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戦争と科学
【今日のひとこと】 2008年9月25日

今回の投稿は前回とうってかわって、理科(科学)とは直接関係のあることではありません。しかし、とても重要なテーマだと感じますし、考えてみると意外と面白いテーマなので、書いてみました。

いきなりですが、「戦争=悪」は必ず成り立つ事なのでしょうか?

例えば、独立戦争を考えてみてください。独立戦争は、支配している側からしてみれば、「悪」ですが、独立する側から考えてみると、自分達の自由を勝ち取るための「正義」となります。

結局、個々の戦争の善悪は立場の違いで判断が分かれるので、そう簡単には善悪は決定できないと思います(これは戦争自体が「武力的」政治手段だという事に起因していると思われます)。

ところで、去年の第2回「創造性の育成塾」の最終日「有馬先生を囲む会」において「科学は戦争などの形で結果的に人類を滅ぼしてはいるのではないか」と僕は有馬先生に質問しました。すると、「確かに科学にはそういう一面があるが、しかし、科学で救われる人もいる。科学がなければ、そういった人々も救われない。だからこそ、科学を戦争に持ち込んではいけない。」とおっしゃられました。

このことは色々な意味で僕にインパクトを与えました。このテーマについて考え始めた事もこの有馬先生の回答に感銘したためです。

その後、色々と考えるうちにこんな問題を思いつきました。さて、ここで本題です。次の問題を考えてみてください。

『もし、日本国が侵略を受けているとして、日本国自身でのみ、その国を守らざるを得ないとします。あなたは科学者で、あなたが発明した技術を用いれば、日本国は勝って国は守れるが、用いなければ、日本国は負けて、自分も死んでしまうかもしれない。さてあなたはどうしますか?』

ちなみに、基本的に戦争は、国同士の政治的駆け引きの最終手段なので、国同士が交渉して戦争が解決するという事はないとします(少々、意地悪なようですが)。

理科とは全然違う方向の話題で、かつ難しい問題だと思いますが、考えてみてください。できれば、家族や友達とも一緒にこの問題を考えてみてください。ちなみに僕も答えが出せていません。

(参考図書)綜合社 『永遠平和のために』(著者:イマヌエル・カント 訳者:池内紀):
非常に面白い本です。上記の問題の答えは載っていないかもしれませんが、とても参考になると思います。ぜひ、読んでみてください。
(貴田浩之・2期生)