8月10日 (金) 1時限目

 

8:30~

有馬 朗人

「創造性の育成塾」 塾長

講義 

「エネルギー問題を考えよう」

 

【授業レポート】

中学校時代の夏休みには、ものづくりや数学の難題を解くことに夢中になったという有馬先生。

 

 

1番の問題は地球上の人口が爆発的に増えたこと。エネルギー消費量は、途上国の発展・車社会化によって急激に伸びている。しかしエネルギー消費によって発展した先進国が、途上国のエネルギー消費に制限をかけることはできない。

 

 

地球温暖化は深刻。その原因をめぐる論争では、データの誤りは徹底的に検証され、温暖化ガスによるものだと結論づけられている。日本は世界最高水準の省エネルギー技術で途上国に貢献し、更に省エネを進めて、CO2排出量の削減に取り組まなければならない。

 

 

今年はグリーンランドの氷がすべて解けたという。塾生にとっては将来向かい合うことになる問題。真剣に聞く。

 

 

再生可能エネルギーを総発電量の17%まで高めたドイツでは、自国内の石炭を使用しつつ、原子力発電を行っているフランスから電力を輸入。ヨーロッパの人々は現実主義だが、風力や太陽光発電の普及には最大限の努力を行っている。日本は再生可能エネルギーの占める割合を10年かけて総発電量の5%までしか上げようとしていない。努力が足りない。

 

 

地震の専門家ですら津波の危険に目を向けることをして来なかった。2005年のスマトラ沖地震で大きな津波被害があった時、日本の津波対策は十分だとして対策を講じなかったことを、有馬先生は自分の失敗として深く反省している。

 

 

この中の人の何人かには地球科学の研究を進めて、確実に地震を予知できるよう取り組んでほしい。

 

 

気温が4℃上がると海水面はどのくらい上がるのか。いま作られている原発はどうするべきか。人類はこのまま増え続けるのか。塾生からの質問に対して真剣に答える有馬塾長。

 

 

「皆さん身体に気をつけて頑張ってください」と一旦講義を終えた有馬塾長。最後に、使用済み核燃料をどのように安全に保管していくかという問題は、社会全体で考えていかなければならないとして、将来への大きな課題を提示した。


⇒動画で授業を見る

 

 

 

【講師ご紹介】

略歴:
1930年生まれ。理学博士。
1953年東京大学理学部物理学科卒業。同大学理学部助教授、ニューヨーク州立大学ストニーブルク校教授、東京大学理学部教授を経て、89年東京大学総長に就任。専門は理論物理学。
93年には理化学研究所理事長。98年に文部大臣に就任し、科学技術庁長官を兼務。後に日本科学振興技術財団会長、科学技術館館長を歴任し、現在、武蔵学園 学園長、静岡文化芸術大学 初代理事長を務める。
2006年から「創造性の育成塾」を主宰。
仁科記念賞、アメリカ物理学会 ボナー賞、名誉大英勲章、旭日大綬章、文化勲章等 受賞多数。
また、山口青邨に師事し、日本を代表する俳人としても活躍。俳誌『天為』を創刊・主宰。蛇笏賞選者。