をみて、災害が社会の弱い面を浮き彫りにすることがとてもよく分かりました。また、原発事故による健康被害は直接的ではないものの、精神面や慢性疾患へのケアが重要だと強調されていたのも印象的でした。先生がデータ収集や法律の改善に取り組んでいる姿に、未来の災害に備えることの大切さを感じ、僕も過去の経験から学び、より良い社会を作ろうと思いました。
2つ目は、班での課題研究です。毎日遅くまで皆で楽しみながらリング飛行機制作に取り組めました。チームでアイデアを出し、協力し合って考察することや、最後の発表までの限られた時間を計画的に使うことの大切さも学びました。
最後に、先生方、事務局やOBOGの方々、そして19期の皆さん、充実した5日間を本当にありがとうございました。
34. 古田 伊知朗
五日間の講義や実験を通して、僕は自分の考え方や視野が大きく広がったことを実感しました。最初はただ知識を得る場だと思っていた合宿ですが、日を重ねるごとに、学びの奥深さと人との出会いの価値に気づかされました。
上田正仁先生の講義では、人生の段階ごとに求められる力が変化することを学びました。高校までは、与えられた課題を正確かつ効率的にこなす「マニュアル力」が重視されます。しかし、それだけでは物事の本質を見抜き、自分で問いを立てることはできません。大学までに必要なのが「考える力」です。物事を長く考え抜き、その本質を理解する力を養うことが求められます。そして、これらを応用したものが社会で求められる「創造力」です。急速に変化する現代社会において、答えが一つではない課題に向き合うためには、この創造力が不可欠です。僕も学生のうちから少しずつこの力を磨き、困難に直面しても諦めずに挑める人間になりたいと強く感じました。
また、多くの先生方の話を通して、人との出会いの大切さを深く実感しました。合宿中、塾生のみんなと意見を交わしながら実験や議論を進めることで、新しい発想や考え方に何度も触れることができました。特に意見が分かれたときに、互いに考えをぶつけ合いながら最善の方法を見つけられた経験は、知識だけでは得られない学びでした。仲間との出会いは、僕の視野を広げ、思考の幅を大きく広げてくれました。
最後に、この合宿を支えてくださったスタッフの皆さん、先生方、OB・OGの皆さん、そして一緒に学び、楽しさを共有しあった19期生の仲間たちに心から感謝します。五日間で得た学びや出会いは、僕にとってかけがえのない宝物です。これからもこの経験を胸に、学び続け、人との関わりを大切にしながら成長していきたいと思います。
35. 堀木 帆荷
この五日間はとても刺激があり、楽しいものでした。初めて訪れた東大の建物の美しさや雰囲気がすてきで、わくわくしました。最初は全国の選抜された理科好きたちについていけるかどうか、講義の内容を理解できるかどうか不安でしたが、目標だった理科好きの友達を作ることも、講義によって新しい考え方を知ることもできました。
私が特に面白いと思ったのは上田先生の「考える力」の鍛え方の講座と、梶田先生のニュートリノについての講座です。「考える力」は筋力と一緒で鍛えなければ衰えていくのだと知りました。私はもともと素粒子に興味があり、それについて研究しておられる梶田先生に直接会えたことが、とても感動しました。どの講座もとても内容が興味深く、自分が興味を持っている分野以外の分野にも興味を持つことができました。ほぼ一冊分メモしたノートは楽しかった五日間を思い出させ、私にとって宝物です。
実験も普段はしないような実験ばかりで、とても楽しく、実際に体験して学ぶことがたくさんありました。特に髙田先生のろうそくについての実験が、スリルがあって面白かったです。普段では考えもしない「ろうそくになる」という考え方や、「ろうそくの炎に触る」という考え方は日常では考えもしないことで印象深かったです。
課題研究では初対面の四人で力を合わせ、精一杯課題に向き合うことができました。力を合わせても上手く飛ばず、軌道が安定せずに苦戦しました。お互いにアイデアを出し合って、より良いものを作ろうと頑張ったことも、とても大変だったけれど良い思い出です。結果、デザイン部門で一位を頂けて、飛び上がって喜べたのも一緒に頑張った仲間のおかげだと思います。
先生方、OBOGの皆様、一緒に五日間を過ごしてくれたみんな、本当にありがとうございました。この先も学んだことを活かして何事も頑張りたいと思います。
36. 増田 圭佑
僕はこの夏合宿を経て、「分からないことに出会う面白さ」を知ることができました。初日は緊張もあって、五神先生の「時代の変化」についての講義やOGの日吉さんによる国際生物学オリンピック体験談を聞いてその内容に圧倒されてしまいました。この5日間、僕は本当についていけるのかと心配していました。
しかし2日目以降も先生方の話に圧倒されましたが、日が経つごとに19期生全員で理解しようとする一体感のようなものが生まれて、大変充実していました。僕自身、完璧には分からなかったけれど「自分は今すごいことを学んでいる」と実感してとてもワクワクしていました。実験でも、高田先生をはじめ明るい先生方による貴重な実験をさせていただき、実験の楽しさを今まで以上に感じることができました。
課題研究はシンプルだけど奥深い「リング飛行機」についてでした。もう少し時間が欲しと感じましたが、チームのメンバーと共に毎日ご飯を食べた甲斐あり(?) 実験もプレゼンも楽しくできて、抜群のチームワークで見事優勝することができました。「NIGHT」のみんな、ありがとう。
最後になりましたが、この濃密な5日間の体験を生かして自分の学びをより良いものにしたいと思います。事務局の方々、講師の先生方、OB・OGの皆さん、そして19期生のみんな、本当にありがとうございました。またどこかで会いましょう!
