8月9日 (木) 2時限目

 

10:30~

天坊 昭彦

出光興産 相談役     石油連盟 前会長

講話

「日本のエネルギーを考える」

 

【授業レポート】

 

 

「日本のエネルギーについて、新入社員に向けて話すようにお話ししたい。」
冒頭、天坊先生は、「エネルギーは、人間の生存にかかわる“安全保障”であり、 安価であるということが、大切なポイント」と語りはじめた。

 

 

日本のエネルギー問題は、①国内自給率が低い。②原子力発電ができないと、化石燃料使用が増えCO2発生も増える。③再生可能エネルギーの太陽光・風力が期待されているが、現状ではコストが高く、不安点な電源なので、大規模利用は難しい。
エネルギーの安定供給確保は、国の安全保障であり、国の責任。したがって、安定的なエネルギー供給体制を構築することが重要だ。

 

 

 

こうした課題を解決するために天坊先生が紹介するのは、地熱発電。地熱発電は、①二酸化炭素をほとんど排出せず、環境に優しい。②国内で供給できるエネルギーなので海外情勢に左右されない。③風力や太陽光などは天候に左右されるが、地熱は天候の影響を受けないので安定供給ができる。などのメリットがある。

 

 

 

しかし、日本の1年間の地熱発電量は、電力量のわずか0.25%。その理由は、地下資源を見つける難しさや、掘削から稼動までの開発期間が長いこと、地熱に適した場所の約8割が国立公園などにあるため、開発規制が厳しい、など様々な課題があるからだ。今後こうした課題を克服し、地熱発電を進めていくことが、日本のエネルギー政策にとって必要だ。

 

 

「エネルギー問題は、世界を動かす一番根幹にある問題。エネルギーによって世界は変わる。19世紀は石炭の時代、20世紀は石油の時代だった。これからのエネルギーについて勉強し考えていってほしい。」と天坊先生は、明日を担う塾生たちに期待を込めた。

 

 

 

⇒動画で授業を見る

 

 

 

【講師ご紹介】

1939年生まれ。東京大学経済学部を卒業し、1964年出光興産株式会社入社。石油開発に携わった後に、出光ヨーロッパ社長を経て経理部長に就任。海外部門・販売部門等の担当役員を歴任の後、2002年に代表取締役社長に就任。国内石油需要の減少に伴い余剰となった石油製品の生産能力を削減するため、雇用を維持しながら2つの製油所閉鎖を決断するとともに、私企業であった出光を2006年に東証一部に上場した。2008年から4年間石油連盟会長。今年6月出光興産相談役に就任。