夏合宿 塾生によるまとめ 7

【夏合宿レポート】

2009年9月7日


「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「発明・発見」をテーマとした第4回夏合宿で、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、塾生の感想文を掲載します。

創造性の育成塾から学んだこと
 僕がこの創造性の育成塾に応募しようと思ったきっかけは、母が昨年、創造性の育成塾の紹介ニュースを見て、僕に応募してみたらと勧めてくれたからです。僕なんかが受かるわけないと思いつつ応募したのですが、本当に合格し、とても嬉しかったです。

この合宿で特に心に残っているのは「宇宙」に関する授業です。

立川敬二先生のお話では、日本の宇宙活動について学びました。ロケットは2種類あることを知り、あまり知らなかった「宇宙」にすごく興味がわきました。

津田雄一先生の「小惑星探査機・はやぶさ」のお話では、はるかかなたの惑星に行き、そして地球に戻ってくるという壮大なミッションを与えられた「はやぶさ」や、それを影で支えた沢山の人々について知り、日本の科学者のすごさに圧倒されました。

的川泰宣先生のお話では、「アポロ」と「ソユーズ」という二つのロケットの歴史から、アメリカとロシアの熾烈な宇宙開発競争について学ぶことが出来ました。僕が生まれる前に行われていたこの競争の事を考えると、人間の宇宙に対する「夢」や「希望」が感じられて、宇宙の持つ人をひきつける力を肌で感じることが出来ました。

瀬戸治夫先生の「天体観測」の授業では普段あまり見ることの無い夜空を改めて見上げてみて、楽しみながら星についての様々な知識を得ることができました。また、家では絶対に使えない大きな天体望遠鏡を使って、いろいろな星を見ることで星の持つ本来の美しさや優雅さを見ることができました。一番輝いていて神秘的なのは「月」だと僕は思います。一年を通して暗い夜を明るく照らし続けてくれている月には感謝したいと思います。頂いた「日食観察眼鏡」は次の日食でしっかり活用したいと思っています。

日本全国から集まった同年代の塾生との交流はとてもいい刺激になり、自分の進むべき方向を考える一つのきっかけになりました。

僕にとって、初めての親元を離れた生活となったこの合宿で、普段自分ではやらない洗濯をやった時は、母の苦労を感じ、家族への感謝や自分の生活の見直しに繋がりました。そんな意味でもこの合宿が僕に与えた変化は大きかったと思います。

今、もし合宿に参加していなかったら、この夏休みはとてもつまらないものになっていただろうと思います。この合宿で過ごした九日間は、僕に沢山の事を教えてくれました。そして同時に今年の夏休みを有意義な、充実したものにしてくれました。

最後になりましたが、この塾を支えてくださった関係者の皆様、四期生の皆、本当に有難うございました。またどこかで会える日を楽しみにしています。
(8番  江藤奨悟 )


創造性の育成塾を終えて
私は科学がとても好きです。創造性の育成塾のことを小学六年生のとき知り、とても興味を持ちました。自分もぜひ参加したい、と思っていました。そして中学二年生になり、幸運にも創造性の育成塾の四期生として合宿に参加できることを知ったときはとてもうれしかったです。

しかし、合宿が近づくにつれ、全国から集まる塾生はどんな人たちなのだろうか、九日間もちゃんとやっていけるのだろうか、と不安や緊張がつのっていきました。

そんな中、始まった創造性の育成塾。不安はあっという間に吹き飛び、とてもエキサイティングで充実した日々を過ごすことができました。著名な先生方の講義はとても勉強になりました。

その中でもとくに興味深かったのは、飯島澄男先生による「カーボン・ナノ・チューブ」の話です。目に見えないナノサイズのカーボン・ナノ・チューブを発見したことは、とてもすごいことだと思いました。しかも、目にも見えないような物体なのに人間の将来に役立つものになるかもしれないというのには、さらに驚きました。最後に先生が「偶然の発見には、豊富な知識と多大な努力が必要である」とおっしゃっていました。それを聞き、私も同感し、「偶然というものは、待っていてくるものではなく、自分で取りにいくものであり、それには知識が必要で、知識を得るためにはやはり、勉強をしなくてはならない」と思いました。

