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夏合宿 塾生によるまとめ 12 |
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「日本の未来を開き、世界に貢献出来る創造性豊かな中学生の育成」を目的として、開講された「創造性の育成塾」。
「生物」をテーマとした第3回夏合宿で、利根川進・ノーベル生理学医学賞受賞者、毛利衛・日本未来科学館館長、宇宙飛行士を始めとする、今年も豪華な講師陣に恵まれ、充実した9日間を過ごした塾生たち。
彼らが何を学び、何を得たのか、9日間を過ごした塾生の感想文を掲載します。
創造性の育成塾に参加して
私は今回、創造性の育成塾にOBとして参加することができ、本当にうれしかったです。また、参加しなければ経験できないこともたくさんさせていただきました。
授業で一番印象に残っているのは、塩川正十郎先生の授業です。理科の合宿だから、本当に理科漬けの毎日だと思っていたのですが、塩川先生の経済の話を聞いて、今まで真剣に考えることの少ないことを話していただいて政治のことをもっと考えたいと思うようになりました。また、「友達」ではなく「仲間」になることが大事という話もとても感動しました。
実験では、BASFのみなさんの実験がよかったです。今まで聞くばかりで考えることがなかったので自分の頭で考えるいい機会になりました。また、農薬などに関する先入観などをとりのぞくこともできてうれしかったです。他にも、自分できめつけてしまっていることがまだあると思うので、これから自分から調べる姿勢を大切にして、これからに生かせるようにがんばります。また、全体的に授業を聞いていて、宇宙の星のことがすごく面白かったので、これから深く調べたいと思いました。
授業以外の合宿生活全体では、話したことのない三期生のみんなとうまくやっていけるのかとても心配だったのですが、みんなとても良い後輩で、助け合うことを大切にできたし、一期生の先輩達にもいろいろ教えていただけて、去年の二期とはまた違う、今回しか経験できなかったことがたくさんあって本当にうれしかったです。もう、第三回創造性の育成塾は終わっていしまいますが、ここで学んだことは、一生役立つと思います。本当にこの生活はつかれるし、大変なことも多いけど、その分楽しさや発見がたくさんありました。だから、またいつか、創造性の育成塾に参加したいです。
今までこの合宿生活を一緒に過ごしてくれた「友達」ではなく「仲間」と呼べる人たちに「ありがとう」を伝えたいです。
(45番
川本恭子 ) |
創造性の育成塾
今回のテーマは「生物」だったが、どちらかというと「人体」だと思った。
利根川先生の授業は免疫の組み合わせについてだった。人間の体の中で存在しない抗原の分まで抗体が作られていて、また抗原を発見したらその細胞だけが増える、というシステムには驚かされた。
さらに林崎先生のDNAの暗号の授業では、DNAの神秘について教わった。たとえば、DNAで人の性格の一部分が決まってしまう事や、DNAの転写の便利な仕組みのことや数年後には10万円程度で全てのDNAが解析できてしまうことだった。
他にも伊藤先生の脳科学の授業での「モデル」構造など「人体」が中心となっていたのは明らかだと思う。そして、僕がとても強く感じたのは、「生物、特にヒトの体は優れていて、とても複雑かつ便利にできている」ということだ。そして、最先端のロボットなどを研究する時、一番優れている人体をよく研究すれば、もっと技術は進歩するかもしれないと思った。同時に僕は、科学者とてしての、ヒトとしての態度のようなものも強く感じた。
利根川先生の「誰も知らないことを知る興奮」について共感できるところがあり、それを求め続ける研究者としての姿勢はとても尊敬できる。
また、毛利先生や他JAXAの先生の方々が特におっしゃっていたのが「人類を未来につなげていくために新しい環境に挑戦する必要が君たちにはある」と言うことだった。安全である今の環境に甘んじず、危険にもどんどんチャレンジしようと思った。
今年は昨年とは全く違った事を学べていて、とても有意義に感じている。やはり、参加して良かったと思う。
さて、最後はOBとしての役目の話だが、これは果たせていた(スピーチのときの反応を見る限り)と思う。
(46番
貴田浩之) |
第三回創造性の育成塾
二回目の育成塾だった。今回通して考えていたことは、自分の存在についてである。
生物がテーマだった今回、生命の起源や脳の仕組みなど、必然的に人間としての自己を考えさせる内容が多かった。特に伊藤先生の授業では、思考の仕組みについてのわかりやすい説明があり、大変興味深い内容だった。学ぶということは常に脳の活動であるが、思考ということがどういうものか少し理解したことで、学習する際、科学的に有効な方法を使えるとようになったと思う。
