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無細胞タンパク質合成法

【今日のひとこと】 2008年10月06日

9月27日に、松山で「プロテイン☆アイランド☆松山 国際シンポジウム2008」という催しがありました。

タンパク質について愛媛大学の先生方が語ってくれました。そのプログラムの中には実験もあり、そのうちのひとつが、「試験管の中でタンパク質を作ろう」というものでした。

これは「無細胞タンパク質合成法」という技術で、愛媛大学の遠藤弥重太教授が2001年に開発した方法です。今まではタンパク質合成といえば大腸菌などを使っていましたが、「無細胞合成法」は生物抜きで合成するので、生き物に危険なたんぱく質も作れるのです。方法は結構簡単で、メッセンジャーRNA(設計図)とアミノ酸20種類(材料)とリボゾーム(翻訳装置)をまぜてあとは待つだけです。

遠藤教授の何がすごいかというと、このリボゾームを小麦から純粋に取り出したことです。多くの研究者がこれに挑戦しましたがタンパク質は合成されずにあきらめたそうです。しかし遠藤教授は小麦にタンパク質合成を阻害する物質があることに気づき、それを取り除いた“胚芽”で見事合成に成功したとのことです。

これについての説明はあまりありませんでしたが、もともと遠藤先生はこの物質について研究されていたそうで、やはり偉大な発明や発見は単なるひらめきだけではないということでしょうか。

実験以外の先生のお話も面白く、「宗教、感情、芸術もすべてタンパク質の化学反応によって生まれた!」と、タンパク質のスゴさを力説しておられました。育成塾で感じた「へ~、そうなんだ!!」という驚きを久しぶりに感じました。
(野田 康平・3期塾生)