また、北澤宏一先生による「超伝導体」の実験はとても楽しかったです。よく科学館などで、見たことはあるものの、実際に自分の手で、実験したことはありませんでした。今回、浮いている磁石を押したり引いたりしたときの不思議な感覚を実感できて、感動しました。この感動を一生忘れず、将来に生かしていきたいと思います。

授業以外にも、同じ塾生との交流や公共施設でのマナーなど、今回、この創造性の育成塾で学んだことは、数え切れないほどありました。これらのことを今後の将来へとつなげていきたいと思います。最後に、今回の創造性の育成塾に関わるスタッフの皆様、運営委員の先生方、授業をしてくださった先生方、そして塾生のみなさん、本当にありがとうございました。
(11番  岡本大地 )

創造性の育成塾
育成塾は貴重な、そして幻のような夢の9日間だった。僕は普段の暮らしでは手に入らない「自分の足りないもの探し」をしたいと志望動機に書いた。帰宅後、結局それは何だったのかを振り返ってみた。

まず一つは「実際に間近で体感することの大切さ」だと思った。特に、ユビキタスの講義の時にはそう感じた。ユビキタスのことは本を読めばわかるが、ユビキタスが開発されるまでの話や、それに伴う情報の話などはなかなか知る機会がない。まして、実際に最先端のユビキタス機器を見せていただくことは、日常ではまず不可能である。それを間近に見て、聴いてこそ、より興味を持ち、より納得できたと思う。また、わからないことをすぐに質問できる機会を設けていただいたことで、その場で疑問を解消することも出来た。直に話を聞くと、その内容の面白さだけでなく、ひたむきな研究や、試練を乗り越えた歓喜まで伝わってきた。

実際に間近で体感すると、僕の興味の幅が広がった。僕は今まで、理科の中でも興味がある分野とない分野の差が大きかった。しかし、今回の合宿に参加し、どの分野もおもしろく、どれも果てしなく奥深いことを知った。中でも、今回の合宿で天体観察をしたことで、今まであまり興味のなかった宇宙の分野に大きな興味を持ち、先日は何年かぶりに星空を眺め、天体写真を撮ってみた。そして、JAXAの方の話にあった、宇宙開発についてのことなどを、帰った後もより深く追求してみたいと思った。

また、理科に大きな関心を持っているたくさんの仲間と出会えたことも大きな刺激だった。最終日の発表では、同じ授業を受けたにもかかわらず、みんな一人ひとり着目している点が違うことに気がつき、自分の考えなかったことも多く取り入れることができた。一人で学ぶのではなく、多くの仲間とともに学んだからこそ得たもの、高まったものもあったと思う。あらためて仲間の重要性に気づいた。

僕の中ではまだ育成塾の合宿は終わっていない。「足りないもの探し」もまだまだ続く。これからもここで得たことを大切にし、ひとつの分野にとらわれることなく、たくさんのことに興味を持って、いろいろなことに取り組んでいきたいと思う。
(20番  高倉隼人 )


育成塾に参加して
  中学生になってから「理科ってなんだか難しい」と思うようになっていた私。「もし、参加できたら苦手意識を変えられるんじゃないか」そんな軽い気持ちで育成塾に応募した私は、選考審査の合格通知をもらったときも「あ、行けるんだ」といった程度の感覚でした。

ところが、それからホームページを見たり、事務局から送られた資料を読むすすむうちに「教えて下さるのはすごい先生ばっかり。しかも、日本ばかりでなく海外からの集まる塾生は、理科大好き人間ばかり。講義についていけるだろうか?友達はできるんだろうか?好奇心100%だけで応募したのが間違いだったかな。どうしよう、どうしよう!?」

不安だらけの私を、事務局の方は「好奇心が一番大事。塾が終わるころにはみんな仲良くなっていますよ」というメールで励ましてくださいました。

高松から乗ったマリンライナー。九州から参加する塾生と合流した新幹線の中では、心配と緊張で、夢の中にいるんじゃないかと感じるほどでした。

毎日7~8限の授業は、各専門分野の難しい内容を講師の先生方が分かりやすく説明して下さったおかげで、心配していたよりもついていくことが出来たように思います。どの授業もどの実験も、本当に興味深く、驚きの連続でした。
特に印象深かったのは、軽部征夫先生の「バイオテクス」に関する講義と、北澤宏一先生の「高温超伝導」に関する講義と実験でした。

