8月5日 (日) 7時限目

 

19:00~

講義 鈴木 寛

元文部科学副大臣、筑波大学客員教授、中央大学客員教授

講義

「創造性はどうしたら育成されるのか?」

 

【授業レポート】

 

 

講義の冒頭、塾生達に「科学のインカレ」参加を呼びかけた鈴木先生。理系人材の育成に尽力する立場から「ノーベル賞を目指してほしい」と激励。

 

 

板書したキーワードには、Bottle Neck(隘路)、Conflict(葛藤)、Dilemma(矛盾)、Trade Off(二律背反)など、対立する2項の「板ばさみ」を表すキーワードが並ぶ。

 

 

通産省時代の1995年当時、日本のインターネット普及率は世界23位だった。文系的発想から「リモコンに慣れた日本人には、PCより携帯端末への移行が向いているのではないか?」と提案して、インターネットの普及に貢献。社会を変えるイノベーションには、社会と文化と科学技術を総合的に組み立てていくプロデューサーが必要だと述べた。

 

 

人の命を救う心臓移植には、臓器提供の問題や術中死などのリスク、免疫抑制剤の継続使用といった解決しがたい問題がつきまとう。これを解決する医療イノベーションとして、工学部出身の東京女子医科大学・岡野教授による細胞シート(バイオシート)の開発を紹介。

 

 

新薬の開発には、まず動物実験が行われ、その後人間を対象にして効果を試す「治験」が行われる。薬効を試すためには、何人かに偽薬の投与も行わなければならない。実施する側にも常に苦悩や葛藤がついて回る。

 

 

アメリカや中国とは違い、医療保険制度が整っている日本では、リスクを伴う治験協力者が少ない。鈴木先生は、江戸時代の治験を取り上げた小説「華岡青洲の妻」を紹介。答えがない中でこうした問題を考える中には、科学技術だけでなく、社会や人間の側から問題を見つめる哲学や文学も必要だと述べ、自然科学・人文科学・社会科学の境界を越えた人材で話し合う「熟議」を提案。

 

 

塾生から出た、新薬開発の実態や心筋シートについての質問に答える鈴木先生。「答えのない問題を解決するには、文系・理系の特性をよく理解して総合的に考えられる人材が必要。是非仲間になってほしい」と呼びかけた。

 


 

 

 

 

【講師ご紹介】

略歴:
1964年生まれ。 東京大学法学部公法学科卒業。
1986年 通商産業省。シドニー大学特別研究員、山口県工業振興課長。中央大学総合政策学部兼任講師、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)環境情報学部助教授。
2001年 参議院議員通常選挙東京選挙区で当選。
2007年 参議院議員通常選挙で再選。
2009年9月 鳩山由紀夫内閣で文部科学副大臣に就任し、菅直人内閣で再任。
2011年9月 野田佳彦内閣の発足に伴い、民主党政策調査会副会長、民主党文部科学部門会議座長、民主党憲法調査会事務局長、人材科学技術イノベーションPT事務局長、参議院文教科学委員会筆頭理事、憲法審査会幹事に就任。超党派スポーツ振興議員連盟幹事長、音楽議員連盟幹事長、現在、中央大学大学院客員教授、筑波大学客員教授、大阪大学招聘教授、東大でも教鞭をとる。