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夏合宿 塾生によるまとめ 9
【今日のひとこと】 2008年8月27日

「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「生物」をテーマとした第3回夏合宿で、利根川進・ノーベル生理学医学賞受賞者、毛利衛・日本未来科学館館長、宇宙飛行士を始めとする、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、9日間を過ごした塾生の感想文を掲載します。

創造性の育成塾
私はハリー・ポッターが大好きです。

そんな書き出しの作文を創造性の育成塾へ送りました。選ばれるなんて思ってもいなかったので、結果が送られてきたときはとても驚きました。同時に、とても嬉しかったことをよく覚えています。

しかし、育成塾の日が近づくにつれて、とても不安が大きくなっていきました。授業についていけるか、初めて会う子たちと友達になれるか…。とにかく、緊張していました。特に、地元の駅から乗った新幹線はとても心細かったです。一人で新幹線に乗ったのは初めてだったので、乗り換えもないのに、「迷ったらどうしよう」とか、「もう家に帰りたい」とか、とてもマイナス思考になっていました。

けれど、研修所に着いて、友達としゃべったり有名な先生のお話を聞いたりしたら、そんな気持ちはふっとんでしまいました。すべてが初めての経験なので、何事も新鮮でおもしろいし、友達との会話も楽しかったからです。「本当に、ここに来て良かった」と、心底思いました。

私は、この合宿に来て、多くのことを学びました。富士山を始め多くの自然があることのありがたさ、規律を守ることの難しさ、大切さ。勉強に取り組む姿勢も、友人を見習ってより良いものにしていきたいです。

ここで経験したことは、必ず自分のためになる、と私は確信しています。創造性の育成塾で得た知識をもとに、更に多くの知識を吸収して未来を切り開いていきたいです。この九日間は、私の大切な宝物になりました。きっと、一生忘れることはないでしょう。こう思えたのも、友達、関係者の方々、先生、そして家族のおかげです。本当にありがとうございました。

この思い出を胸に、未来への道を歩んでいきたいです。
(33番  彦坂知美 )

創造性の育成塾に参加して
創造性の育成塾に参加するにあたって僕は、色々なことを経験し、様々なことを感じた。

まず、参加するときだ。僕には今は、はっきりとした将来の夢や、やりたいことはない。でも、この育成塾に参加してくるみんなは、科学という目的をはっきり持っているのだろうと思っていた。だから僕は、自分のやりたい事、夢などを考えたり、見つけたりする為に、この育成塾に参加しようと思った。

そして、実際に参加してみて、様々なことを感じた。育成塾の先生方は、とても凄い研究をなさっている方ばかりで、考えることが、すごく大きいと思った。

今回のテーマは生物だったが、それ以外のことも、とても面白かった。そして、物理や生物などがあるが、結局これらは全てつながっていて、僕たちが生きている世界は、教科や学問、生活を問わずに全てつながっているのではないかと感じた。

その中で、もっとも僕の印象に残っているのは、先生方が、自分の研究についてお話して下さる時だ。先生方は、何か一つのの大きな目標をたててそれに向かって、努力していっている人たちばかりだと感じた。その目標は、ときに自分の夢であったり、それに一生を懸けるような時もある。僕は、その目標に向かって努力している人があるとするならば、その目標がどんなものでも意味が無いということは無いと思う。逆に考えれば、どんなに意味が無いように思われるようなことでも、必要になる時があるということだ。

また、目標を目指して努力していくことを、高みに近づくという言い方をする時がある。僕は、その高みというもの、自分にとっての高みを知っているということ自体がすごいことだと思う。そして、実際に自分の目標や夢を持ってそれに向かって日々努力、精進している人を見ると「すごいなあ」と感じる。

今回の、育成塾を通して、僕はまず、自分の目標、高みというものを探すことから始めたい。そしてそれを見つけることに今は全力を出したいと思いました。
(34番  日原弘太郎 )


