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第19回 国際生物学オリンピック 国内第2次選抜
【第3回】 2007年12月28日

日本の理数離れが叫ばれ、日本の学力低下が心配された2007年も終わろうとしている中、2008年にインドで行なわれる、第19回国際生物学オリンピックの、日本の代表選手を決める、国内選抜が始まっています。
動画

今回取材したのは、その2次選抜です。12月25日~27日までの2泊3日、東京大学大学院で開かれ、5回の試験に挑みました。応募者1400人から一次選抜で選ばれた25人が、全国から東京に集まりました。

この日の午後の試験のテーマは、「ミジンコの生態学:形態から個体群動態までをつなぐ」。実態顕微鏡と、正立光学顕微鏡を使い、まずはミジンコをスケッチ。部位などを指し示す課題です。試験前には、シャーレの中のミジンコに、「かわいー」と声を上げていた生徒達も、試験が始まると、真剣そのもの。学校ではやったことがないという実験にも、先生の説明を聞き、果敢に取り組んでいました。

その後の、ミジンコの “食べる” 藻類の摂食速度や、ミジンコの動態にいたる考察にも、細かな観察を繰り返しながら、答えを書き込んでいました。試験が終わると、この日は脳と神経が専門の石浦章一東京大学教授の特別講演。わかりやすく、遺伝の話から始められた授業ですが、最後には、先生の専門分野にも及ぶ質問も出ました。

熱心に授業を受け、質問する生徒に、石浦先生も、「こういう人たちが大学に残ってくれたら良い」と生徒達の意欲に感心していました。

この日は毛利秀雄・国際生物学オリンピック日本委員会委員長も出席。日本のこれからの生物学を担う生徒たちに、「このように同じ興味を持つ仲間と集まる機会を大切にしてほしい」と激励を送りました。

その後の懇親会では、第16・17回生物学オリンピック出場選手の佐藤博文君も駆けつけ、後輩を励ましました。全国から集められた25人の共通点は、生物学に大きな興味を持っていること。試験の後にも、「難しかったけど、楽しかった」とその興味は尽きません。 同じ興味を持った仲間と出会えたことが、生徒たちにとって何よりの財産となったようです。

この中から、10人が選ばれ、3月の最終選考によって、4人の日本代表が決まります。
国際生物学オリンピック、メダリストが出ることを期待します。
(事務局:伊奈恵子)
取材協力:国際生物学オリンピック日本委員会・日本科学技術振興財団