授業内容
本日最後の授業は、講師に鉄道技術総合研究所の岩松先生をお迎えし、リニアモーターカーと「超電導」についての講話。走行実験の記憶も新しいうちに、専門家の解説が聴ける貴重な機会です。
1962年、2年後に開通を控えた東海道新幹線の次世代鉄道として、リニアモーターカーの開発は始まりました。当時の目標は、新幹線では3時間かかる東京―大阪間を1時間で走ること。
岩松先生は、塾生たちが見学した「JRマグレブ」のほか、愛知万博で「リニモ」として活躍したHSSTや、上海で走っているドイツの「トランスラピッド」、都営大江戸線を走る浮上しないリニア「リニアメトロ」など様々な種類を紹介。
最高速度581km/hを誇るリニアモーターカーの基本構成、車両側と地上側の電磁石によってどのように進み、浮上しているのかを分かりやすく解説しました。
また、リニアモーターカーを可能にした技術として、低温下で電気抵抗が無くなる「超電導」について説明。次世代の超電導体技術やリニアモーターを使った未来の技術構想についても紹介しました。
塾生からは、超電導磁石による磁場の影響や、新聞で読んだ不思議な超電導体についての質問などが次々に上がり、関心の高さが伺われました。
「最後になりましたが・・・」
岩松先生は銅版と永久磁石を使った実験器材で、リニアモーターカーの浮上の仕組みを実際に再現。車両に見立てたミニカーがフワリと浮くと、塾生からはどよめきと感嘆の声が上がり、講話は盛大な拍手で締めくくられました。
授業はストリーミング動画で公開中。ぜひご覧下さい。
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講師プロフィール
1965年 北海道生まれ。89年に北海道大学大学院工学研究科原子工学専攻修士課程修了後、鉄道総合技術研究所へ入社。2006年7月からは、浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室長として、リニアモーターカーのコア技術である、超電導磁石や冷凍システムに関する研究開発に携わる。現在、浮上式鉄道技術研究部 部長。