学長に復職するため札幌を去るクラーク博士を、学生は名残惜しく馬で一緒について行った。札幌と千歳の間に島松という所があり、そこに駅逓(えきてい)があった。(現北広島市)ここで休憩したあとクラーク博士は、学生に対し「君たち
もうここで別れよう」といい、ひとりひとり顔を覗き込むようにして固い握手をした。涙を流しながら別れを惜しむ学生に対し、発した言葉がBoys
be ambitious.であったという。その言葉が実像以上にクラーク博士を大きくし、後世に名を残したといえそうだ。
わずか9年前まで邪教として厳しく禁じられていたキリスト教を黒田は容認し、クラーク博士にすべてを任せる。
学校を新設するに当たり、事務方が作った細密な校則を見せられたクラーク博士は「こんなことで人間が造れるか、校則は Be
gentleman(紳士たれ!)これで十分だ」こういって校則を破り捨てたという。クラーク博士の言動に一貫として流れた精神は
Be gentleman であったという。(写真左:北大博物館内)