8月4日 (土) 2時限目

 

09:00~

森 重文

京都大学 数理解析研究所 所長
(フィールズ賞 受賞者)

講義 

「数学は役に立つか?」

 

【授業レポート】

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学習塾で出されたつるかめ算の問題を解いて、賞品のロールケーキを見事獲得。数学の面白さに目覚めた、と子ども時代を語る森先生。中高時代には数学にのめりこみ、数学研究会を作って活動していた。

 

今の社会では、多くのものがデジタル化されている。デジタル化とは物事を0と1の「数」で扱うため、全て数学が扱う対象となる。

波を重ね合わせを読み解く「フーリエ変換」の原理が、医療機器のMRIの技術を可能にしたし、データベースでの情報検索や並び替えをスムーズにしているのも、数学的アイディア。
巡回セールスマンが多数の都市を全て巡回するのに、最短の巡回経路を求める公式は、基盤配線、CPU内の効率的な配線などに応用されている。最近のDual CoreのCPUにはこのような技術が使われている。


数学的アイディアにあふれた「数学的な美」と工業デザインの美=機能美を比較。
森先生は、発明家・フラーと大数学者ウェイルの「デザインの美は直接求めるものでなく、問題解決の結果として得られる」「数学のアイデアは定義できないが、論文の中で見ればわかる」という見解をそれぞれ紹介し、本質を突いていると語った。

 

森先生のアイデアはどのような時に?という質問に、「それは難しい質問。私は頭の切り替えは苦手で、ずっと考え続けるタイプ。数学はじっくり考えないと解くことは難しいので、何か思いついたと思ったらメモだけして、枕元において寝るということもよくある。」と答えた。

 

 

 

 

【講師ご紹介】

略歴:
1973年 京都大学理学部卒業
1975年 京都大学大学院理学研究科修士課程修了
1975年 京都大学理学部助手
1980年 名古屋大学理学部講師
1990年 京都大学数理解析研究所教授
2011年- 同所長  現在に至る
滞在歴:
ハーバード大学助教授、プリンストン高等研究所研究員、コロンビア大学客員教授、ユタ大学客員教授など
研究業績:
高次元多様体論、双有理幾何学。特に、ハーツホーン予想解決、錐定理、端射線の発見、3次元極小モデルの存在証明など
受賞歴:
日本数学会彌永賞、井上学術賞、アメリカ数学会コール賞、学士院賞、フィールズ賞、文化功労者、日本学士院会員、藤原賞など