軽部先生の授業では、遺伝子技術(バイオテクロジー)による、希少動物や絶滅種の再生、医薬品の製造や病気の治療や予防、地球環境の保全、農業分野への貢献など。人類と地球にとって、遺伝子技術がもつ大きな可能性にワクワクしました。

超伝導を利用したリニアモーターカーを見学した翌日の、北澤先生の「高温超伝導」の講義では、基礎研究の大切さに感心すると同時に、今まで知識でしかなかった超伝導のさまざまな現象を、自分の目と手で実際に体験し考察するという貴重な時間を持つことができました。「物理は先ず実験、実験の結果をありのままに見ることが大切」「結果が出ないのも、結果のひとつ」という言葉が心に残りました。

九日間の育成塾を終えて思うのは「理科って、こんなにおもしろかったんだ。科学って、こんなに楽しいものだったんだ」ということ。そして「人間は新しいことを発見し、新しいものを発明するのが得意な動物だ。それを、自分だけのためではなく、未来の人類や地球のためになるように使うことが大切なのだ」ということです。

どんな問題も、解き方さえ分かれば誰でも解くことができるでしょう。けれども、解き方の分からない問題が出てきたら、それでは話になりません。「物事を多角的にとらえること。さまざまな事実をヒントとしてフルに活用すること」の大切さをあらためて私に教えてくれました育成塾でした。

充実した九日間を与えてくださった先生方、支えてくださったスタッフの皆さん、一緒に考え、笑い、刺激してくれた塾生のみんな、本当にありがとうございました。
(34番  本山絹 )


創造性の育成塾
私が、「創造性の育成塾」に参加して感じたことはたくさんあります。

とにかく9日間がとても楽しかったです。育成塾に行く前までは “長いなー” と感じていた9日間も、いざ始まってみるとあっという間で、最終日にはもっともっと長く居いてもっともっとたくさんの授業を受けたいと思うほどでした。

最初はまさか自分が選ばれるとは思っていなくて、合格通知や自己紹介文が送られてきたときにはとても驚き “こんな全国から集まった賢い人たちの中で自分はやっていけるのか・・・” とても不安でした。しかし一方では、もともと理科が好きだったので、講師の先生方のお名前を見たときに “こんなすばらしい先生方からお話を聞けるのは一生に一度しかない機会だ。一生懸命やろう” とうれしく思いました。

育成塾が始まると、予想通り講義は難しく、内容もやっと半分理解できるかどうかでしたが、もともと宇宙について興味があった私は、JAXAの方々のご講義と天体観測がとても楽しかったです。特にJAXAの津田雄一先生がお話してくださった、はやぶさのミッションについてのお話は面白く、よりいっそう宇宙への興味が深まりました。

また、瀬戸治夫先生が行ってくださった天体観測では、大阪で絶対に見ることのできない星空を大きな望遠鏡で、さらに運良く木星と4つの衛星まで見ることができ、思い出に残る天体観測となりました。

また、今まで物理や化学にしか興味を持たなかった私ですが、今回の育成塾を通して様々な分野に興味を持てるようになりました。生物においては、あまり好きではなく、むしろ嫌いなほうでしたが、軽部征夫先生や小澤先生の授業を聞いているうちに、だんだんと “生物にもこんなに面白いところがあるんだ・・・!!” と、生物が好きになりました。
そのほか、様々な先端技術(炭素材の活用やリニアモーターカーの開発)を間近で見て、感じることで、今まで考えたこともなかった「発明・発見」を将来仕事にする、ということも考えるようになりました。

同年代なのに、私の何倍も何十倍も多くの知識を持つ全国の友達ができたことで、“自分もがんばらないといけない” と感じました。

今回、私はこの育成塾に参加したことで、たくさんの知識を得、また将来の夢が大きく膨らみました。今回の経験を生かしてこれからの生活に生かしていきたいと思います。
(35番  矢吹志保 )
   
   

 


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