8月8日 (水) 2時限目

 

10:30~

薬袋 佳孝

武蔵大学 教授、化学オリンピック

講義

「化学オリンピックへの招待」

 

【授業レポート】

国際科学オリンピックは、数学、化学、生物、物理、情報、地学など各分野ごとに中高校生を対象とした国際大会。薬袋先生が担当されているのは、そのうちの一つ、国際化学オリンピックである。

 

 

2010年、日本で開催された国際化学オリンピックの様子をビデオで紹介。一週間の日程で、開会式に始まり、実験試験・筆記試験、そして参加者同士が交流を深められるエクスカーションも多く設けられているという。真剣なまなざしで試験に取り組む一方、様々な国からの参加者が一緒になって日本文化を体験したり、楽しく交流する姿も紹介した。
今年の7月末に行われた国際化学オリンピック アメリカ大会では、日本選手の2名が金メダル、また2名が銀メダルを獲得した。しかも、金メダルを獲得したうちの1名は実験試験で満点の評価を得た。

 

 

現在では、日本の高校生が多く活躍しているこの大会。しかし、日本が参加するまでには長い道のりがあったという。
1968年、チェコスロバキアで行われた第1回大会。当初は、東欧の小規模な大会だった。そこから、参加国を増やしていき、2010年・日本大会では、68カ国が参加する大会に成長した。日本では、本格参加の前に、国際大会に参加する素地をつくるために、国内大会を立ち上げ、定着させた。そして、2003年に初めて国際化学オリンピックに参加した。

 

 

様々な理由から日本は不利だという声もあるが、それに挑戦することで新しい視野が広がるのではと、薬袋先生。参加当初は銅メダルが中心だったが、近年では金メダルを複数獲得するなど、日本選手団の成績は上向きであると説明した。
その他、代表者への支援や国内予選である全国高校化学グランプリについて紹介。問題を解くには、出題者の意図を理解するための読解力などが必要と話し、「サイエンスの気持ち、科学者の気持ちを少しでも分かってもらえればと思う。」と塾生に化学オリンピックへの参加を呼びかけた。

 

 

最後には、塾生から「中学生には難しいと言われたが、僕たちが参加できそうなものはありますか?」との質問。薬袋先生は、「実験や観察は経験が重要になってくる。そういう意味では、数学や物理は経験が少ない中学生でも解けるのでは」と答えた。

 

 

 

 

 

【講師ご紹介】

略歴:
1954年岐阜生まれ
1982年 東京大学大学院理学系研究科化学専門課程博士課程修了、理学博士。東京大学助手(理学部)
1986年 フロリダ州立大学博士研究員(化学科)
1988年 東京大学助手(理学部)
1991年 東京大学専任講師(理学部)
1993年 東京大学助教授(大学院理学系研究科)
1996年- 武蔵大学教授(人文学部)

専門は、放射化学・核化学・地球化学。
日本化学会 化学グランプリ・オリンピック委員会で委員を務め、運営幹事や委員長(2008-2010)などを歴任。現在は運営幹事(関東支部担当)を務めている。この他、日本化学会化学教育協議会副議長、日本科学オリンピック推進委員会理事としても化学オリンピック関係の活動に従事。
(武蔵大学HPより一部抜粋)