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水が持つ「化学的」素晴らしさ
【今日のひとこと】 2008年7月22日

水は、地球上に多く存在しています。しかし、その中で実際に飲み水としてすぐに使えるのは全体の0.01%に過ぎません。また、野菜や果物といった農作物などを通じて日本は大量の水を輸入(仮想水、バーチャルウォーター)しています。
と言ったように、最近注目されている「水」。どういう物質か知っていますか?

水は、化学式で表すと、H2Oとなり、分子はこんな形をしています(図1)。

 図1-wikipediaより







水は酸素原子1つと水素原子2つが共有結合しています。

「共有結合」とは、互いの原子内又は分子内の電子を互いに共有する結合です。しかし、共有するといっても、物質によっては、自分のほうに電子を引き付けやすいものもあります。つまり、共有している電子は片方にかたよる事があります。このことを「極性」といって、水にはこの極性があります。「極性」があると、電子が偏っている方は電気的にマイナスに、電子があまり無い方は電気的にプラスに(あまり強くありませんが)なります(このことは静電気を帯びた物を水にかざすことで確かめられます)。

この水分子がたくさん集まると水のプラスに偏った部分とマイナスに偏った部分が互いに引き合って、結合を生じます。この結合を「水素結合」といって、氷はこの水素結合が強固になって水分子の位置が固定されて出来ています。また、水蒸気は分子が激しく動く事によって、水素結合が弱くなって、分子がバラバラになった状態です。

極性(水素結合)を持つものの特徴に「沸点が高くなる」というものがあります。これは水素結合がないものに比べ、あるものの方が、分子がバラバラになりにくいためです。

勿論、水も沸点が高く、もし水が極性を持っていなかったら、地球上の水は全て気体となって、液体の「水」は存在していません。すると、生物の「基」となるものも発生せず、私たちも存在していない事になります。

こう考えると、水って素晴らしいと思いませんか?
(貴田浩之【2期塾生】)