37. 松本 和香子
私は、今回の夏合宿に行き、かけがえのない体験ができたことを嬉しく思うと同時に、育成塾に関係する先生方や共に最高の経験を作り上げた塾生の皆に、心から感謝しています。はじめは、理科は好きだけれども得意ではない自分が、理科に特化した環境の中でついていけるかとても不安でした。しかし、実際に参加してみると、ハイレベルだがとてもわかりやすい講演や、体験的でユニークな実験などが目白押しでした。
驚くべきことに、今回私はプログラムを終え、全ての講演がつながっていることに気付きました。科学は科学だけで存在しているのではなく、他の分野とも深い関わりがあるということです。例えば、鈴木先生の、かつて熱心に取り組んだ理数科目が、人材育成の支援を募る際に研究者と支援者の橋渡しを支えたというお話と、坪倉先生の、医療現場での命の選別の基準は哲学などで話し合って変化していくもので、医者が決めることでも答えがあっていいことでもないというお話。一見、全く違う視点からの独立した内容に見えますが、どちらも、科学は様々な分野との密接に関わっているのです。
この気付きを通じて、この先も、自分の興味があることに関係がなさそうだと思ったりしたことも、食わず嫌いをせず挑戦していきたいと思いました。一生の宝物になった夏でした。
38. 村蒔 大輔
私の夏休みを特別なものにしたのは、「創造性の育成塾」でした。世界で活躍する研究者の講義を受け、仲間と語り合う中で、自分の視野が広がる経験となりました。心に残っているのは、大隅典子教授によるジェンダーと脳科学のお話です。女の子に人形を、男の子に積み木を与えるといった無意識の関わり方が、その後の進路選択に影響する可能性があるという指摘は新鮮な驚きでした。日本で理系分野に進む女性が少ない背景には、こうした文化的な刷り込みがあるのではないかと考え、固定的な役割意識を見直す大切さを感じました。
課題研究でも多くを学びました。グループ作業に不慣れで役割分担が偏り、意見をまとめきれず、準備不足のまま発表に臨んで悔しい思いをしました。けれども研究は個人の努力だけでなく、仲間と調整し限られた時間をどう活かすかが重要だと実感しました。
この経験は単なる成功や失敗にとどまらず、今後の学校生活や研究活動に生かし、多様な人と協力して新しい価値を生み出したいという強い思いにつながっています。
39. 若林 耕一朗
私が育成塾を知ったきっかけは、父の会社の社内報です。梶田先生やJAXAの津田先生が講義をしてくださることを知り、宇宙に興味があったため育成塾に応募しました。
科学の話で最も印象に残ったのは五神先生の講義です。特に面白かったのはニュートリノ観測の仕方でした。宇宙から来るニュートリノが、水分子にある酸素原子にぶつかったときに発生する光子を、光電子倍増管で観測するその仕組みにとても驚きました。
また科学以外の話で印象に残ったのは、上田先生の「考える力の鍛え方」の講義です。一つの問題があったときに物事が分る道筋を表した「地図メソッド」を利用することで、問題の核心を掴むことができると教えていただきました。問題の核心が掴めれば、今自分で最もやるべきことが見えてきます。これから私は何かに直面したら「問題の核心を掴む」ことを意識して取り組もうと思います。
五日間の合宿を通して、たくさんの科学好きの方々と会話することができました。塾生からもあまり知らなかった昆虫の話しをしてもらい「こういう世界もあるのか」と感心しました。また仲間とコミュニケーションを取りながら実験をしたことで、私自身もより深い学びにつながりました。今回の育成塾がよりよいものになったのは19期生の仲間のおかげです。これからもこの出会いを大切にしていきたいです。今までで最高の五日間でした。先生方、企画運営してくださった皆様本当に有り難うございました。
40. 綿引 太一
僕はこの創造性の育成塾での講義の中で、上田正仁先生の「考える力」についての講義が
一番印象に残っている。先生は講義の中で、答えが一通りの問いを早く正確に解く「マニュ
アル力」、1 つの問いを長時間かけて答えにたどり着く「考える力」、自ら問いを見つけ独自
で解決策を見つける「創造力」の3 つの力を話題に挙げられた。その話で、僕が今まで学校
で勉強してきたことはマニュアル力であり、大学や社会で問われる考える力と創造力は小
中学校では教えてくれていなかったと分かった。そこでまず、答えが一つに定まる問でもい
いから難しい問題を時間をかけて答えを出すという練習をしようと思う。それにより長時
間の思考に脳を合わせていくことで考える力をつけていきたい。また、身の回りのものや起
きている出来事などをよく見て疑問を抱く癖をつけるようにして、創造力をつけていきた
い。
僕は上田正仁先生の講義の中で一つ心に残っている言葉がある。
「アインシュタインは諦めない人間力があった。頭脳ではアインシュタインと同等の人は
毎年出ている。しかし、ほとんどの人は諦めない人間力が無い。」
僕も諦めなければ可能性があるということに自分に自信が持てたからこそ、努力を継続し
ていこうと思う。
最後に、このような貴重な機会を設けてくださった方々には感謝したい。