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ミレニアム開発目標達成への折り返し地点
~目標5「妊産婦の健康の改善」の達成をめざして~
【今日のひとこと】 2008年8月01日

2008年も半分が過ぎました。今年は、2015年までの達成を目指すミレニアム開発目標(MDGs)の折り返し年でもあります。これに合わせ、来る9月25日には、ニューヨークで「ミレニアム開発目標に関するハイレベル会合」が国連総会と並行して開催されます。

ミレニアム開発目標には8つ目標があります。現在、達成に向けて順調に成果を上げているものがある一方で、進捗が大幅に遅れているものもあります。特に達成が危ぶまれているのは目標5の「妊産婦の健康の改善」です。この目標の進捗状況を測るターゲットは、(1)「2015年までに妊産婦の死亡率を4分の3減少させる」と、(2)「誰もがリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)関連のケアやサービスが受けられるようになる」の2つです。

ターゲット(1)を具体的にみると、世界の妊産婦死亡数は年間53万6千人にのぼり、今も世界のどこかで、1分に1人の妊産婦が命を落としています。妊産婦死亡数の97%が75カ国でおこり、また、その半数はアフリカ諸国です。2005年のサハラ以南のアフリカ地域における妊産婦死亡率は900で、2015年までの目標値230の達成のためには、今まで以上の取組みが必要とされています(右図参照)。こうした現状をふまえ、9月のハイレベル会合では、今後の具体的対策が話し合われる予定です。

日本は今年、第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)とG8洞爺湖サミットの開催国として、国際社会でリーダーシップを発揮してきました。アフリカ開発会議の福田首相の開会スピーチ、「横浜宣言」や「横浜行動計画」、そして「G8北海道洞爺湖サミット首脳宣言」において、母子保健、特にリプロダクティブ・ヘルス/ライツへの取組みの重要性が強調されています。2015年までに目標5を達成するためにも、これらの成果文書を活かした日本の今後の活躍が期待されているのです。

引き続き、国連人口基金はリプロダクティブ・ヘルス/ライツの推進に尽力してまいります。皆様のご支援ご協力を宜しくお願い申し上げます。
(池上清子 ・国連人口基金東京事務所長)