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バナナの断面
【今日のひとこと】 2008年6月13日

問題です、バナナの断面は何角形でしょう?

バナナはバショウ科ですので単子葉類です。バショウ科といえば大きな大きな葉が特徴的です。単子葉類は、イネ科のように花弁(花びら)の無いものもありますが、中学校の教科書にあるムラサキツユクサのように花弁は3枚であることも多いです。

チューリップやユリのように花弁が6枚に見えるものもありますが、実は内花被片3枚と外花被片3枚で、内花被片は花弁に外花被片は萼(がく)片に相当します。ですからチューリップやユリには緑色の萼片が見当たらないのです。これらの花の多くは6本のおしべをもち、めしべの柱頭が3裂しています。

前回書いたアヤメ・ハナショウブも特徴的なつくりの花ですが、やはり同様です。花の上方に立っている3枚が内花被片=花弁に相当・水平方向に開いた細めの3枚がめしべの柱頭・一番目立ち大きくきれいで垂れ下がっている3枚が外花被片=萼片に相当、おしべはなんとめしべの裏に張り付いていて、めしべを持ち上げると確認できます。子房の中は3つの部屋に分かれ、3つに裂けて種子が落ちるものもあります。

では、バナナは6角形?

断面を良く見ると、食べる部分はちゃんと3つの部屋に分かれていることが確認できます。でも外側のいわゆるバナナの皮の部分は5角形なのです。これはどうやら内花被片のうちの1枚が退化してしまっているためのようです。
(牧野 崇・品川区立荏原第一中学校教諭)