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セレンディピティー
【今日のひとこと】 2008年8月20日

皆さん、こんにちは。第3回夏合宿でお話をしました荒蒔です。昼食もご一緒し、皆さんと楽しく交流することができました。夏合宿では、もっと皆さんと質問や意見のやり取りをしたかったのですが、時間がなくなってしまいました。

今回、「今日のひとこと」という機会をいただきましたので、皆さんからの意見などをもらえるとうれしいです。

皆さん、「セレンディピティー」という言葉を知っていますか?辞書で引くと、“偶然に幸運な予想外の発見をする才能”とされています。

フレミングが、ペトリ皿上の細菌のコロニーに飛び込んだカビの固まりが透明になっていることからペニシリンを発見したこと、メストラルが、洋服にくっついたイガ(栗などを包んでいるとげのある外皮)からマジックテープを考えついたこと、乳搾りの人たちで牛痘症にかかった人は天然痘にならないと聞いたジェンナーが、ワクチン接種法を考えたこと、・・・など、偶然に近いと考えられている発明・発見は多くあります。

しかし、これらは本当に単なる“偶然”や“幸運”で片付けてしまってよいのでしょうか?

物事を深く鋭く観察し、変化をしっかりと捉えて、その原因を考え抜く姿勢こそが大きな発見を呼び込むことになるのです。表面だけの観察では、変化の本質はつかめず、発見にもつながりません。

『観察の場では、幸運は待ち受ける心構え次第である』ルイ・パスツールの残したこの言葉をかみしめたいものです。
(荒蒔康一郎・キリンホールディングス会長)