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8月5日の時間割 4時限目

 

14:40~16:50

真壁 芳樹(まかべ よしき)先生

(東レ株式会社 先端材料研究所 副所長)

実験「化学が創る未来社会」

  

授業内容

4限目は、東レ株式会社 先端材料研究所 真壁 副所長による実験授業。「環境にやさしい社会をつくるには」をテーマに、様々な化学の先端技術を紹介しました。

まずは、ダイヤモンドに近い化学組成を持つ黒い糸「炭素繊維」が登場。太さ1平方ミリメートルで軽自動車1台分(約 700kg)を持ち上げる強度を持ち、重さは鉄の10分の1という炭素繊維は、炭素繊維複合材(CFRP)として加工され、自動車や飛行機にも使われています。総重量が軽くなることで、化石燃料の消費量を抑えることが出来ます。塾生たちは、実際に手に取り、その強度と軽さを実感しました。

続いて登場したのは「中空糸膜(ちゅうくうしまく)」と呼ばれる白い繊維。表面に直径0.01マイクロメートルの細かい穴を持つこの素材は、浄水器や人工透析にフィルターとして使われています。塾生たちは、注射器を使ってろ過実験を試みました。また、更に細かい穴を持ち、海水から塩分をろ過して淡水にすることができる「RO膜」の紹介も行われました。

化学で新しいエネルギーを創る「創エネ」の事例としては、温度差によって電気を発生させる「熱電素子」と、水の電気分解を利用した「燃料電池」の仕組みを実験で紹介。
また、半導体表面への太さ32ナノメートルの配線を可能にする「フォトリソグラフィー」の実験では、フォトレジストという薬品によってガラス基盤に写真が転写されると、塾生たちからはどよめきが起こりました。


最後に、自然に帰る植物プラスチック「ポリ乳酸」の製品を紹介して授業は終了。
質問の時間には、中空糸膜の穴はどうやって作られるのか、水素のほかに燃料電池に代用できるものは? など、塾生から素朴で鋭い質問が飛び出しました。
これからも社会に役立つものを作っていきたいと思います、という講師の言葉に、惜しみない拍手が送られました。

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講師プロフィール

1961年京都府生まれ。工学博士。 89年 大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了、東レ株式会社 入社。樹脂研究所にてエンジニアリングプラスチックの研究開発に従事。08年機能材料研究所機能高分子研究室長。10年から先端材料研究所副所長兼新エネルギー材料研究ユニットリーダーとして、リチウムイオン電池、有機太陽電池、燃料電池などの研究開発を進めている。