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物理・生物学オリンピック昨年代表はどこの大学へ?
【第22回】 2008年5月16日


今回は、科学オリンピック参加者のその後の進路について触れてみます。

科学オリンピックの代表選手として国際大会に出場した生徒達の、今年の進学状況を、事務局の日本科学技術振興財団に伺いました。

昨年の世界物理学オリンピック代表5人のうち、今年高校を卒業した4人は、全員が東京大学に合格。その内2人が理科Ⅰ類、1人が理科Ⅱ類、そしてもう1人は、大阪大学にもAO入試で合格しており、そちらへの進学が決定しているそうです。

昨年の世界生物学オリンピック代表4人は、高校を卒業した2人(他1人は高校3年に進学、1人は高等専門学校4年に進学)のうち、1人は東京大学、1人は筑波大学に進学しているそうです。

いずれも、進学に関しても優秀な成績を修めていますね。

同財団の担当者は、「現在、一般的に理系への進学は、その後の就職環境からネガティブなイメージを持たれがちで、理系の大学進学を躊躇する生徒も多いようですが、科学オリンピックに参加する多くの生徒は、自分の得意分野へと進学しています」と話されていました。

国の科学技術を高めるためにも、理系を志す生徒達の目を摘まないように、理系進学の環境改善が叫ばれています。

ちなみに、科学オリンピック参加者が、その後どんな進路に進んでいるのか、またどんな進路を希望しているのか、数学・化学オリンピック参加者の例をご紹介します。グラフは、2007年10月に実施した、科学技術政策研究所の調査(NISTEP)の結果です。日本における科学オリンピックの歴史がまだあまり長くないため、1990年から実施している数学と、1999年から実施している化学が取り上げられています。



これを見ると、やはり自分の得意分野や、それに近いことを活かしたいと思っている人、実際、専門に学んでいる人が多いのですね。一般に、「科学オリンピック参加者には医学部に進学する者が多い」という漠然とした意見があるそうですが、実際、医学方面に進んでいる人は10%~20%で、そのほかの多くは理数系に進んでいるようです。

日本の国力を高める科学技術。皆さんも、自分の得意分野や、好きな科目で、科学オリンピックに果敢にチャレンジしてください。
(事務局:伊奈恵子)