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名もない木
【今日のひとこと】
2008年5月13日
名もない木とリス
私の部屋の窓の一つは庭に面していて、そこに名前の分からない木が生えています。 ロンドンへ引っ越してきた時には枝葉を茂らせていたのですが、まもなく秋が来て落葉し、裸になりました。
再び葉が茂るのを待っていたある朝、庭師がやってきて、枝という枝を全部、落としてしまいました。
幹だけの木はいかにもみすぼらしいものです。それまでは毎朝、小鳥がやってきて、枝に止まってさえずってくれるのを楽しみに眺めていたので、私は余計にがっかりしました。
ところが、5月になると、その幹から新芽がどんどん出て来ました。やわらかくつややかな葉っぱが、幹のあちこちから生えてきて、次第に木らしくなってきました。
時には、切り株のようになった太い枝の断面にリスが登ってきて、食事をしている様子が目と鼻の先で観察できます。ブラックバードもやってくるようになりました。
枝を落としたのは、新しい生命の誕生に備えるためだったわけです。これからもっとすごい勢いで新芽が出て、枝が育ち、また青々とした木に成長するのでしょう。
デジタルカメラで観察日記をつけ始めました。観察していると、毎朝、新しい芽が出ているのが分かります。葉っぱの形や枝ぶりで、今は分からない木の名前もやがて分かるでしょう。植物の観察日記なんて小学校以来で、とても楽しみです。
(元村有希子・毎日新聞科学環境部記者)
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