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粘菌(変形菌) |
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粘菌・変形菌を知っていますか?
モジホコリ(旧モジホコリカビ)やムラサキホコリ(旧ムラサキホコリカビ)などが代表的なものです。落ち葉・枯れ木・朽ち木の表面に網目状に広がるそれらの「屈曲子嚢体」を林の中で見かけることがあります。
知ってはいたものの、かなり以前にテレビで長時間撮影したものを短時間再生(早回し)した動画を見たときに驚きました。林床そして朽ち木をまたいで粘菌が動いていく映像でした。
粘菌は、胞子で繁殖します。カビ・キノコと同じような子実体ができ、その中の胞子が風に飛ばされると、「粘菌アメーバ」などとよばれるアメーバになり、細菌を食べながら移動します。すると今度はアメーバが集まって「変形体」とよばれるものになり、網目状などに広がりながら、さらに細菌を食べ、林の中を移動していくのです。(這い回るとか、細菌を舐め取りながら進むといったイメージです。)私の見た動画はこのときの様子だったのです。
せいぜい1時間に数cm程度の速さで動くので、見かけても動いているとは気づきません。そのうちに風の当たる場所でまたキノコ状の子実体そしてその中に胞子をつくり始めるのです。
この原稿を書くにあたって、動画等が無いか調べてみたところ、国立科学博物館の研究活動のページにたどりつきました。
http://research.kahaku.go.jp/botany/henkeikin/index.html
ここには、なんと変形菌の飼い方まで載っています。南方熊楠(みなかたくまぐす)が研究対象としたことでも有名です。
皆さんもいろいろと調べ、探してみませんか。 |
(牧野崇・品川区立荏原第一中学校教諭) |
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