夏合宿 塾生によるまとめ 3

【夏合宿レポート】

2009年9月1日


「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「発明・発見」をテーマとした第4回夏合宿で、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、塾生の感想文を掲載します。

創造性の育成塾
参加する前には随分長いように感じた今回の日程でしたが、終了してみると本当にあっという間で、僕はこの創造性の育成塾に参加できたことに改めて感謝しています。初めのうちは講義の内容を理解して、ついていけるかなと不安もありましたが、手元にある沢山の資料や今回の合宿のホームページをもう一度見ると、この合宿に来られた僕は幸せ者だともう一度思いました。

今回沢山の講義を聞いたり実験をした中で、大変影響を受けた講義が二つあります。

まず一つ目は、探査機「はやぶさ」についての講義です。この講義の中で「はやぶさが小惑星イトカワに着陸するときの目印をどうするか」という質問がありました。このとき僕は「ボールを落とすと跳ね返ってしまうから、ペンキみたいなものを勢い良く発射して目印にしたり、レーザーでイトカワの表面を黒く焼いてそれを目印にしたらどうか」と考えました。また、「はやぶさがイトカワに着陸したあとどうやってサンプルを採集すればいいか」との質問に対しては「表面を溶かして吸い取ることはできないか」「あっ、でも溶かしてしまったら元あった物の構造が変わってしまうからだめだ」などと色々考えていました。

今、もう一度思い返してみると、実はこれこそが創造性なのではないかと思いました。つまり、ある物事についてこういうふうでもいけるじゃないか、ああいうふうでもいけるな、と色々なことを考え、それを具体化していくことが創造性だと思うのです。

二つ目は、超伝導磁石を使った実験です。僕は超伝導磁石の上に磁石をうまく置くと浮かび上がるということを聞いたことがありました。でも、実際に目の前で磁石が浮かび上がったときは凄く驚きました。そして、上の磁石はN極とS極をつないだ線を軸にすると回るけれど、それ以外の方向には回らないのを見たときは、なんでなんでなんでなんで????????と思いました。僕はこういう気持ちが好奇心なのだと、このとき改めて感じました。わからないことに対して「なんで?」という気持ちを持ちながら考えていく、こういうことが好奇心だと思います。今回、中学生になってから、つい目の前の勉強だけになり、いつの間にか忘れていた好奇心をもう一度思い起こすことができました。

上に書いたのは、あくまでもちょっとした具体的な例ですが、もちろんこれだけではなく、僕はこの合宿に来て本当に沢山のことを学び、感じました。そして、ほんの少しだけ成長できたかもしれません。また、この育成塾に参加して日本中に沢山の友達ができました。このことも本当に嬉しいです。

最後になりましたが、この創造性の育成塾を運営してくださった委員の方々、僕の体調を管理してくれた看護士さん、講義をしてくださった先生方、見えないところで育成塾を支えてくれた方々、そして共に学んだ第4期生の仲間に感謝をしています。
(13番  金田泰準 )

創造性の育成塾
僕はこの合宿のことを、学校で理科の先生に教えてもらうまで、全く知りませんでした。部活や塾、期末試験の勉強などが重なり、レポートを仕上げるのはとても大変でしたが、「絶対に参加したい!」と強く思って応募しました。合格の知らせを先生から聞いた時は、信じられない気持ちで、すごく驚きました。

有馬朗人先生のお話から始まった講義は、本当に感動の連続でした。特に興味を持ったのは、飯島澄男先生のカーボンナノチューブについて、北澤宏一先生のリニアモーターカーと超伝導体とその実験、的川泰宜先生のアポロとソユーズの宇宙開発の歴史についての講義です。実際にカーボンナノチューブの構造写真を見せて下さったり、超伝導体のマイスナー効果、アポロ・ソユーズの偉大な宇宙開発の話に圧倒され、さらに深く学んでみたいという意欲をわかせてくださいました。

