8月9日 (木) 3時限目

 

13:00~

村山 斉

東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長 特任教授

講義

「宇宙をつくった暗黒物質」

 

【授業レポート】

 

 

 

講義前に届いた村山先生からのプレゼント。既に買って読んだという塾生も、サイン入り著書に大興奮。

 

 

村山先生の講義は「教えられたことを鵜呑みにしてはいけない」という所から、宇宙について分かっていることをひとつひとつ紐解き始めた。まずは、星も原子でできているというのはどうして分かるのか?と問題提起し、太陽光からそれを証明する道筋を示した。

 

 

宇宙の謎を解く手がかりとして、太陽の核融合から生まれるニュートリノを紹介。16万光年先の超新星爆発からニュートリノを観測したことで、星の内部も原子でできていることが分かった。この研究でニュートリノを発見し、ノーベル賞を受賞したのが小柴先生だ。

 

 

地球は太陽系を毎秒30kmで回り、太陽系は毎秒220kmで銀河の中を回っているという。星の運動は高校の数学・物理で証明できる。それを調べて行くと、銀河の真ん中にあるブラックホールの存在や、その様子が分かってくる。

 

 

銀河には、私たちをつなぎ止める重力の源がある。これを暗黒物質という。アインシュタインは相対性理論により、重力とは空間の性質、空間が曲がることとして説明した。銀河団の写真にはゆがんで見える部分があり、そこには目に見えないが、大きな重力を持つ暗黒物質があると考えられている。

 

 

日本のX-MASSは暗黒物質の観測に、ヨーロッパのLHC(CERN)では人工的に暗黒物質を作り出すことに取り組んでいる。
ビッグバン後、100万分の1秒後にできたと考えられる暗黒物質は、宇宙の始まりを知る大きな手がかり。村山先生は「皆さんも暗黒物質に挑む戦いに参加してください」と塾生に呼びかけた。

 

 

 

質疑の時間には次々に手が挙がり、暗黒物質を捉える試みや、授業の中では取り上げられなかった内容についても質問が殺到。講義後も時間いっぱい、村山先生を囲んでの質問が続いた。

 

 

 

⇒動画で授業を見る

 

 

 

【講師ご紹介】

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長・特任教授。米カリフォルニア大学バークレー校 物理教室教授。
東京大学理学部物理学科卒業、同大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了。理学博士。
東北大学大学院理学研究科物理学科・助手、ローレンス・バークレイ国立研究所・研究員、米カリフォルニア大学バークレー校物理学科・助教授、准教授を経て、同大学物理学科教授(現職)。米プリンストン高等研究所メンバー
2007年10月より東京大学数物連携宇宙研究機構(現:東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構)機構長就任。
専門は素粒子物理学。主な研究テーマは超対称性理論、ニュートリノ、初期宇宙、加速器実験の現象論。現在世界第一線の数学者・理論物理学者・実験物理学者・天文物理学者と協調し、各分野の知の融合を通し宇宙の根源的な謎を研究している。

西宮湯川記念賞(2002)、米物理学会フェロー(2003)
趣味は、コントラバス演奏と自転車。