また、授業以外では、まわりのOBに刺激をうけた。必ずしも生物学だけではないが、皆それぞれの分野で一生懸命勉強していることが伝わってきた。この環境の中で、いったい自分は何かしているいるだろうか、と何度も振り返った。もちろん、学校の勉強はそれなりに真面目にやっていると思う。だが、自分には何か誇れるものがあるだろうか。ひとつ、自分にしかないものをつくらなければならない。山を下りて家に帰ってからの宿題である。
ところで、昨年と異なり、OBとして参加したことで、いくつか新鮮な体験をした。一つは実験の準備、片付けてある。(特に準備を手伝ったことで)実験をより深く理解できたこともあった。ふたつめは、三期生を盛り上げていくことである。ふざけになっては困るが、おとなしすぎても問題。単に指導するだけではないのが難しい。みっつめは、意見することについてである。OBとして、軽々しくものは言えない。しっかり考えてから、考えを話すよう心がけた。
結局自分は、どんなにすばらしい人になっても、ホモ・サピエンスの一固体にすぎない。人類の役に立つ大発見も、実は子孫繁栄の一手段にすぎない。だから、未来の人類のための仕事をすれば、その内容は何でもいい気がする。だが、自分が興味を持った分野に進んだ人が、より大きな成果を残しているように思えた。だから僕は、とりあえず今、もっとも好きな理科を勉強していこうと思う。
(47番
田崎慎太郎) |
「創造性の育成塾」に参加して
今回は、OBとしての参加で、去年よりは緊張感が少なかったのですが、実験の準備などのお手伝いや、三期生へのアドバイスをしてかなければならないという思いで、少し責任感というものを感じていました。しかし、実際に合宿が始まると、三期生のみなさんも親しくしてくれたり、実験の準備では、普段できないような経験をしたりと、今では凄く楽しい思い出となっています。
そして、今回の講義・実験などの授業は、どれも興味深いものばかりでした。去年は、まだあまり科学についての知識がなく、分からない授業が多くあったのですが、今年は、去年から一年間、たくさんのことを学んできたので、結構理解できるようになり、科学に対しての真の面白さ、というものを肌で感じることができました。
印象に残った授業はたくさんありましたが、一番印象に残ったのが林崎先生の「生命の暗号」についての講義でした。DNAやRNAの実物のペンダントを見て授業を受けると、こんなに小さいものの中に私たち一人一人の情報が入ってるなんて凄いな、と本当に感動しました。そして、もう一つ印象に残ったのは、利根川先生の「人間は一つの目標に向かっていけば凄い力を発揮できる」という言葉でした。私は今、一つの事に熱中しているということがないので、この言葉を聞いて、科学の中で、何か一つ熱中できることを見つけていきたいと思います。
今回の九日間は、去年の九日間よりも、もっと内容の濃いものになりました。しかし、ここで終わるのではなく、今回学んだことを復習して、しっかりと自分のものにできるようにしていきたいと思います。そして、もし来年も参加できるなら、もっと成長して、また参加したいです。
最後に、一緒に九日間を過ごした塾生の皆さん、運営委員の先生方、そして、講師の先生方、本当にありがとうございました。
(48番
福田宏樹) |
育成塾から学んだ大切なこと
私は、インドネシア代表で一人で来ました。最初は、不安でした。でも初日から二日目、三日目と他の塾生と一緒に過ごしたらだいぶ慣れました。みんなやさしくてうれしかったです。だんだん仲良くなっていきました。先生達も、おもしろかったです。日本のシンボルの富士山が見えるので、「あー!日本にいるんだ!」と思いました。
六年ぶりに日本に来て育成塾に参加できて私は、うれしいです。親から離れた事がない私が一人で洗濯している、時間を守っている、かたづけを一人でやっている。これは、私が成長した事。前までは、家の人が全部やってくれていたので一人でやる事はありませんでした。この育成塾で私は、だいぶ自立しました。成長した私の姿をおみやげとしてインドネシアにいる家族に見せてあげたいです。
今回育成塾で生物、宇宙のことを勉強しました。時には、講義、講話、授業がむずかしいと思った時がありました。でも私はインドネシア代表として日本に来たからインドネシアの恥にならないように頑張ろうと気合を入れました。
育成塾で、私はいっぱい大切な事を学びました。知識、友情、思いで、この三つは一生忘れません。
この育成塾で学んだ大切な事、これからインドネシアに帰って親や友達に教えたいです。生物の事や、宇宙の事を学校の先生や友達に教えてインドネシアの子達ともっと深く勉強したいです。この経験を生かしてインドネシアを日本のように発展した国にしたいです。
外国人が一人しかいないのが、すごく不安でした。でも今は、みんなと別れるのが正直つらいです。またみんなに会えるのを楽しみにしています。みなさんありがとうございました。
(49番
アマンダ デ ユウリ) |
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