科学オリンピックガイダンス

その他

科学オリンピックは、世界中の高校生が科学の各分野(数学、化学、生物、物理、地学、情報、地理)の知識や技能を競う国際大会です。
2時限目は、今年の国際生物学オリンピックに出場したばかりの育成塾15期生の日吉雪乃さんが、塾生に生物学オリンピックの紹介をします。

「他の分野に興味がある人にも聞いてほしい」と、日吉さんは生物学と他分野のつながりについて話し始めました。生物学と他分野が重なる領域には多様な学問が存在します。生物学を化学の視点から扱う分子生物学や生化学、そして、一見、生物学とは離れた分野に感じる数学や情報との間にも、数理生物学やバイオインフォマティクスがあるとのこと。物理や数学に興味があると自己紹介していた塾生も、日吉さんの話を興味深そうに聞いていました。

生物学オリンピックは高校生以下が対象で、国内大会の日本生物学オリンピックで成績が優秀だった生徒が、国際大会である国際生物学オリンピックに出場します。日吉さんは、中学3年生と高校1年生で日本生物学オリンピック銀賞を受賞し、7月に開催された第35回国際生物オリンピックで銀メダルを獲得しました。元々は化学に興味があったそうですが、生物学オリンピックを通して生物学に魅了され、今では分子生物学に興味を持っているそうです。

生物学オリンピックでは、筆記試験と実技試験が行われます。
国内大会の問題には地域性があり、静岡で開催された前回大会ではワサビの酵素を調べる課題が出たそうです。国際大会中は試験の他にエクスカーションという遠足があります。日吉さんは、第35回国際生物学オリンピックの開催地となったカザフスタンでのエクスカーションで、人生で初めて地平線を見て、日本では見られない景色に感動したそうです。また、試験の休憩時間など、その土地の各国の参加者と仲良くなれる機会もたくさんあるとのこと。日吉さんは世界中の生物好きと友達になれたり、一生の友達ができるのも生物学オリンピックの魅力だと伝えます。
日吉さんは、国内大会と国際大会の様子を映像や写真で楽しそうに振り返り、塾生は目を輝かせながら聞いていました。

「最後に実際の生物学オリンピックの予選の問題を解いてみましょう」と日吉さん。

塾生は周囲と相談しながら、過去に出題された問題を笑顔で解いていました。今回解いた問題は生物学の知識がなくても論理的に考れば解ける問題で、このような面白い問題があるのも生物学オリンピックの特色だと言います。生物学オリンピックの公式ホームページに過去問があるので、興味のある塾生はぜひご覧くださいとのこと。 

講義後には生物学オリンピックに関する質問が塾生から挙がり、「受けて損はないので気軽に受けてみてください」「来年もチャンスがあるので頑張って」といった激励で話を締めくくりました。

(11期 岸田彩花)