_blank
     
昨日の貴田くんの「水」に関するひとことに寄せて
【今日のひとこと】 2008年7月23日

7月22日付の貴田浩之君(=先日会ったばかりですね)の「今日のひとこと」の続きとして…

世の中のほとんどの物質は、ふつう固体より液体の体積が大きく、液体より気体の体積が相当大きくなります(どの状態にしても質量は変わらないことも学びました)。温度を上げていくと体積が大きくなるといえます。ロウで実験したとおり、固体になるとき液面中央部がへこみ体積が減少することが分かります。金属を加熱して液体にし、型に注ぐと冷えて固体に戻る際に体積がわずかに減るので、型から取り出すことができるのです。

またロウの実験の際、体積変化以外に観察して(気づいて)ほしいのは、ロウが融けていく途中、融けた液体のロウの中に、融けかけた固体のロウが沈むのです。これは液体よりも固体の方の密度が大きいことを示しています(密度=質量÷体積ですから、体積が小さいほど密度が大きくなりますね)。

しかし、水は例外で(液体より気体の体積が相当大きくなることは同じですが)、液体より固体の体積のほうが大きくなるのです。これは、製氷皿という「型」の中で出来た氷が取り出しにくくなることや、ペットボトルに入れた水がパンパンにふくらむ実体験からもわかることです。また、ロウとは逆に、水(液体)に氷(固体)が浮くことからも証明できます。水より氷の体積が大きいので、密度が小さくなり浮くのです。

このことにより、池や湖の表面から氷が張りそれが沈まないこと、氷山が浮かんでくれることで、恩恵を受けているものも多いと考えられます。(水以外にも一部の物質は例外的に固体の体積が大きくなりますがほんのわずかであって、水のように9%も体積が増えるのは特例=異常なことです。)

密度の話のついでに、水銀に鉄を入れると浮かぶことは有名ですが、同様にエタノール(アルコール)に氷を入れてみましょう。起こったことを考察後、エタノールと水の密度を調べてみましょう(まだやったことの無い人は、学校の理科の先生にお願いしてやらせてもらいましょう)。

℃で表されるセルシウス氏(=だからセッ氏)が考えたとされる温度計の歴史(水の融点と沸点がもともとはピッタリ0℃と100℃なのはなぜか)も調べると面白いですし、何℃以上をみんなはお湯というのか(とらえているのか)や、なぜ水で火を消すことが出来るのかなど、水については科学的なさまざまなネタがあります。

ロウは、固体でも液体でも気体でも(ロウの液体・ロウの気体というように)ロウといい、鉄や窒素でも同じことですが、水は水の固体・水の気体とは言わずに身近なものであるが故、それぞれ氷・水蒸気という呼び名があります。二酸化炭素の固体もドライアイスという別名をもっていますが、他に思いつくものはありますか?

また、かなり多くの物質をかなりの量溶かして水溶液にすることが出来ます。温めにくく冷めにくいことも特徴です。夏の砂浜や車体は熱いのに水はあまり熱くなく、バイクで走っていると夏でも川を渡る時は温度が低いことがわかり、お湯を沸かしたやかんは、お湯を空ければすぐに冷めるのにお湯はなかなか冷めませんね。

1分野に限らず、小学校と中1で学ぶ流水のはたらき(侵食・運搬・堆積)や、惑星に水があれば生物がいる・いたかもしれないという話題もあります。

いくつもの身近な例を挙げてみましたが、こういった身近な現象を科学的に捉え考察することを楽しんでください。

もっとも身近で且つ、特殊性をもった水については、ぜひいろいろ調べ、研究の対象としても考えてみてください。
(牧野 崇・品川区立荏原第一中学校教諭)