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「創造性の育成塾」同窓会開催、関係者250人集まる

【ニュース】 2009年03月26日

※同窓会様子の動画はこちらから

東京では、待ちわびていた桜の花が少しずつつぼみを開き、いよいよ春の気配が漂ってきました。

そんな中、3月26日、東京都千代田区の科学技術館で、「創造性の育成塾」の同窓会が開かれ、1~3期の塾生と関係者が集まり、応援に駆けつけた豪華な来賓の方との交わりや、仲間との再会を楽しみました。



会場には、北海道から九州まで、全国から来た「創造性の育成塾」塾生と、その保護者、兄弟姉妹、友人ら約250名が集合。
夏合宿以来初めて会う塾生同士も多く、会場内は歓声や再会を喜ぶ声で溢れていました。

最初に、主催者として、有馬朗人・塾長が挨拶。会場の科学技術館の館長でもある有馬先生は、塾生らを「よくいらっしゃいました」と歓迎し、3年にわたり、「創造性の育成塾」が運営できてきていることに感謝を述べ、今年、来年と、さらに幅広いテーマを取り上げて、科学に興味を持つ若い人を育てたいと話しました。

続いて、来賓として塩谷立・文部科学大臣、野田聖子・科学技術政策担当大臣、小林誠・ノーベル物理学賞受賞者が挨拶。それぞれ、「今年は学習指導要領も新しくなることもあり、基礎科学強化年として、理科教育に特に力を入れていきたい。皆さんには、この塾で培った創造力を大いに発揮してもらいたい」(塩谷立・文部科学大臣)、「今までの10年に、本当に様々な技術が目覚ましい発展を遂げてきた。ここにいる人たちは、これからの10年を担ってくれる人たちだと思う。これからも科学への興味を持ち、貢献してもらいたい」(野田聖子・科学技術政策担当大臣)、「科学者として一番大切なのは探究心。そして同じくらい大切なのが基本的な知識を身につけること。今は身につけなければいけないことが非常に多いが、頑張って身につけてもらいたい。そして、育成塾で芽生えたであろう探究心を大切にして、ぜひ研究者になってもらいたい」(小林誠・ノーベル物理学賞受賞者)と述べ、若い科学者、技術者の可能性を秘めた塾生たちを励ましました。

その後、第1回「創造性の育成塾」夏合宿の際に講師としてお招きした小柴昌俊・ノーベル物理学賞受賞者が、「私にもまだまだやりたいことや夢があります」と話し、「欧米には、各地でエネルギー加速器などの施設をもとに最新の研究が進んでいる。そういうものを身近に見てきた若者達が興味を持って育つから、今まで基礎科学は欧米で進化してきた。今後は、アジアでも科学を発展させていくために、まず、アジアに大型エネルギー加速器を設置したい」と語り、塾生たちに向かって、「今世紀の科学は自分達が背負っていくという気概を持ってもらいたい」と鼓舞しました。


このほかにも、乾杯の挨拶に塩川正十郎・東洋大学総長、また、中西友子・東京大学教授、外村彰・日立製作所フェロー、鳥居邦夫・味の素ライフサイエンス研究所上席理事、米村伝次郎・サイエンスプロデューサーなど、これまで「創造性の育成塾」で講師にお招きした方や、科学、理科に造詣の深い方々がずらり。普段身近に話すことのできない貴重な機会に、塾生たちは一緒に写真を撮ったり質問したりと、積極的に交流を持っていました。

生物学オリンピック日本代表中山くんを改めて祝福
また、今回の同窓会では、1期塾生の中山敦仁くんが、今年7月に茨城県つくばで開かれる、第20回国際生物学オリンピックの日本代表4名の中に選ばれたことを改めて祝福。 中山くんは、科学オリンピックにチャレンジしていて良かったこととして、1.勉強する明確な目標ができる、2.設備や先生など、特別な環境がなくても勉強ができる、3.日本中の優秀な人と会える、ということを挙げ、「中学、高校の生活の中で、スポーツや文学など、何かに熱心に取り組むということは素晴らしいことだと思います。科学オリンピックにチャレンジすることもその一つだと思うので、皆さんも、ぜひ体験してください。意外に熱くなります」と、科学オリンピックチャレンジを促し、挨拶しました。


「青少年のための理科創造フォーラムin東京」~考えよう!地球の未来~が同時開催
また、この日の同窓会の前には、同じく科学技術館のサイエンスホールにおいて、NPO法人ネットジャーナリスト協会の「地球を考える会」が主催する、「青少年のための理科創造フォーラムin東京」~考えよう!地球の未来~が開かれました。

有馬先生が、「考えよう!地球の未来」というテーマで基調講演。児嶋眞平・京都大学名誉教授・福井大学前学長、元村有希子・毎日新聞科学環境部記者、龍崎邦雄・全国中学校理科教育研究会顧問をお招きし、それぞれの立場から見た理科の学習や教育を紹介しました。

フォーラムの詳細や、動画配信はこちらから→http://enecon.netj.or.jp/forum02/onair.html

フォーラムで理科・科学のさまざまな側面を学び、同窓会で著名な方々と身近に交わり、また、共に学んだ仲間ともさらに交流を深めた塾生たち。会場ではたくさんの笑顔が見られ、参加した塾生からは、「自分も科学オリンピックにチャレンジします」「理科って良いなと思いました」「先生方の気持ちが伝わって、感銘を受けました」など、希望に満ちた言葉が聞かれました。今後も、「創造性の育成塾」の様々なつながりを通して、興味や知識の幅を広げ、科学立国としての日本を担っていくことが期待されます。
(事務局:伊奈恵子)