8月5日 (日) 5時限目

 

16:00~

岩松 勝

鉄道総合技術研究所 企画室次長

講話

「リニアモーターカーと超電導技術」

 

【授業レポート】

 

江戸時代、約2週間かかったという東京・大阪間の移動。それを約1時間で結ぶリニアモーターカー。
まずは、明治時代に蒸気機関車が出来てからリニアに至るまでの歴史や、鉄道の基本構造、そしてリニアモーターカーの仕組みを説明した。

 

車両側につけた超伝導磁石と、地上側の電磁石の間に生まれる磁界よって進むリニアモーターカー。
その原理のキーワード・超伝導についての解説をする岩松先生。

塾生は、実際にリニアに使われている素材を手に取り観察した。

 

後半は、1962年から始まったリニアの開発の歴史や、今後の予定を解説。
超伝導が叶える未来の可能性については、宇宙エレベーターや、世界中にリニアを張り巡らせて人の流れをつくるなどの構想を紹介した。

 

 

 

(↑動画を再生できます)

締めくくりに、リニアの浮上原理の模型を、塾生達の目の前で実演。

 

最後に塾生からの質問。
「リニアの乗りごこちは」「止まるときはどうするのか」「近隣への影響は」などなど、実用化に向け動き出した夢の乗り物について、たくさんの質問が飛び出した。
「研究開発はバトンリレー。それがちゃんとつながると、50年前に開発が始まったリニアのように、実用化が実現するんだと覚えていてほしい」と岩松先生は語った。

 

 

 

 

【講師ご紹介】

1965年 北海道生まれ。
1987年3月 北海道大学工学部原子工学科卒業
1989年3月 北海道大学大学院工学研究科原子工学専攻修士課程修了
1989年4月 財団法人 鉄道総合技術研究所 入社
2006年7月 浮上式鉄道技術研究部 低温システム研究室長
2008年4月 企画室 企画課長
2010年4月 浮上式鉄道技術研究部 部長
2012年6月 企画室 次長

受賞歴:
・簡略地上コイル対応超電導磁石の開発 2006年11月  日本AEM学会技術賞
・磁気浮上式鉄道用超電導磁石の振動低減のため台車構造の基礎的検討 2009年11月 日本AEM学会技術賞

学会・委員会並びに役職履歴:
日本AEM学会   評議員、理事、編集委員
電気学会       産業応用部門大会論文委員
低温工学・超電導学会