寒い季節がやってきました。皆さん、お元気ですか?
今年度、僕は日本学生科学賞に「銅樹を大きく成長させる方法」というテーマで参加させていただきましたので、ご報告します。
金属のイオン化傾向の違いを利用すると、ある金属に別の金属を析出(※)させることができます。そして、析出した金属が樹木の枝のように成長したものを「金属樹」と呼びます。金属樹のうち、析出した金属が銅であるもののことを「銅樹」と言います。
僕の研究は、硫酸銅(II)水溶液と亜鉛板を用い、銅樹を大きくさせる方法について調べたものです。
実験は、以下のように行いました。
1) シャーレにろ紙を敷いて硫酸銅(II)水溶液を浸す。
2) 1) のシャーレに亜鉛板を置く。
3) これを数日放置する。
右の写真は、この実験の写真です。
中心にある正方形の金属が亜鉛、亜鉛の周辺の青色は硫酸銅(II)水溶液の色です。亜鉛の周りに成長しているものが銅です。
標準的な銅樹の成長の評価法と実験方法を検討していくうちに、亜鉛板の形が変わると銅樹の成長の仕方が変わることを見つけました。
それについて検討すると、同じ面積で比較した場合、銅樹は亜鉛板が正方形よりも長方形のときにより大きく成長し、辺の長さで比較した場合、正方形よりも正三角形のときにより大きく成長することがわかりました。
千葉県の審査は10月に行われ、「千葉県教育研究会理科教育部会長賞」を戴き、日本学生科学賞に進みました。日本学生科学賞では入賞できませんでしたが、今回、自分の研究を論文という形でまとめ、発表したことは、非常にいい経験になりました。
2年後にもう一度日本学生科学賞に挑戦するつもりです。それまで、実験を積み重ね、努力していきたいと思います。
みなさんは、何かに打ち込んでいますか。是非、何かに打ち込んでみてください。一緒に頑張りましょう。
少し早いですが、よいお年をお迎えください。
※ 析出(せきしゅつ):液状の物質から結晶、または固体状の成分が分離して出てくること
『日本学生科学賞』公式サイト
http://event.yomiuri.co.jp/jssa/index.htm
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