夏合宿のまとめ
創造性の育成塾で受けた講義の中で、興味深いと思った講義が三つあります。数学について話してくださった秋山仁先生、南極と地衣類について話してくださった川又明徳先生、そして奇跡の地球帰還を果たした人工衛星「はやぶさ」について話してくださった國中均先生の講義です。
秋山先生は、笑いも交えて数学の楽しさを教えてくれました。空間を平行移動だけで充填できる五つの平行多面体を更に自ら考え名づけた「ペンタドロン」という立体で充填させたり、「正四面体のあらゆる展開図は平面を充填する」という定理を先生自身が作り出してしまうことに驚き、それと同時に今まで気付かなかった数学の面白さや興味深さに気付きました。難しいとしか思っていなかった数学のイメージがその講義で覆されました。
川又先生は南極観測の様子と、そのときの地衣類の観察を結びつけて話してくれました。そのときの授業で、自分の好きなことを結びつければ何か発見があると思いました。例えば僕は元素好きで百人一首が得意なので、元素の数は百十八、百人一首の歌は百と数が似ているので、それらを結びつけて覚えていけば百人一首の暗記の手助けになると思いました。
また、國中先生は、僕達に三つの言葉を残してくれました。「スペシャリスト(専門バカ)を目指せ」「決まった未来はない、作る未来しかない」「挑戦なくして未来は開かない」の三つですが、三つ目の「挑戦なくして未来は開かない」という言葉が僕の心に響きました。この言葉は僕の過去であり、僕の未来でした。
過去というのは、僕が五歳の頃のこと。たまたまそこにあった漢字辞典の字をひたすらノートに書き並べてみると、面白くてすぐにのめりこみました。それがあったから今の僕は漢字が得意なのかなと思います。漢字に対して苦手意識を持っている人もいるかと思いますが、そういう人から見て僕は、「挑戦」していたのではないかと、講義のときにハッとしました。
未来というのはまだ分かりません。でも、何かに挑戦する価値はあると思います。例えば僕は、世界のいろいろな国に行ってみたいと思っています。この夏合宿では中国から四人の高校生が参加していたのですが、皆自分の思っていることをきちんと日本語にしているのに対し、僕が外国語で覚えているのはその言語のテキストに載っているようなものばかりなので、彼らが凄いと思いました。僕ももっと外国語を話せるようになりたと思いました。また、多くの先生は、外国では英語やコミュニケーションが大事だとおっしゃっていました。でも勉強するには「文法」という名の壁が立ちはだかっています。しかしその壁を突き破っていくのが挑戦なのだと思いました。
僕の将来の夢は宇宙飛行士になることです。その夢を目指して挑戦することが必要なのだと思いました。
創造性の育成塾は、貴重な一週間でした。数々の偉業を成し遂げた先生方の講義を受けさせていただいたり、これまでには体験できなかった素晴らしい実験をさせていただいたりと、とても充実した一週間でした。この貴重な体験は、多分人生の転機になるかと思います。この体験を後輩にもその後輩にも味あわせたいです。僕はこの経験を生かし、これからもいろいろなことに挑戦していきたいと思います。
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