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東大理学部公開講演会を聴講
【今日のひとこと】 2008年5月14日

 
東京大学駒場キャンパス
5月10日、東京大学理学部公開講演会が開かれたので行ってきました。 場所は東京大学駒場キャンパス(赤門がある本郷ではない)の900号教室でした。

赤門こそくぐれなかったものの、人生初、東大の敷地に入りました。下調べしていた時に見たキャンパス内の地図を見るとかなり広そうでしたが、思っていたほどの広さではありませんでした。しかし、建物という建物はどれも(900号教室は門から近いのでそんなにたくさんの建物は見ていませんが)歴史を感じさせるもので、東京大学の歴史がどれほどのものかといったものが伝わってきました。

(とはいうものの、僕が通っている高校は、年表を見ると移転しているものの、東京帝国大学が成立する前に前身の愛知一中は既にあり、6年ほど前に、本校舎が立て替えられた時に、備品を新校舎に移していると、古い顕微鏡が見つかって、それを包んでいた新聞紙が今では見られないような変わったものだったので、日付を見たところなんと明治時代のものだったらしいです。)また、大学生協の食事は値段の割に美味しく、改めて、東大はいいと思いました。

本題の講演会についてですが
内容は
 ・猫を恐がらないマウスが教える心の仕組み
 ・見えない宇宙を見る-宇宙の組成とダークエネルギー-
 ・地震を支配する法則の探究

の3つでした。

<猫を恐がらないマウスが教える心の仕組み>
最近かなり発達してきた遺伝子技術で、匂いを認識する脳の一部分の一部を除去する(除去したとしても、匂いを感知し、区別することは出来る)と、猫に怖がることなく近づいていったことと、研究所で生まれた遺伝子操作をしていないマウスは、猫の匂いがあると怖がって近づくどころかすくんだり逃げていくことから、遺伝子が猫の匂いを怖がらせていたという事実が明らかになったことを述べていました。

生物に関する研究は実験するとき、大体、マウスで実験してから、だんだん人に近い動物を使い、最後に人で実験することが多いですが、マウスが哺乳類で、遺伝子総数も人間と大して違いはなく(マウスの方が若干多い)実験結果が大筋では人間に対しておこなわれる場合とそう違いがないと聞いたことがあります。匂いを感じる仕組みでも、人間とマウスの違いは少なく、共通部分が多いようです。

<見えない宇宙を見る>
そもそもその見えないものが何かほとんどわかっていないので、その特徴くらいしか語れないその研究の困難とかが主でした。ダークマターとは、質量をもつが重力以外の相互作用が弱く検知されにくいもので、銀河の中心部の天体と外縁部の天体がほぼ同じ速度で公転している理由や銀河が起こす重力レンズ効果が、銀河の観測からわかる質量より大きくないと起こりようのないものであることの説明で必要とされていて、WMAP衛星による背景放射の観測などから、宇宙じゅうの総エネルギーの4分の1程度を占めると考えられています。

ダークマター候補はいくつかあるものの、どれも「完全にその特性に合っていない」とか「特性はあっているが発見されていない」など、どの候補も、ダークマターはこれだと言い切れるものではありません。ダークエネルギーとは、宇宙の加速膨張や宇宙空間が平坦であることの説明で必要とされている、重力と逆の力を持つエネルギーです。

そのため、反重力などとも呼ばれるが、この考え方は、アインシュタインが自ら間違いだといった宇宙定数までさかのぼれますが、重力と逆の力があるため、密度が高いところはより広がろうとする力が強い分、密度が下がっていくなど、性質上、ほぼ均等になっていると考えられます。

ダークエネルギー候補は、宇宙定数と理論そのものの破綻、クインテッセンス(第5元素。古代ヨーロッパで地球にさまざまな天体が落ちてくるのを防ぐ役割をすると考えられていた。)などがありますが、正体は全く分かっていません。
理論の研究と新しい観測方法の研究などがない限り、たぶん今後もその正体は不明です。

<地震を支配する法則の探究>
断層運動がどの地震でも似ていて、マグニチュードが大きいときと小さいときの違いはその運動の大きさであって断層のすべり方はかわらないことから始まりました。それから、地震が大きいものになるか小さいものになるかは偶然ではなく、断層の境界上の突起状の場所(アスペリティ)が破壊されるときに決まるといった仮説などにも触れていました。

しかし、語り方が単調な先生だったので、睡魔に襲われ、聞いて理解するどころか、耳から先へ話が入ってこないような状況になっていました。そんなわけで、最後の話はあまり理解できず、寝ているのか起きているのか微妙なところで終わりました。


全国規模でチラシが配布された(高校に来ていたチラシを見てこの講演会を知りました)割に内容は物足りなかったかな?と思いました。そもそも、3つの話を2時間半でやることが難しいのでは?あれが5時間くらいのものならもっと内容が濃く出来るだろうなあと思います。

また、東京大学では受験生ガイダンスが夏休みにあるようなので、高2か高3では、それにも参加したいと思います。
(森雄一朗【1期塾生】)