8月6日 (月) 5時限目

 

16:30~

吉野 彰

旭化成株式会社 フェロー、京都大学大学院 特命教授

講話

リチウムイオン電池と私たちのくらし

 

【授業レポート】

 

 

 


今あるものをどんなによく改良しても、それはいずれ過去の栄光になる。”昨日まで世界になかったもの”を生み出すためには-を塾生に伝えたいと、講義を始めた吉野先生。

 


まずは、電池の歴史と分類について。
アルカリ電池など充電不可能なものが一次電池、リチウムイオン電池など充電可能なものが二次電池、といった基礎知識から、イラクの遺跡から発掘された古代の電池・バクダッド電池やボルタ電池など様々な種類を紹介し、その歴史について解説。

 

 


そして、吉野先生が生みの親であるリチウムイオン電池について。
小型で軽量、大電流放電可能など一般的な特長からはじまり、その構造などの説明や、製造工程は実際の機械を撮影したビデオを見せながら紹介した。

 

 


続いて、リチウムイオン電池の開発経緯について。
1981年から、新型二次電池の研究としてスタートした開発。吉野先生は、「1995年、大きな出来事が起きた」と振り返った。それは、ウィンドウズ95の発売。ここからパソコンが急速に普及し、リチウムイオン電池の需要も飛躍的に伸びたと話した。負極の素材選びや安全性についての苦労などにも触れ、「研究を続けていくこと。問題を一つ一つ抽出して解決していくことが大切。」「ものまねではだめ。大変だけど、きっとできる」

 

 


結びに、「1995年の人に今の暮らしを説明したら、信用してくれないと思う。だから、今、絶対不可能と思うことが実現するかも知れない。」と話す吉野先生。
リチウムイオン電池に関する特許出願件数のグラフを示し、「IT変革の第2の波が来ている、これから大きな変革が起きる」として、「現在からは想像のできない未来になっていると思う」と語った。

 

 


携帯電話やノートパソコンなど多くの身近なものを支える発明について、その生みの親からお話が聞けるとあって、塾生たちは真剣に聞き入っていた。

 

 

⇒動画で授業を見る

 

 

 

 

【講師ご紹介】

略歴:
1948年1月30日 大阪生まれ
1972年3月 京都大学大学院工学研究科 石油化学専攻 修士課程修了
1972年4月 旭化成株式会社入社、主として機能性高分子等の研究開発業務に従事、1981年から新型二次電池の研究に着手し、1985年にリチウムイオン電池を発明。1992年に東芝との合弁会社㈱エイ・ティーバッテリーの設立に携わり、リチウムイオン電池を事業化した。
この業績に対し国内、国外の団体から多くの賞を受賞し、2004年度には紫綬褒章を受章。

工学博士。現在、旭化成フェロー
旭化成株式会社 吉野研究室長(本務)
旭化成イーマテリアルズ株式会社 電池材料事業開発室長(兼務)
技術研究組合 リチウムイオン電池材料評価研究センター 理事長 (非常勤)
京都大学 大学院工学研究科 特命教授 (非常勤)