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10月4日(土) ツクツクホウシ(セミ)が鳴いている

【今日のひとこと】 2008年10月07日

今日は、休みだけれど学校で仕事している。今は昼の12時半頃、職員室でパソコンを打っているが、もう10月なのにツクツクホウシが鳴いている。東京は最近、朝晩はけっこう涼しい(寒いぐらい)が、日中の今は少し蒸し暑い。涼しいとセミは鳴かないで、気温が上がってくると鳴く。さすがにこの季節、もうほかのセミは鳴いていない。いつまで鳴くのか注意していようと思っている。

東京では、夏のはじめ(7月中~下旬頃)ニイニイゼミが鳴き始める。そのあとヒグラシ(最近は少なくなった)が鳴き、しばらくしてミンミンゼミ(最近多い)やアブラゼミがうるさいぐらいにいっせいに鳴く。たまにクマゼミが鳴くこともある。やがて夏の終わり頃(8月中旬~下旬頃)ツクツクホウシが鳴きはじめる。9月はツクツクホシの大合唱である。そして秋になるとセミはいなくなる。これが毎年くりかえされている。もう長い間ずっと…。

ところが今年はおかしなことがあった。夏休みがはじまってすぐの7月下旬、ツクツクホウシが何匹か鳴き始めたのである。このセミが鳴くのには、早すぎる時期にである。同じ頃、7月に海水浴にでかけた多くの人がクラゲ(アンドンクラゲなど)に刺されたことが、テレビでニュースとして流れた。ふつうアンドンクラゲなどが多く発生してくるのは、8月15日前後のお盆頃からである。今年はこれが早かった。

私は勤めている学校で、生物部の顧問をしている。夏休みの生物部の活動日に中2の女子部員Mさんが、私に「先生、7月にツクツクホウシが鳴くことはあるんですか?」と質問してきた。さすがに生物部員の彼女はツクツクホウシのはや鳴きに気づいた。私は「ふつうはないな。うーん、今年は涼しくなるのが早いかもしれないね。」と答えた。Mさんは「えー、やだー。」といった。そのときはそれで終わってしまったが、今年は涼しくなるのが早いのかもしれないと思っていた。

今年、東京は8月17日頃、一度すごく涼しくなった。まるで秋がいっぺんにきてしまったみたいに。その後また暑くなったが、9月は雨が続いたり、涼しい日(寒いくらいの日もあった)があったりで、不安定な気候だった。夏の暑い日が続かず、夏の終わりも早かったように感じた。いつもの年と違って、ツクツクホウシの鳴きはじめやクラゲの発生が早かったことが、私たちに、いつもの年とちがう気候やその変化を教えてくれていたことをあらためて感じた。身のまわりの生物のようすを知ることで、身近な環境の変化が予測できることを思い直している。
(金井塚恭裕・新宿区立落合中学校教諭)