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8月10日の時間割 5時限目

 

16:30~17:30

有馬朗人 (ありま あきと) 塾長 

(元東京大学総長)

講義「20世紀の物理学の発展 -物質の根源を求めて-」 

授業内容

「最後の話は、最初の益川・小林さんに結びつく話です」
有馬塾長は、物理学の発展の歴史を紐解き、日本人には創造性がないなどと言われるが、それはウソだということを証明したいと話し、合宿最後の授業を始めました。

放射線の発見に始まった20世紀の物理学の発展は、原子や原子核の構造を解明することを大きなテーマとしました。
世界中の物理学者が研究を進める中、日本の長岡半太郎は、電子が原子の周りを回る「土星モデル」を英国Nature誌に発表。今日「ラザフォード・ボーアモデル」として知られる形を彼らよりも早く発見していた、と有馬塾長は強調し、本来は「長岡・ラザフォード・ボーアモデル」と呼ばれるべきだと主張しました。

そして、原子核を構成する陽子・中性子を結びつける「中間子」の存在を予言し、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士や、素粒子研究に独創的なモデルを提案した西島和彦、坂田昌一博士、2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部洋一郎、益川敏英、小林 誠 博士を、それぞれの研究内容と共に年代を追って紹介。世界の素粒子研究を前進させてきた日本人の創造性は、素晴らしいと示しました。

また有馬塾長は、経済的に恵まれず中学の頃から苦学した経験や、自身の手がけた「相互作用するボゾンモデル」の理論が認められるまで20年かかったことにも触れ、講義の締めくくりとして 「自信を持て 大きな夢を見よ くじけるな 健康を大切に 21世紀の日本と人類のために活躍せよ」 と塾生を激励しました。


授業はストリーミング動画で公開中。ぜひご覧下さい。

 

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動画で見る

動画の公開は終了しました。

講師プロフィール

1930年生まれ。1953年東京大学理学部物理学科卒業。同大学理学部助教授、ニューヨーク州立大学ストニーブルク校教授、東京大学理学部教授を経て、89年東京大学総長に就任。93年には理化学研究所理事長。98年に文部大臣に就任し、科学技術庁長官を兼務。後に日本科学技術振興財団会長、科学技術館館長を歴任し、現在、武蔵学園長、公立大学法人静岡文化芸術大学 初代理事長を務める。名誉大英勲章、文化功労者、旭日大綬章等受賞多数。