_blank
     

エコラン報告

【今日のひとこと】 2008年11月06日

エコランが無事終了しました。記録は、予選が206㎞/l、決勝は165km/lでした。結果としては、中学20チーム中12位(ただし初参加の学校の中ではトップ)というものでした。また、インジェクションを搭載するなど、積極的な活動を行ったということで、アカデミー賞を受賞しました。

約500チーム、2000人以上が参加し、スタッフや観戦者の数も入れると5000人を超える規模かという感じでした。今年は第28回大会ですが、一度もかかさず第1回の大会から参加しているチームや、ひとつの学校から5チームだしている中学など、さまざまな参加者がいます。軽量化、空力の向上、転がりの改善、エンジン改造など、追求していく部分は無数にあり、参加者同士も盛んに意見交換しながら、よりよい車を作ろうとしています。非常にアットホームな雰囲気で、わからない部分はまわりの経験者に聞きながら、初参加でもおおきな問題なく日程を終えることができました。

 
 出走前
 
 スタート

大会の最高記録は3000㎞/lを越え、中学クラスでも優勝チームは1000㎞/lを越えています。燃費の数値だけをみると、とんでもない車だなと思われるかもしれませんが、一般の乗用車でいう燃費とは少々定義が異なります。エコランカーは、エンジンオフで惰性で走ることが許されているのです。つまり、規定の最低平均速度(もてぎの大会では時速25キロメートル)さえ満たせば、ずっとエンジンをかけている必要はなく、ある程度のスピードが出たところでイグニッションを切り、ある程度まで速度が落ちたら再びエンジンをかけるという操作の繰り返しで競技が進行するのです。

具体的には、40㎞/hくらいでエンジンを切り、20㎞/hほどに落ちたところで再加速、という感じです。我々は、土曜日のフリー走行と予選での走りから、決勝では、40-20で1周目を入り、40-15で数周し、制限時間をみながら40-10をいれようという作戦をたてました。さらに、最高速度でのエンジンの回転数を抑えるため、ゆっくりとスロットルをあけろとドライバーに指示しました。

 
 レース中
 
 ピットの様子(車検合格証とゼッケンがフロントにはられています)

しかし、これは失敗でした。まず、ゆっくりと加速することで、クラッチ(バイクのエンジンを使っているため、遠心式)がつながらない時間が増えてしまい、結果エンジンをふかしている時間が長くなってしまいました。さらに、速度についても、我々の車は、40-20はすぐに落ちるものの、そこから10キロに落ちるまでがかなり長いことが、その後のデータ解析でわかりました。またこのデータは、40-20と比べて、40-15では、加速する時間が長くなったのに対し減速している時間があまり延びておらず、40-10では、加速する時間が長くなったのを上回って減速している時間が延びている可能性を示唆していました。つまり、我々の車は、(1)なるべくスロットルをあけて加速し、(2)40-20でタイムを稼いだうえで40-10の時間を長く、というふうに運転するのがよいということになります。

ドライバーはピットの指示通りに丁寧なドライブをしたので、予選より決勝の記録が落ちたのは完全に作戦ミスでした。しかし、初参加で、またデータを取ることができるような広い練習場所もなかったので、決勝をベストな戦略で走れなかったのも致し方なかったとは思います。

 
最終ラップ
 
ゴール

なにはともあれ、とてもいい経験をしました。ものづくりへの自信もつきました。大会全般、競技規則、我々の車のことなど、どんなことでもいいので、コメントをたくさんいただけるとうれしいです。あらためて今日のひとことに投稿しようと思っています。

エコランHP→http://www.motorsportsplanning.co.jp/ecorun/index.html
(田崎慎太郎・2期塾生)