また、全国からこの合宿に集まった同じ学年の仲間達と交流できたことも、とても貴重な体験になったと思います。友達と講義の内容について意見を交わし、既に化学オリンピックの予選を戦った人や、ロボットコンテストに参加している人、ディベートの上手な人、観察力がとても鋭い人など、周りのすごさに圧倒されましたが、僕は相手の長所を学びながら、自分の創造力と観察力を出来る限り働かせて、たくさんの事柄を、精一杯吸収できたと思います。この合宿での経験は、向上心や、科学を学ぶ意志を高めてくれたので、無駄にせず、きっと将来に活かしていきたいと思います。

炭素繊維のさらなる可能性について話をしてくださった東レの榊原定征先生の「自然を愛し、素直に自然の美しさに感動することが大事だ」という言葉を自分の基盤とし、自然からたくさんのことを学び、知的好奇心を高めていきたいと思います。さらに、的川先生の「やりたい、という気持ちが先にある。それをつかむことが大事だ」という言葉を胸に、宇宙飛行士になる、という夢を叶える為にも、これからもずっと向上心を持ち続け、強い意志を持って挑戦し、夢をつかみにいきます。

最後に、あらゆる面で自分を大きく成長させてくれたこの「創造性の育成塾」に参加できたこと、この合宿を支えてくださった先生方、運営委員会の方々、スタッフの方々に、心を込めて「ありがとうございました」と感謝します。そしてこれからも、よろしくお願いします。
(14番  菊池鴻良 )


創造性の育成塾に参加して
この塾ではたくさんのことを学ぶことができました。普段、学校ではできない様々な体験ができて、とても充実した九日間を過ごすことができました。九日間は長いなと思っていましたが、実際は本当にあっという間でした。

岩崎俊一先生のご講義では、どんなことがあってもそれをやると決めたら最後までやり抜くという、物事を持続する頭脳の強さの大切さを教えていただきました。これは研究者としてだけではなく、生きていくうえでもとても重要なことなのではないかと思います。

また、飯島澄男先生が紹介してくださったパスツールの、偶然はよく準備した人に微笑むという言葉は今でも印象に残っています。好奇心、観測手段、観察、知識、機会などが結びついた結果、新たな発見があるという考え方はとても参考になりました。

天体観測では、千葉では見られないくらいに星や月もきれいに見えて感動しました。これからも機会があれば星を見てみようと思います。

富士山五合目自然観察では、珍しい亜高山植物を見ることができました。眼下に広がる景色もとてもきれいで、富士山の自然が感じられました。

リニアモーターカー見学では、科学技術の進歩を改めて実感しました。これからどのように発展していくかがとても楽しみです。

この合宿では、たくさんのすばらしい友達ができました。中には研究者を目指している人もいて、大学などでまたいつか会えたらいいなと思います。

また、この塾の塾生の中からも将来、今回の講師の先生方のような世の中に役立つ発明や発見をする人がいるのではないかと思います。もちろん自分も研究者になって発明や発見をする努力をしたいと思っています。

僕はこの塾で、何があってもあきらめないことやチームワークの大切さなど、とてもたくさんのことを自分なりに学ぶことができました。

これらのことは、研究者にとってだけではなく、日常生活においてもとても重要なことだと思います。これからの生活やいつか研究者になったときも、ここで学んだことを忘れずに生かしていこうと思います。
(16番  栗本悠司 )


創造性の育成塾
私はこの合宿に、人や環境を助けることや、将来を考えるために多くのことを学びたいという目標を持って臨みました。

私がこの創造性の育成塾で学んだことは、まず、「自分の夢を持つことが大切だ」ということです。たくさんの先生方の口から、「夢」という言葉が出てきました。今までは、あまりはっきりと「これは」というものがなく、ただ、ぼんやりと考えていました。しかし、夢を持つことで、その夢をかなえるために今自分が何を頑張らなければいけないかが、見えてくることがわかりました。

