夏合宿 塾生によるまとめ 8

【夏合宿レポート】

2009年9月8日


「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「発明・発見」をテーマとした第4回夏合宿で、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、塾生の感想文を掲載します。

育成塾で得たもの
私がこの育成塾で得たもの。何日もたった今でもはっきりと心に刻みつけられてます。

まずは、先生方の授業。普通に過ごしていたら絶対に会えないような素晴らしい先生方から教えていただいた講義の数々…。そのお話はとてもおもしろく、また興味深いことばかりでした。

その中でも炭素繊維の話をして下さった榊原定征先生の講義が忘れられません。鉄よりも軽いのに鉄よりも強い炭素繊維は沢山の可能性があると知って胸が躍りました。そしてその講義内でのVTRも記憶に刻まれています。そのVTRには未来の世界が描かれていました。緑が多く育っていて、その中で人々は最新技術を駆使して生活しています。水不足の心配も、地球温暖化の問題もない素敵な世界です。私はそんな世界が欲しいです。私が生きている間にならなくても良いんです。もし死んでしまってもそんな素晴らしい世界が広がっているのなら天国から満足げに見守れます。なので、私は将来の夢をこうすることにしました。『世界の不安を一つでも…いや一つの百分の一でも減らす。』これを夢にして頑張ろうと思います。

あと、ここでは沢山の友達が出来ました。今まで一回も逢ったことがないのにたったの八日間でこんなに仲良くなれるとは正直思ってもいませんでした。すごく遠い所に住んでいて簡単には逢えない子もいます。でも、この友情は廃れないと思います。これから逢えなくても今までの九日間がなくなる訳じゃないですもんね。

そして、ここに来て沢山感動をしました。富士山の美しい自然に感動し、自分で作ったものが成果をあげたときに感動し、不思議な現象が解明されたときに感動しました。特に天体観測。望遠鏡で覗いた月はとても綺麗でとても大きかったです。でも普通に地面から見た月は五円玉の穴ほどの大きさでとても小さなものでした。こんな体験ここに来ていなかったら一生しなかったでしょう。

最後に、わたしはこの育成塾で夢を見つけ、友情を感じ、感動をしました。こんな貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございます。この思い出を胸に明日から自分の足で未来を歩んでいこうと思います。
(36番  山崎舞以 )


創造性の育成塾に参加して
創造性の育成塾で受けたたくさんの講義や実験はどれも興味深いものでしたが、その中でも私が一番心に残ったのは、富士山の自然観察と天体観測です。

まず、富士山での五合目・六合目の往復自然観察ではガイドの方からたくさんの植物の名前や、その場所の特徴などを聞いて面白いなと思いました。例えば、雪解けの水が流れるところは草が生えず筋となって地表が現われていたり、軽石が、玄武岩で鉄分が豊富に含まれていてその鉄分が酸化して、赤く見えたりしているというのです。また、日本一高い山なのに高山植物がないというのにも驚きました。

天体観測では、今まであまり星や宇宙には興味がなかったのですが、月のクレーターや夏の大三角形、木星の縞模様や4つの衛星であるイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストを見ることができ、宇宙の世界にも興味を持つことができました。

もう一つ大きく刺激を受けたことは、全国の素敵な仲間と出会えたことです。自己紹介の紙を見た時は、正直みんなまじめそうで、自分はついていけるのか?仲良くなれるのか?と不安になりましたが、実際会って話してみるとみんな明るく、優しい人たちだったので東京駅ですぐにお友達になることができました。8泊9日、長いようで短い間みんなと一緒に寝泊まりすることができて本当にうれしく思います。全国に友達ができたのも、育成塾に参加してよかったことです。またいつか、みんなに会いたいです!!

自分自身にも大きく変化がありました。家に帰ってから、新聞を読んでみたり科学についての本を借りてみたり、自分が不思議だなと思ったことをしっかり調べてみようと思うようになりました。なぜなら私は育成塾で過ごす間に、これからどんなことを目標に生きていくかについて深く考えることができたからです。

そして、最後の閉塾式で有馬先生が「英知は無限」とおっしゃっていたように自分の英知の可能性をどんどん広げていくことができるように、たくさんのことに挑戦していこうと思います。
(37番  横山日向子 )

創造性の育成塾
1週間以上もあったというのが信じられないほどすぐに終わってしまったこの合宿ですが、それはそのたくさんの授業が非常に面白く、また僕の興味を引く物がたくさんあったからであると共に、全国から集まった友達と充実した毎日を送る事ができたからだと思います。その友達とは、夜の就寝までの団欒のなかで、友達の普段の生活の様子や、自分とは違う学校の様子などを聞く事ができたのがとても新鮮で面白く、また多数の友達を全国につくることができました。将来までつきあっていけたらと思います。

講義の中で一番面白かったのは、坂村健先生の『ユビキタス・コンピューティング ―どこでもコンピューターの世界―』でした。もともと情報分野に興味があったという事もあるし、コンピューターの歴史を通じて情報の基本的なことを理解できたように思います。また、将来のハイテクな生活の技術の一端を実際に見られ、感動しました。その他にも、JAXAの方による宇宙に関するお話や、炭素繊維のお話などに興味を持ちました。

面白い実験は、実験自体も非常に不思議でしたが、その理屈や理由も難しい部分を分かりやすく教えてくださり、その中でも特に化学分野では超伝導体の実験が、物理分野ではパスタで橋を作るのがおもしろかったです。

そのような授業の中で、先生一人ひとりによってその表現は違ったけれど、先生方が僕らに伝えたかったメッセージ、それは「研究者としての心構え」なのではないか、と思います。また、講義の中には研究をする楽しさ、あるいは情熱があふれ出ていたように思います。

