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夏合宿 塾生によるまとめ 2
【今日のひとこと】 2008年8月18日

「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「生物」をテーマとした第3回夏合宿で、利根川進・ノーベル生理学医学賞受賞者、毛利衛・日本未来科学館館長、宇宙飛行士を始めとする、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、9日間を過ごした塾生の感想文を掲載します。

育成塾に来て思ったこと
僕が、なぜこの創造性の育成塾に参加しようと思ったのかというと、学校の授業だけでない科学の授業ということと、講義・実験をなさる先生方が、著名な方ばかりという貴重な体験を得られると思ったからです。

今回の創造性の育成塾のテーマは生物だったが、僕は化学も好きである。なので、生物に関わらず講義をなさってくれたのはよかった。
それらの講義の中で印象に残ったことは、四次元の立体や、植物内のイオンの動きをアイソトープで見るだとか、数えられないほどあるが、その中でも特に印象に残ったのが、黒田先生の「生命世界の右と左」という講義だ。分子の一箇所の構造が左右反対になっているだけでその物質が薬にも毒にもなるということや、どのタンパク質も、今のところ「左側」の分子しか発見されていないなど、とても興味深い内容だった。

また、分子の「左側」と「右側」をつくり分ける技術はまだないというので、将来そのようなことも研究できればいいなぁと思った。

これまでの講義・実験から気づかされたことが一つある。それは、今まで常識と思っていたこと、細胞がなぜ動くのか、植物がなぜ水を吸収するのか、赤血球がなぜ酸素を運ぶのかなどと、よくよく考えるとなぜか分からないということが身の回りにはたくさんあるということだ。

最後に、これまで述べてきたことをふまえて、まだおぼろげな将来の夢の「科学者」という夢をより具体的なものにすることや、その将来の夢に向かって、今自分が目標に向かって何をすればいいのかということに活かしていければいいなぁと思いました。
(5番  石田 尭)

合宿に来て…
不安でいっぱいでやって来たこの合宿もあっという間に最後の日になってしまいました。友達もたくさんでき大きなアクシデントも起こらず良かったです。二回程停電は起こりましたが、あれはあれで経験できないことなので楽しかったです。

そしてこの合宿ではたくさんのことを学びました。五分前行動におくれると先生や友達にも迷惑を掛けてしまうから常に時計を見て行動することを心がけました。また早寝早起きをすると朝がとてもすがすがしく迎えられ、富士山の迫力に圧倒されました。普段洗濯をしたことがなく、今回初めてやってみて、母のありがたさも実感しました。

授業では、毛利衛さんの講義が、心に残っています。毛利さんは、たくさんの人に質問を投げかけていて私はいつあてられるんだろうと思いとてもドキドキしていました。毛利さんは日食を見て宇宙飛行士になろうと思ったように私も獣医という夢があるので、毛利さんのように努力して夢をかなえたいです。宇宙という未知の世界にも行ってみたいです。

そしてこの合宿で一番楽しみにしていた富士登山はとても心に残っています。鳥のさえずりや木の香り、溶岩の踏み心地が今でも思い出されます。富士山は鳥肌が立つくらい涼しかったし、あの霧がまるでスプリンクラーのようで寒かったです。富士山にはゴミ袋を持って登ったけどゴミが一つも落ちていなくて本当に美しい山でした。

「創造性の育成塾」は中二の夏休みの最高の思い出です。また来年か再来年にOBとして参加できたらとても幸せです。今年以上に知識を増やしてまたやって来たいです。

ここで教わったことは学校でも生かしたいし、もちろん家での日常生活も自分でできるようにしたいです。九日間という短い間でしたがどうもありがとうございました。
(6番  伊豆ももこ)


創造性の育成塾
「創造性の育成塾」に来て、私はいろんなことを学んだと思います。

一つは、規則正しい生活習慣が身に付いた事です。これは、私にとってすごい進歩だと思います。今まで私は、朝の6時半に起きたこともなかったし、洗たくとかも親にしてもらっていたので、最初はとまどいました。でも、だんだん慣れてきて、洗たくやお風呂の時間も工夫するようになってきました。これは、今後の生活にも生かしていきたいです。

もう1つは、科学的なものの見方が変わりました。今まで何とも思っていなかったことが、急に「これは何でこうなるんだろう?」とか思うようになりました。多くの先生方が、「『なぜ?』と思う心を大切にしなさい」とおっしゃっていましたが、本当にその通りだと思います。これからは、身近なことでも「なぜ?」と思える心を持って生きていきたいです。
また、最初は不安で仕方なかったこの合宿でも、たくさんの思い出ができました。

全国に友達がたくさんできる、という事も、本当にすごいことだと思います。1人だったら正直きつくてやりきれないであろうこの合宿も、友達と一緒だから楽しく授業を受けることができました。

この合宿で出会った人全てにまた再会することは出来ないかもしれないけど、また会いたいと思います。この合宿は、理科の知識もたくさん得る事が出来たけど、それ以外の大切な事もたくさん得る事が出来たと思います。そしてそれは、全て、今後の生活に生かしていけるものだと思います。この普通ではできないような体験と、将来に生かしていけたらと思っています。

9日間という短い間でしたが、どうもありがとうございました。
(7番  伊藤茜)


「創造性の育成塾」感想
「君の呼び掛けに、誰も応えないならば、君よ、我が道を一人行け」とは、詩人タゴールの誌の一節です。私はこの塾に参加して、ここにある様な「周りがどんな反応をしようと、自らやると決意した事を一貫してやり抜く姿勢」を学びました。

今回聴講した中で、多くの講師の方が強調していたのが「身近な現象に疑問を持ち、情熱と執念を持ってそれを粘り強く突き詰める事の重要性」でありました。私は、この心を忘れることなく、飽くなき探究心と首尾一貫した信念で、将来何かしらの形で社会に貢献できる人材に成長していきます。

私事ではありますが、私は現在、同じアリ科に属するアリのコロニーへ社会的規制を行なう種の行動と本能について研究中です。対象となる種の生息個体数が少ないだけでなく、アリの飼育が七面倒な為、研究一年目の昨年は殆ど結果も出ませんでしたが、今年こそは成果を出したいところです。この研究によって、私自身の集中力や一貫性、将来の目標である昆虫研究者の適正が試される事になり、自分に挑戦する絶好の機会と言えましょう。この塾で学んだ事を活かし、出来得る限りの研究成果で、昨年より成長できたと言える様頑張ります。

今日迄数々の講義を受けて、自分の興味のある分野以外にも視野が広がった事も大きな収穫の一つです。以前は、アリの研究も昆虫学の視点からしか見ていませんでしたが、行動パターンを数学的に分析してみたり、個体の識別に化学物質が利用されていたりと、様々な学問が邂逅する局面につき当たっています。

今後は、アリの研究に専念すると共に、この場所で学んだことを胸にしっかりと刻み、自らの知識と頭脳、そしてモノを見る目を磨いていく決意です。
(8番  井戸川直人)