創造性の育成塾に参加して
自分は理科が好きです。小さい頃からずっと科学やパソコンなどの技術に興味があり、そういったイベントにはなるべく積極的に参加していました。しかし、自分の興味と自分の知識、技術に大きな亀裂、食い違いが走っていました。自分の好きなことでも、知識、実力が追いついていなかったのです。それから、自分の周りには自分と同じ様に理科、科学に興味を持っている人は多くはありませんでした。

科学に興味を持っている友達をつくりたい。そういう気持ちと、自分のスキルを上げる為とで私はこの創造性の育成塾に応募しました。そして、受かるとは思ってもみなかったのですが合格する事が出来、自分は創造性の育成塾の塾生となる事が出来ました。

この創造性の育成塾に参加して、自分はずいぶん変わりました。前にあげた自分の実力を上げる事や友達をつくる事はもちろんのこと、それ以外にも自分の興味が広がり、もっと勉強がしたくなりました。自分にとって難しい授業もありましたが、最先端の研究に触れ、精一杯理解しようとした事によって自分が知らなかった分野にも興味を持ち、もっとその事について勉強をしたくなりました。

また、難しくスピードの速い授業を受けた事によって、その理由を考える力や、自分で考え疑う力、ノートを解り易く、より多くの事をコンパクトに書く力等もついたように思います。これらの事はこれから普段の学校の授業でも生かせると思うので、そうして、もっと進んだ勉強をしていきたいと思います。

この塾で学んだ事を生かし、これからはもっと勉強して研究者の道に進みたいと思います。今は沢山の事に興味があって、まだ確実には道は定まらないかもしれないけれど、科学の、研究の道に進んで、自分の好奇心を満たしながら、社会の役にもたてる様な研究をしていきたいと思います。まずその一歩として、家へ帰ったら今回とったノートをまとめ、この塾の中でやりたいと思った実験や調べ物をしたと思います。
(35番  松永夏紀)


育成塾で学んだこと
私はこの夏、創造性の育成塾という場で、改めて生命の不思議さを感じ、それを解明する研究者の方々の話に感動を覚えました。

初日、緊張して果たして自分がここで何か学びとれるか不安だった私ですが、授業が始まると生物の遺伝子や免疫、宇宙への人類の挑戦の歴史など、今まで詳しく聞いたことの無かった壮大な物語の虜になりました。利根川先生の免疫の話では、生物が抗原から身を守る為に何通りもの抗体を作るという興味深いことを知りました。私は、ノーベル賞をもらえるような偉い先生として尊敬していましたが、利根川先生は賞をもらったのは結果であって研究が面白いから続けているとおっしゃいました。私も研究の魅力を自ら実感してみたいと、研究者の職に興味を持ちました。

他にも東大京大の有名な先生方が脳や遺伝の話をして下さり、私の生物への好奇心をよりいっそう高めるものでした。私は、生命が誕生してから今日までの進化の過程や遺伝についてこれからも学んでいくつもりです。

私が大きく影響を受けた授業の一つが黒田先生のキラルの話です。生物界の左右と遺伝の関係がとても面白く、しかも先生のお話が分かりやすかったので感動しました。人のつむじの巻き方はまだよく解明されていないと聞き、いつか研究してみたいと思いました。私は一流の研究者としてご活躍なさっている黒田先生のような女性を尊敬しています。私もいつか先生のようになりたい、という夢ができました。また、石和先生の生物オリンピックへの私たちの可能性について聞き、非常に感動して、生物についてもっと勉強しようという気になりました。

私がもう一つ学んだことは、何人かの先生方がおっしゃっていたように、科学が戦争によって発展するのは好ましくないということです。素晴らしい研究や発見は、人類と自然が共に平和に生きられる地球を維持することに貢献すべきだと知りました。

この育成塾で、興味のなかった宇宙分野に興味がもてたこと、大好きな生物分野を詳しく教えていただいた喜びは一生ものだと思います。この貴重な体験がこれから自分の道を切り開いていく上での自信につながると思います。
(36番  三谷莉永)