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エジンバラの科学のお祭り
【今日のひとこと】 2008年4月14日

3月下旬、英スコットランドの首都エジンバラへ出かけて来ました。目的は科学フェスティバルの見学です。

「科学のお祭り?」と意外に思う人もいるでしょう。そう、イギリスでは今、科学フェスティバルを開く都市が増えています。映画祭、音楽祭、ジャズフェスティバル、文学祭などは日本にもありますが、イギリスでは科学も、そういった対象に含まれているのです。もっとも古いものは180年近い歴史があります。

プログラムを少しご紹介しましょう。爆発も起きる化学実験ショー、電気回路を作る工作教室、DNAを取り出す実験、ミイラの専門家による講座、火星探査の最先端を研究者が報告する講演などなど。「完ぺきなウンチを作ってみよう!」と題した実験ショーでは、コーンフレークが消化酵素の働きでウンチそっくりに変化していく様子を、解説員が楽しいおしゃべりとともに実演してくれました。

確かに、科学は面白いです。実験は楽しいですし、今まで知らなかったことが分かるのはとてもわくわくする経験です。フェスティバルでは、参加している科学者や専門家に、なんでも直接質問することができます。

エジンバラの科学フェスティバルに参加して印象に残ったのは、こうした催しにスコットランド中からたくさんの家族連れが参加していたことです。日本では「科学は難しい」「科学は得意な人だけが楽しめるもの」という先入観があり、こうした催しが開かれてもなかなか人が集まらないことが多いのとは対照的です。

科学を「学ぶ」から「楽しむ」対象に変えてくれる、こんな催しが日本でも広がればいいなあと思いました。

ちょうど、今月14日から20日まで、日本では「科学技術週間」の催しが予定されています。近くの科学館や博物館に足を運んでみてはいかがですか?
(元村有希子・毎日新聞科学環境部記者=ロンドン留学中)