こんにちは。創造性の育成塾
5期塾生の山田優樹です。
先日、学校の宿題で、仕事に誇りを持っている偉人にインタビューするというものがあり、有馬先生にインタビューをさせていただきました。
インタビューした内容は、先生が理科に興味をもち、研究者を志すようになったきっかけについてです。
先生が理科に興味を持つようになったきっかけは、小学校3年生の時に先生の御両親に買ってもらった「世界の謎」という本だとおっしゃっていました。その本の第一章はエックス線についてで、第二章は生物学について、第三章はロゼッタストーンについてだったらしいです。当時の最先端の科学が子供にも分かりやすく書かれていたので、何回も読んだとおっしゃっていました。
その後、先生は小学校を転校しましたが、転校した先でモーター作りをしたところ先生に褒められ、物を作ることに興味を持ち始めたとおっしゃっていました。
その後小学校5年生まではモーター作りやラジオ作りをして遊んでいたそうです。
小学校6年生の時に再び小学校を転校した先生は、転校先の地区で中学受験が盛んだったため中学受験をすることになり、一年間受験勉強をしたそうです。
先生はその時に今まで作っていたラジオやモーターについての理論を体系的に学ぶことができたそうです。
先生は中学受験に無事合格されて中学に入ってから、モーター、変圧器、真空管ラジオ、望遠鏡などを作り、物を作ることの面白さを知ったとおっしゃっていました。その頃、コンパスと定規だけで任意の角を3等分するという問題や、立方体の体積を2分の1にした立方体の作図などの問題を解いていたそうです。結局、それらの問題を解くことは出来なかったが三角関数を発見したり、考えることの面白さを知ったりしたそうです。
中学校2年生になり、戦争も末期に近付くと勤労動員があり、近所の百姓の仕事を手伝ったり、昼夜三交代制の軍需工場で旋盤の仕事をしたりしていたそうです。それらの経験により、若い時に旋盤を教えたり、田畑を耕したりという職業訓練に関心を持つようになり、のちに文部大臣になった時の政策の基礎となったとおっしゃっていました。
日本が戦争に負け、有馬先生は家が焼かれてしまい本もすべて焼失しまった時に中学の先輩が何冊か読みたかった本を貸してくれたとおっしゃっていました。
その中でも特に先生の印象に残った本は「物理学はいかにして創られたか」という本だったそうです。その本の著者は昔の有馬先生の愛読書であった「世界の謎」という本の著者と一緒でした。
アインシュタインの弟子で優れた理論物理学者だった著者は歌人でもあったので、訳は正確であり流暢でした。そして、アインシュタインによるブラウン運動の解明を初めて理解できたそうです。先生は感銘と昂奮を持って読み、相対論と量子論という現代物理学の美しさを知ったそうです。
敗戦の翌年、先生のお父様がお亡くなりになり極貧生活に入ったそうですが、先生はその本を読んで感激し、是が非でも理論物理を学ぼうと決めたそうです。
そして、受験勉強をして旧制武蔵高等学校に飛び級で入学し、学生時代はさまざまなアルバイトをしてやっとの思いで通っていたとおっしゃっていました。家庭教師や殺虫剤をまくなどのアルバイトをして残りの時間に勉強していたそうです。
その後、先生は東京大学理学部に入学して、理論物理の中の原子核物理学を研究し始めました。3年生の時に素粒子物理と原子核物理の選択希望があり、最初に先生は素粒子物理学を専攻しようとしていたそうです。なぜなら素粒子物理の方が原子核物理より、雑然としていなく体系的であったからだそうです。しかし、山内先生という先生が原子核の講義をしてくださったときに原子核物理の面白さに気付き、原子核物理学を研究する事になったそうです。
これらの内容のインタビューを通して僕が感じたことは大きく2つあります。
1つ目は学生の時に良い本や先生に出会うことの大切さです。
有馬先生の今日の御活躍は、「世界の謎」や「物理学はいかにして創られたか」を読んだことや、有馬先生の御両親や山内先生などの良い先生に巡り合えたことの影響が大きいとおっしゃっていました。
僕は、 小学校のころと比べて中学に入ってからは読書量が減ってしまっているように感じます。いろいろな本を読むことによって人生の選択の幅が広がるので一日数ページでも本を読むことを日課として実践していきたいと思いました。
2つ目はさまざまなことに好奇心を持ち自分で考えたり、行動に移したりすることの重要性です。
先生は戦後あまり何もないところからモーターを作ったり、ラジオを作ったりして楽しんでいました。また、自分で知らないことを調べることによって学ぶことの面白さにも気付いたとおっしゃっていました。
現在僕が入っている化学部では、有馬先生がいる環境より実験やものづくりなどがしやすいはずなのに、実験の回数が少ないです。実験の回数を増やすための努力をしなければと感じました。
最後に、インタビューを受けてくださった有馬先生、どうも有難うございました。
-参考文献-
「回顧と点検」県談:有馬朗人のメモワール
「わが青春」 静岡新聞 平成3年10月29日~平成4年2月22日
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