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割り箸から考える環境
【今日のひとこと】 2008年5月29日

みなさん、お久しぶりです。まずは簡単に近況報告。

学校では一応最高学年となり部活や委員会の活動もとても忙しいですが、僕は相変わらず気ままに生きています。中間考査も終わり、今は間近に迫った修学旅行が楽しみです。

さて、皆さんは「割り箸」を使ったことはありますか。多分使ったことがないという人はいないと思います。この割り箸ですが原料は当然木材です。「では環境にはあまり良くないのだろうか」、ということが学校で話題になり、僕も興味を持って主にインターネットを使って調べてみました。

まずは、一年間の割りばしの消費量です。日本人が消費している割りばしの量というのはとにかく膨大なもので調べてみると一年間で240億膳、なんと国民一人当たりが200膳もつかっていることになります。主に飲食店などで使用されているものが多いようです。

では、これだけの割り箸がどこで作られているのというと、その90%以上は中国で生産されたものを輸入しています。かつては日本の北海道や奈良県でも作られていましたが、海外から大量に輸入される圧倒的に安い割り箸におされて激減しました。このあたりの事情は、他の農産物などとも同じようです。

次に中国での割り箸生産についてです。これまで、中国では割りばしの原料となる木材は皆伐方式と呼ばれるすべての木をいっせいに伐採する方法で供給されてきました。また、その後の植林も十分に行われておらず森林面積はどんどん減っていきました。

しかし、最近では環境団体や国際社会から強い批判を受けまた、大洪水などもあり中国政府は森林の伐採を制限する法律を作り植林も推奨しています。(少し話はそれますが、実際に法律が守られているかどうかは別問題であり、また政情が不安定なミャンマーなどからも違法に伐採された木材が輸入されているのでプラスマイナスゼロでまだまだ問題は残っているというのが実情なようです。)

また、2006年の全人代では、日本への割り箸輸出がやり玉にあげられ、「日本への割り箸輸出を禁止すべき」という意見も出ています。僕は基本的にこの意見に賛成です。その理由はこの後書いていきます。

それでは、中国からの輸入がなくなるとどうなるか。僕たちは多少高くても国産の割り箸を使わざるを得なくなります。結局同じなのではと思うかもしれませんが、そもそも日本で作られている割りばしは間伐材や加工の途中で余った端材などを利用しています。

間伐とは成長過程で密集しすぎた森林に対して本数を減らすために抜き切りすることで、健全な森林を維持するのに必要不可欠な作業です。しかし、間伐された木材は利用価値が低く使い道があまりないため、ほとんどは切り捨てにされ、水害の原因にまでなっています。こうした使い道がないものの需要を増やしきちんと利用することで資源の有効活用にも繋がります。環境破壊どころかむしろ森林の維持に一役買っているのです。

最後に僕自身の感想です。今回いろいろと調べてみて一番思ったのは、一口に割り箸問題といっても様々なことが入り組んでいて簡単に「じゃあ、割り箸は使わないようにしよう」と言えるほど単純ではないのだということです。割り箸から始めて調べていくにつれ、国境を越え分野を超えてどんどんとスケールが大きくなっていきました。そして、まだまだ僕自身調べきれていないように思います。

例えば、今回はあまり深く追求しなかった経済に関する影響やいわゆるMY箸と呼ばれるもの、またはまったく違った角度から防カビ剤などによる健康被害などです。なので、もう少しいろいろなことを調べた上で使う、使わないではなくて問題を全体的に見てそれなら一体どうすればいいのかと考えたいと思います。

また、割り箸に限らず僕たちの周りには環境問題と意外なところで深くかかわりをもつものも多いです。僕たちの住んでいる星のことですし、自分には関係のないことだとは思わずに皆さんも身近なものから環境問題について調べてみるのはどうでしょうか。

さらに詳しく知りたいと思う人へ
僕が参考にさせていただいたサイトをいくつか
「割り箸から見た環境問題」http://www.sanshiro.ne.jp/activity/99/k01/6_18prs1.htm
「中国の違法伐採についての記事」http://greenpost.jugem.cc/?eid=703
「日本の林業について」http://www.shinrin-ringyou.com/
(福永健悟【2期生】)