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「夏合宿」講師・講義テーマ紹介(1) 最新技術の開発者ずらり
【ニュース】 2009年7月28日

「創造性の育成塾」の第4回夏合宿(8月3日~11日・今年のテーマは発明・発見)まで、いよいよ1週間を切りました。

今日は、夏合宿の主な講師の皆さんをご紹介いたします。

<講義>
西澤 潤一 前首都大学東京学長 東北大学名誉教授
「光で話しをする」







工学博士。専門は電子工学・通信工学で、電子材料の基礎的性質を研究し、半導体レーザーをはじめ、光通信に必要な発案をした。また静電誘導電界効果トランジスタ(SIT)、高輝度発光ダイオードなどを発明し、独創的な業績をあげ、半導体研究をリードした。1974年「半導体およびトランジスタに関する研究」で日本学士院賞、80年大河内記念技術賞を受賞、83年文化功労者、89年文化勲章を受章。また99年には日本人初のエジソンメダルを受賞した。
IEEE(アイトリプルイー、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. アメリカ合衆国に本部を持つ電気・電子技術の学会)は彼の名を冠したJun-ichi Nishizawa Medalを設けている。これは常設メダルであり、電子工学部門では最高レベルの栄誉とされる。ミスター半導体とも呼ばれる。

軽部 征夫 東京工科大学学長 東京大学名誉教授
「生物の優れた機能を応用する」






工学博士。独立行政法人 産業技術総合研究所 産学官連携推進部門 連携研究体 バイオ技術産業化センターセンター長。バイオニクス(生体工学  科学的方法や自然界にあるシステムを応用して、工学システムや最新テクノロジーの設計や研究を行う学問領域)の第一人者。
過去の、超高感度免疫反応の研究、土壌診断用バイオセンサの研究開発、健康食品の分析法の開発等で、日本化学会学術賞、フランス政府教育功労章、発明協会発明賞、バイオセンサー国際賞、文部科学大臣賞受賞等多数受賞。

岩崎 俊一 
東北工業大学理事長 東北大学名誉教授 
「磁気と情報 -磁気記録の進歩-」




工学博士。専門は電気工学で、情報の磁気記録が主な研究分野。昭和24年、東京通信工業株式会社(現ソニー)入社、その後昭和26年に助手として東北大学電気通信研究所に就任。助教授、教授、所長を経て、現職に至る。現在、ハードディスクやオーディオプレーヤーで使われている、垂直磁気記録方式の提唱者として知られる。この磁気記録方式で、日本学士院賞、科学技術庁長官賞(科学技術功労者)等、多くの賞を受賞。文化功労者。日本学士院会員。

飯島 澄男 名城大学教授
「カーボンナノチューブの発見」 





物理学者および化学者。独立行政法人産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターセンター長。新エネルギー・産業技術総合開発機構カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクトリーダー。文化功労者、日本学士院恩賜賞受賞。カーボンナノチューブの発見(1991年)と電子顕微鏡による構造決定の仕事にて、世界的に有名になった。金の原子がアメーバのように動く金超微粒子の“構造ゆらぎ”現象を発見(1984年)。ノーベル化学賞の有力候補とも見られている。

※カーボンナノチューブ:炭素の同素体。「カーボン=炭素」「ナノ=ナノメートル(nm)」「チューブ=円筒」と3つの言葉を合わせた言葉。炭素原子が網目のように結びついて筒状になったもので、直径はナノメートル単位ととても細く、人の髪の毛の5万分の1の太さ。

坂村 健 東京大学教授
「ユビキタス・コンピューティング-どこでもコンピュータの世界-」




情報工学者。工学博士。専門は電脳建築学(コンピュータ・アーキテクチャ)、情報工学。コンピューターアーキテクチャ「TRON(The Realtime Operating system Nucleas)プロジェクト」の提唱者でプロジェクトリーダー。
まったく新しい概念によるコンピュータ体系を構築して世界の注目を集める。現在、TRONは携帯電話をはじめとしてデジタルカメラ、FAX、車のエンジン制御と、世界でもっとも使われており、ユビキタス(どこでも)コンピューティング環境を実現する重要な組込OSとなっている。さらに、コンピュータを使った電気製品、家具、住宅、ビル、都市、ミュージアムなど広範なデザイン展開を行っている。2003年紫綬褒章受賞。

