授業内容
中学校で理科を教える傍ら、学習指導要領作成の協力や若い教師への実験指導なども行う宮内卓也先生。
今回は、とても身近な現象である「燃焼」をテーマに実験を行いました。
試験管で炭をつくり、出来た炭を熱します。それを、酸素を充満させたフラスコへ移し入れ振ってみると、炭はみるみるうちに小さくなり、残ったのはごくわずかの灰。主に炭素でできている炭は、酸素中で加熱することで気化し二酸化炭素となり、固形物のほとんどは姿を消してしまうのです。
次に、宮内先生は、18世紀に考えられ現代では否定されている「プロギストン説」について説明。物質を燃焼させると、その中からプロギストンという成分が飛び出し、残った部分が灰になると考えた説です。この説のどこが間違いなのか… うまく説明できない塾生にむけて、次の実験です。
スチールウールを燃焼させ、前後で質量を量る実験。燃焼前よりも燃焼後のほうが重くなります。スチールウールと酸素が結合し、その分の質量が増えるためです。燃焼時に物質から出ていくだけでなく結合する場合もあるため、プロギストン説は否定されます。
燃焼について学んだあとは、花火づくり。
硝酸カリウムや硫黄などを混ぜ黒色火薬をつくり、線香花火を作ります。薬品を混ぜたり、和紙で包む作業に悪戦苦闘しながらも、きれいな線香花火ができました。
宮内先生は、「実験のレシピを鵜呑みにして実験をこなすだけでなく、なんでこうするのか?と考えながらやってほしい」とアドバイス。また、武器などに使われていた火薬が、花火など人を楽しませる文化に変わっていったことを挙げ、「科学は、人を幸せにするために使われてほしい」と、塾生たちに語りました。
授業はストリーミング動画で公開中。ぜひご覧下さい。