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季節の変わり目
【北の国からのエッセイ】 2010年04月19日

4月に入って、札幌は一時冬に逆戻りの日もありましたが、着実に春に向かって進んでいます。先日、中国から札幌に来たばかりの女子留学生3人を、「エルムの森」北大にウォーキングガイドしました。
エルムの森といっても落葉樹が大半ですので、緑の葉はほとんど見られず、まだまだ寒々とした殺風景な大学構内です。路上にはもう雪はありませんが、除雪された雪が道路わきにまだ残っています。
(写真右:4月10日)

雪のあるそばを歩きますと、雪塊をなでて吹く風が冷たく感じられます。それでも、名所・ポプラ並木から新渡戸稲造の碑のある花木園に足を運びました。

すると、裏側の空き地の枯れ草から、クロッカスが顔を出していました。白・薄紫の可憐な花です。(写真左)

都心ではすでに咲いていますが、北大構内のクロッカスはさすがに大きい。のびのびと花弁を広げていました。

「わあ きれい」留学生は 「出身地の大連には、この花はない」と言って、電子辞書をバッグから取り出し、クロッカスと日本語で打ち込んでは、中国語の説明を覗き込んでいました。

都心の大通公園では、春の観光シーズンに備えて早くも花壇作りが始まりました。

まだまだ寒さがぶり返します。寒さに強い色とりどりのパンジーが、手際よく植えられていきます。(写真右)

大通公園は2月のさっぽろ雪祭りの会場でした。大雪像をつくったたため、雪像が壊された後も、圧縮された硬い雪の塊がまだあちこちに残っていました。それも10日を過ぎると、ほとんど消え失せました。

なんとなく暖かさを感じる花壇作りです。大通公園を歩く市民が着ているものは、レインコートや薄手のパーカーに変わり、少し寒くても春を感じ取っています。

4月の札幌の気温は、本州と比べてより大きく変化します。4月1ヶ月の気温差は那覇が3.0℃、東京が5.4℃であるのに対し、札幌は6.1℃です。

北国ほど急激に暖かくなってくるのを実感します。もちろん、一直線に気温上昇というわけには行きません。寒暖を繰り返しながら、間違いなく右肩上がりの気温になっています。

都心の樹木ではもっとも早く咲くモクレンの芽が、あっという間に大きく膨らんできました。
(写真左:16日)

まもなく紫や白の花びらが姿を見せることでしょう。

札幌の隣町・当別町の知人が、メールでハクチョウの飛び立ちの写真を送ってきてくれました。
北帰行です。暖かくなって南から北に帰るハクチョウの群れです。(写真右:9日)
♪ 北に帰る旅人ひとり・・・ ♪  (*1)

ハクチョウも春を感じ取っているんですね。ハクチョウは、雪が解けて土が見え始めた田んぼで羽を休めて、餌をついばんでいます。(写真下)

4月は季節の移り変わりが敏感に感じ取れる季節です。時計の針がとても早く回っている気がします。
あと10日もすれば、札幌郊外では早春の花が野山の地表を覆うことになるでしょう。

本州ではとうに終わったであろう桜はもうちょっと。
大型連休明けになりそうです。
<完>


(*1)北帰行 (作詞・作曲: 宇田 博)
1961年に小林旭が歌い、大ヒットした歌謡曲。日活アクション映画「渡り鳥」シリーズ 「渡り鳥北へ帰る」主題歌。

望田 武司(もちだ・たけし)
1943年生まれ 新潟県出身
1968年NHK入局 社会部記者、各ニュース番組デスク・編責担当
2003年退職し札幌市在住、現在札幌市の観光ボランティアをしながら自然観察に親しむ。