そうしたメッセージを受け取った上で、僕は“将来の夢”あるいは“希望”が何となく浮かんできたように思います。また、応募の際に書いた「先生方や友達のさまざまなアイデアを生み出す考え方を学びたい」という目標も達成できたと思います。

最後になりますが、さまざまな準備や面白い授業を展開してくださった運営委員の皆さん、ありがとうございました。
(38番  吉井一希 )


育成塾で得たもの
「自信を持っていい!独創性を皆持っているのだから。」

有馬先生の開塾式から全てが始まりました。この時、胸が爆発するような期待と大丈夫なのだろうか?という不安に襲われましたが、新しく出来た友達と一緒だったので安心することができました。

僕が「創造性の育成塾」に参加する事ができたのは、たくさんの人達が応援してくださったからだと感謝しています。学校の校長先生をはじめ、たくさんの先生方、友人、両親が最大の激励をしてくださいました。

「感謝を忘れないことが、とっても大切です。」(塩川正十郎先生)

本当にそれは大事なことだと思います。

たくさんの貴重なご講義の中でも、僕がとても楽しみにしていたのは、飯島澄男先生のお話「カーボンナノチューブの発見」です。僕自身、今注目されている電気自動車などのエコカーにとても興味を持っていて、先生が進めておられる、「カーボンナノチューブキャパシタ」の開発について是非知りたいと思っていました。そして思いもよらず質問する機会もたくさん頂くことがでました。
「現状ではエンジンとして一気にエネルギーをだすことは難しいのですが、将来は準エンジンとしては、使うことができるでしょう。」
と直接教えて頂き、本当に嬉しかったです。僕はこのような環境に優しい物を開発したり、地球の自然を研究する科学者になりたいと、心から思うことができました。

「大きな志、高い目標を持って進めば、夢は必ず実現できる」(榊原定征先生)

合宿では、したことのない体験や実験をすることができました。今まで気づかなかった発見があり感動した富士山の自然観察や、瞬きをする間にいってしまったリニアモーターカーの見学、神秘的で息をのんだ天体観察、本当にどれも驚きの連続でした。

実験の時間では、本格的な実験ばかりで感激するばかりでした。中でも、パナソニックリス-ピアの方々がしてくださった磁石の実験では、あんなに砕いた磁石の力が本当に強いということを身を持って感じ、北澤宏一先生がしてくださった超伝導体と磁石の実験では、超伝導体の持つ吸引力と反発力の力には思わず声をあげてしまったほどです。

こういった体験をする中で、どんどん大きな友情を築くことができたと思います。僕の大好きな言葉に、
「人生にとってもっとも美しく、強く、尊いもの。それが友情です。」
という言葉があります。

この育成塾で学んだ、知識や考え、そして友情の大切さを英知で磨きぬき、これから夢に向かって頑張っていきます。本当にありがとうございました。
(39番  渡辺伸好 )


創造性の育成塾
今回の合宿は8泊9日という期間ではあったが、僕にはとっても短く感じられた。本当に中身のつまった合宿だった。有馬先生から頂いた修了証書には、この塾が「日本と世界の未来を担う若き人材を育てる為に…」とあり、先生方の期待の大きさを実感した。

この合宿でどの先生方も共通しておっしゃっていたことばは“夢”を持つということだったと思う。例えば、垂直磁気の話をされた岩崎俊一先生は、「①自分でよく考え、②勇気を持って踏み出し③持ちこたえる。長く持続する、投げ出さないという強さが必要」とおっしゃられていた。僕は、特に②と③が苦手だ。どうしても勇気を出せずあとで後悔したり、すぐ諦めてやめてしまうことがある。夢を実現させるには、まずそういう強さを持たなくてはならないと痛感した。

特に僕が面白いなと思ったお話は、榊原定征先生の炭素繊維である。炭素繊維は鉄よりも強く、そして軽いというすばらしい物である。これを飛行機や自動車に使うという画期的な話を聞いてすごい考えが浮かぶなあと驚嘆した。僕は炭素繊維のことを、先生のお話を聞くまでは聞いたこともなく、また想像さえもしていなかった。しかし、この炭素繊維は未来の世界を変える力を秘めており、とても魅力があるように僕の目には映った。その榊原先生は高校2年生の時に炭素繊維に関しての記事を読み、その後先輩から炭素繊維に関わる仕事を勧められたとおっしゃっていた。先生は学生の時から大きな志、高い目標を持ち、それを実現しようとして今のようなすばらしい実績をのこされたのだと思う。

先日、朝日新聞の夕刊に、新たに日本でも導入するボーイング787という新しい飛行機には炭素繊維が使われていて、軽くなった分だけ燃料を使わない、という記事が出ていた。それを見て、榊原先生が飛行機に使われるようになったと言っていらしたことを思い出し、話がつながりうれしくなった。

また科学というのは、まだまだ未知のことが多く奥が深いなあと改めて感じた。先生方の話を聞いて、分からない事は、分かろうと努力して求める結果、分かるようになることもあるが、結果よりも未知のことを求めている時が一番楽しいのかもしれないと感じた。

塾生の中には科学オリンピックに挑戦する人もたくさんいると思う。今まではオリンピックのことをあまり考えていなかったが、全国にこんな頼もしく、愉快な友達がいるということを常に胸に感じ、塾生であるということを忘れず、オリンピックにも挑戦していきたい。

今は、先生方のお話、友達との共同生活、すべて良い体験で、皆と別れたということがとても悲しい。本当にこんな貴重な体験が出来たことを嬉しく思っている。しかし僕はこの機会を、またこれからのことをまだ漠然としか分かっていない。夢を達成するための段取りを自分でよく考え、勇気をもって一歩前に踏み出していきたい。また、今まで以上、文武両道で頑張りたい。
(40番  渡辺祐治 )
   
   

 


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