8月6日 (月) 3時限目

 

13:00~

高畠 勇二

全国中学校理科教育研究会 会長、練馬区立開進第一中学校 校長

実験

「音の速さを求めてみよう」 

 

【授業レポート】

 

 


まずは、ラの音(440ヘルツ)を、スピーカーから聞かせた高畠先生。この音を覚えておいて、ストローで笛をつくり、440ヘルツを再現してみることが最初のテーマ。

 

 


自分達でストロー笛を作る。ストロー笛の長さをはさみで切って調節し、440ヘルツを目指す。

 

 


440ヘルツの音とあわせて、笛を吹いてみる塾生たち。耳で聞きながら、各々、440ヘルツになったと確認した。

 

 


音の速さは、波長と周波数がわかれば、計算で求めることが出来る。音速=管(ストロー笛)の長さ×4×周波数(440)である。自分の笛の長さをはかり、音速を求めてみると、それぞれ、325~355メートルまで、誤差のある結果が出てきた。
実は、この講義の本当のテーマは、これからなのだ。
高畠先生は、塾生たちに「この結果から、自分で工夫して、結果の誤差を少なくすることを、みんなで考えてほしい」と問題を出した。

 

 


なぜ誤差が生じるのか、そしてどうすれば解消できるのか?テーブルごとに相談する塾生達。

 

 

 


「音の高さを耳で判断していたことに原因があるのでは」「機械を使って音を判断した方がいい」
「息によってストローの内部の温度変化してしまうことが原因では」「息を使わない音の出しかたをする」「温度が変わる前提で行う」「標高が高いから気圧の変化によるのでは」など、たくさんの意見が出された。

 

 


様々な意見がホワイトボードに書かれた後、「この実験には、もともと致命的な欠点がある。」と種明かしを始めた高畠先生。
先ほど示した公式には、管の長さに誤差が含まれている。その数字に、さらに×4×440(周波数)をかけてしまっている。誤差がさらに広がってしまうのだ。
「今回の実験は、絶対にやってはいけない方法。自分が実験方法を考える際には、誤差を少なくするように考えて。」と話して、締めくくった。