8月8日 (水) 6時限目

 

19:00~

松田 良一

東京大学大学院 総合文化研究科・教養学部教授

講義・実験

「生き物の再生 ―プラナリアの再生実験②」

 

【授業レポート】

 

 

プラナリアの再生実験の後編。前回の再生実験の結果を観察する前に、成体のプラナリアに冷凍アカムシを与え、食事するところを観察することに。

 

 

 

プラナリアは咽頭から管状の咽頭を出してアカムシに吸い付いた。「気持ち悪い」「グロい」と言いながら、全員顕微鏡にくぎづけ。

 

 

アカムシの体液を吸ったプラナリアは体が赤い。

 

 

前回3つに分断されて再生したプラナリアも観察。黒く縮んでいた切り口が丸みを帯びて伸び、新たに目(頭部)が確認できるものも。

 

 

中には、容器の中から消えてしまった切片も。松田先生は、腐敗して細菌やカビ、微生物に分解されてしまうか、プラナリア自身が持っているたんぱく質分解酵素で溶けてしまった可能性もある、人間で言うなら感染症や胃潰瘍に当たると解説した。

 

 

この小さな生物の研究は、生物や再生医療の分野だけに限られるものではない。プラナリアの中にはさまざまなヒントが隠れているので、研究してみてほしい、と述べた。

 

 

塾生からは、どのくらいまで切ったら再生できなくなるのか、野生のプラナリアは何を食べているのか、プラナリアは痛みを感じるのかなどの質問が上がった。松田先生はひとつひとつに丁寧に答え、プラナリアの飼い方を詳しく塾生に教えた。

 

 

「この創造性の育成塾が君たちにとって何らかのきっかけにしてほしい」と塾生にエールを送り、授業を終えた。

 

 

※講義動画の公開は終了しました。

 

 

 

 

【講師ご紹介】

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授。
専攻分野は筋肉の生物学。ニワトリ胚を材料に骨格筋の発生を研究。筋肉の再生に活躍する筋衛星細胞に関する研究や筋ジストロフィー治療薬の研究を行っている。治療薬は来年度には臨床試験(治験)を行う予定。
国立精神・神経センター筋ジストロフィー研究班幹事。国際生物学オリンピック日本委員会コーディネーター。教養学部主催「高校生のための金曜特別講座」を担当する教養学部社会連携委員長。
平成24年度 日本動物学会「動物学教育賞」受賞。