2つ目は、たくさんの授業を受け、科学とはこんなにも面白いものなのだということです。今までも面白いということは感じてきました。しかし、この育成塾に来てこれまでよりも、ずっと面白いと感じることができました。だから、今私は、将来、科学関係の仕事に就きたいと考えています。この育成塾がなければ、私はこんな気持ちにはならなかっただろうと思います。

3つ目は、先生方が世界の人のために研究や開発をしておられるということでした。先生方の研究は、世界中の人のために使われていると聞きました。それに、「人のために研究をしなさい。」ということも何度か言われました。だから私は、将来人の役に立つことを研究したいです。

この育成塾で楽しかったことは、「超伝導」や「パスタで橋作り」などの実験をしたことです。普通はできないような実験をすることができたし、先生のお話だけでなく自分の手で行い、自分の目で実際の現象を見ることで、頭の中で想像するより、「次はもっとこうしてみたい。」など、好奇心がわいてきて、より実験が好きになりました。

また、全国から集まった40人の仲間たちと、理科についての話をして、理科ではどの分野が好きだとか、理科についてどんなことを思っているのかを聞くと、「本当にみんな理科が好きなんだ。」と改めて感じました。それから、1期生の先輩の話を聞くと、この育成塾での経験が今でも生かされていることがわかったし、現在、科学オリンピックに一生懸命取り組んでおられることもわかりました。私も今自分ができることを一生懸命して、少しでも自分の夢に近づこうと思います。

私自身としては、最初に立てた目標をほとんど達成することができたと思うし、それ以外にもたくさんのことを吸収できました。

9日間たくさんのことを教えていただき先生方、支えてくださったスタッフの皆様や共に学んだみんなに本当に感謝しています。
(17番  幸野寛子 )


創造性の育成塾夏合宿を終えて
僕がこの九日間で学んだことはたくさんあります。この九日間は、僕にとってあっという間に終わってしまいましたが、とても中身の濃いものでした。

まず僕は、軽部征夫先生の「生物の優れた機能を応用する」という講義が心に残っています。軽部先生は、遺伝子の発見、構造から最先端の技術までわかりやすく説明をしてくださいました。僕は遺伝子の構造や伝わり方などを知り、改めて人間の体はとても良くできているなと思いました。そのDNAの端にある染色体は、分解できる数が決まっていて、その数が人間の寿命だということを知りました。ガンという病気は反対にその染色体が増え、他の細胞を壊してしまうと聞きました。それならば、そのガンをもっと研究していけば、染色体が分解されてもまた増やせるのではないか、いわゆる不死の薬ができるかもしれないと思いました。

次に、バイオテクノロジーで動物、植物などの新しい生物が人工的に誕生させられるという話しを聞き、とても驚きました。サボテンとマングローブを組み合わせてサボテンマングローブを誕生させると砂漠を緑でいっぱいにできるということを知り、今、問題の地球温暖化にとても役に立つと思いました。

僕は科学の中でも宇宙が好きです。JAXAの津田雄一先生の講義を聞き、はやぶさの仕組みの素晴らしさを知りました。イオンエンジンを使い効率よく進んでいったり、地球からの操作は遠すぎてできないのでプログラムを直接入れるなど、はやぶさには最新の技術が駆使されています。僕はこのはやぶさによって、小惑星(いとかわ)の石がとれたかどうかはまだわかりませんが、この結果を楽しみに待っています。

講義してくださった先生方は、それぞれ大きな夢を持っていました。夢を持つことはすごく大切で、夢を持つとその自分の夢に向かって一直線に進むことができます。この創造性の育成塾は自分の夢の第一歩だと僕は思っています。

これからも夢を持ち続け、自分の夢に向かって頑張っていきたいと思います。
(18番  小山俊吾 )
   
   

 


+ 夏合宿のトップページ

+ 合宿時間割
(各授業の詳細はこちらからご覧下さい)

+ 創造性の育成塾のトップページに戻る

 


ページおよび動画の閲覧にはWindows Media Player9以上Adobe Readerが必要です。各サイトからプラグインをダウンロードして、ご利用ください。