末松 安晴 東京工業大学元学長 国立情報学研究所顧問
「世界を結ぶ光 ~通信の発達~」






情報工学者。工学博士。光通信技術研究の第一人者、先駆者であり、1960年代より半導体レーザー、光ファイバーの研究を行なう。長波長単一モード光ファイバー伝送、半導体レーザ、光集積回路、光伝送路に関しての先駆的な研究を行い、これらの研究は、現在の高度情報化社会の発展に寄与している。
1996年紫綬褒章受章。文化功労者。
外村 彰 日立・フェロー
「好奇心があるから前へ進める」






物理学者。工学博士。理学博士。独立行政法人理化学研究所 フロンティア研究システム単量子操作研究グループ グループディレクター。
電子線の干渉による顕微鏡像を得る「電子線フォログラフィー」で先駆的な業績を挙げ、世界で初めて実用化に成功。他にも強磁性体中の磁力線の直接観察、超伝導体中の磁束量子が移動する様子を世界で初めて観察するなど、電子顕微鏡学で大きな業績を挙げている。
日本学士院恩賜賞。文化功労者。日本学士院会員。

津田 雄一 JAXA 宇宙科学研究本部宇宙航行システム系
「小惑星探査機・はやぶさの冒険」





工学博士。東京大学在籍中に、超小型衛星「キューブサット」の開発にプロジェクトマネージャーとして携わり、2004年に世界で初めてキューブサットの打ち上げに成功。今や世界中の大学が開発にしのぎを削る、超小型衛星の世界を切り拓くという、先駆的な役割を果たしてきた。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、宇宙機の軌道、誘導、航法、システムを専門にし、どのような宇宙探査機を作り、どのように飛ばすか、ということを研究。日本のH2Aに次ぐ大きさのロケットM-V(ミューファイブ)ロケットの制御系開発を担当した他、小惑星サンプルリータンミッション「はやぶさ」の運用に打ち上げ当初から携わる。来年打ち上がるソーラーセイル技術実証ミッション「イカロス」のサブプロジェクトマネージャー。

的川 泰宣 JAXA 技術参与・名誉教授 
「アポロとソユーズの軌跡」





宇宙工学者。工学博士。専門は、軌道工学、システム工学。
東大工学部航空学科宇宙工学コースを第一期生として卒業。日本初の人工衛星「おおすみ」の打上げに貢献。
ミュー(M)ロケットの改良、数々の科学衛星の誕生に活躍し、1980年代には、日本初の地球脱出ミッションであるハレー彗星探査計画に中心的なメンバーとして尽力。探査機の飛翔計画の策定、大型ロケットの設計に一貫して活躍した。宇宙科学の国際協力、日本の宇宙開発の広報活動に広く活躍した。宇宙科学研究所対外協力室長、鹿児島宇宙空間観測所長、日本航空宇宙学会長等を歴任。


<講話>
石和 貞男 お茶の水女子大学名誉教授
国際生物学オリンピック日本委員会・運営委員長
日本遺伝子学会前会長。専門は、ショウジョウバエの遺伝子の研究。
「科学オリンピックの目指すもの」

塩川 正十郎

東洋大学総長
元財務大臣
「私の偉人伝」

立川 敬二

(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長
工学博士
日本電電公社(現在のNTT)に入社。NTTアメリカ社長、NTT移動通信網(現NTTドコモ)代表取締役社長などを歴任。2004年、JAXA理事長に就任
「日本の宇宙活動」


榊原 定征

東レ㈱ 社長
日本経団連副会長
総合科学技術会議議員
「炭素繊維にかける夢」


宮本 政臣

武田薬品工業㈱ 医薬研究本部副本部長
薬学博士
日本薬理学会理事
「自然な眠りを求めて -ロゼレムの研究開発-」


<実験>
パナソニック㈱ リスーピアチーム 「磁石の不思議な世界」「びっくり!ドッキリ!大気圧!!」


<全国中学校理科教育研究会メンバーの「実験」・「講義」>
山口晃弘 品川区立小中一貫校日野学園副校長
講義・「誕生日が同じ」

まだまだ、後半の講師の方の紹介は、(2)に続きます。

これらの授業の様子は、毎日インターネット上でのライブ配信、また記事による報告が予定されています。
皆さん、ご期待ください。

(事務局:伊奈恵子)