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生物学オリンピック応募者、前年比約7割増の2400人超!
【第27回】 2008年6月20日


「第1回全国生物学コンテスト・生物チャレンジ2008」の応募が10日、締め切られました。これは、2009年に筑波で開催される、国際生物学オリンピックの日本代表選考会も兼ねているものです。

事務局の日本科学技術振興財団によると、まだ確定ではないものの、現時点での応募総数は2400人超。昨年の応募総数1488人を大幅に上回りました。

この応募者激増の背景について、日本科学技術振興財団、生物学オリンピック日本委員会にお話を伺いました。

最大の要因は、来年の筑波での国際大会開催を盛り上げて、成功させたいという想いのもとに、各組織が連携した取り組みを行なったこと。さらに、今回の募集が、国際大会日本開催を機に、内容を大幅に変えて、「生物チャレンジ」としての、国内の生物学のコンテストとして位置づけたことが挙げられました。

その内容としては、
1. 2次試験に進む人数を25人から80人と大幅に増やし、多くの高校生が実験に触れることができるようにするなど、チャレンジしやすい環境を整えた。
2. 数多くの事前セミナーの展開。
などです。

当HPでも紹介してきたように、生物学オリンピックは、今年になってから全国各地で数多くのハイスクールフォーラムや、シンポジウムなどを開催してきました。これまでにないこれらのイベントが、成果を挙げたといってよいのではないでしょうか。

さらに、今年から、研究者の集まり・生物教育学会、高校の生物の先生達の組織・「各県生物教育研究会」のメンバーらが例年にない協力体制を取り、各県の高校に直接応募を呼びかけることができたそうです。これらのことが、全国から昨年より7割近く多い応募を集める大きな力となったようです。

石和貞男・同オリンピック日本運営委員長は、「これまでは、代表選手の選考を重視し過ぎた。今年からは、生物に関心のある高校生に力をつけてもらう、力試しの機会として生物チャレンジに衣替えした。この趣旨の訴えが、先生達、生徒達に伝わったのでしょう」と、応募者増を喜んでいました。

去年までに、547人(初参加の2005年)、963人(2006年)、1488人(2007年)と着実に応募人数を増やしてきた生物学オリンピック。初の金メダリストを見据え、この大勢の挑戦者の皆さんが、日本の生物学界を盛り上げていってくれることを期待します。

(事務局:伊奈恵子)