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8月9日の時間割 4時限目

 

14:30~16:00

中村 桂子(なかむら けいこ)先生

(JT生命誌研究館 館長)

講義「人間は多様な生きものの一つ」  

授業内容

JT生命誌研究館 中村 桂子先生の専門は、多様な生物の関係性から、なぜその生き物が今の姿まで進化してきたのかを紐解く、「生命誌」という新しい分野。

中村先生は、生物を精細に描くことで有名な、伊藤若冲の絵図を見せながら、「生物多様性」という言葉を知っていますか?と問いかけ、講義を始めました。

中村先生はまず、地球にいるすべての生物は、細胞からなり、DNAで生命をつないでいるという点で、同じメカニズムを持っていると説明。分かっているだけで160万種、実際には「億単位」ではないかと言われる地球上の生物種。しかしそのどれもが同じ構造を持っているとすれば、すべての生物の始まりはひとつであり、38億年前に海中で誕生した祖先細胞から、みな等距離のところに進化してきているはず、と中村先生は言います。


また、例として、ナミアゲハの前足にある「感覚毛」と動物の舌にある「味雷」の共通点、アゲハチョウの種類と産卵する樹種の違いについて触れ、「同じ」 で 「違う」 ことを調べると、進化の歴史が見えてくる、と提示。
更に、進化の謎を紐解くとされる、「キー・ツリー」と呼ばれる野生のイチジクと、イチジクコバエの 「共進化」 についても解説し、1種類だけの生物を見るのではなく、共に進化してきた生物との関係性を考えることが重要だと強調。そうした視点に欠けたために、科学は様々な問題を生んできた、と指摘しました。

中村先生は最後に、古典文学 『堤中納言物語』 に登場する 「虫愛づる姫君」を紹介し、「生物を 「よく見る」 「よく考える」 ことが大切。生命を 「愛づる」 気持ちを持てば、きっと良い社会を作っていける」 と塾生たちにメッセージを贈りました。

授業はストリーミング動画で公開中。ぜひご覧下さい。

 

→当日使用された資料をダウンロードする

動画で見る

 

 

 

講師プロフィール

1936年東京生まれ。東京大学大学院生物化学博士課程修了。理学博士。国立予防衛生研究所研究員、三菱化成生命科学研究所人間自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、東京大学先端科学技術研究センター客員教授、大阪大学連携大学院教授を経て、現在、JT生命誌研究館館長。 DNA研究を基本に38億年の生きものの歴史とお互いの関係を解いて、生きているとはどういうことかを知る「生命誌」という新分野を提案し、その研究を進めている。著書に「ゲノムが語る生命」、「生きもの上陸大作戦:絶滅と進化の5億年」、「見てわかるDNAのしくみ」、「生命誌の世界」、「いのち愛づる姫 ― ものみな一つの細胞から」など。