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生物チャレンジ2008・1次試験開催
【第31回】 2008年7月22日

全国的に梅雨も明け、暑い夏がやってきました。

生物学オリンピックでは、2009年夏につくばで開催される第20回国際生物学オリンピックに向け、未来の日本代表が、その第一歩を踏み出しました。7月20日、「生物チャレンジ2008・一次試験」が行なわれ、約2500人の応募者が、全国各地68箇所で、筆記試験を受験しました。

都内の会場の一つである、東京理科大学の九段キャンパスを取材しました。40問90分の課題が課せられた一次試験。同会場では、約130名の受験者が訪れ、真剣な表情で問題に向かっていました。

昨年までの生物学オリンピック国内選抜が、「生物チャレンジ」に名前を変え、第1回目となる今年。

(1)全体的なスケジュールの繰上げ、(2)2次選考に進む人数を25名から80名に増加、(3)生物学オリンピックの代表を選ぶための予選ではなく、生物学のコンテストの優秀者がオリンピックに出場するという、根本的なコンセプトの変化、がありました。

この変化に伴い、生物学オリンピック日本委員会では、全国各地でのフォーラムや、各学校への告知などをして、この「生物チャレンジ」開催に向け、盛り上げてきました。

その成果があり、今回の試験には昨年の約7割増の参加者が応募。東京理科大学の会場では、約2割が中学生でした。他の会場では、小学生の応募もあったそうです。

受験者の裾野を広げた今回の一次試験。今までの問題とは何か変化があったのでしょうか。

運営委員会の、作問に携わった嶋田敬三・首都大学東京理工学研究科教授、都築功・東京都立雪谷高校副校長らは、「昨年までに比べ、少し易しいレベルの問題を増やした。特殊知識を持っていないと解けない問題を減らし、基礎がしっかりしていれば、考えて答えを導き出せる問題を増やすことによって、生物学の素質を見ることができるような作問を心がけた。これから出てくる様々な反応を待ち、さらに良い問題作りをしていきたい」と、昨年までとの違いを話しました。


「第19回国際生物学オリンピック、日本代表は全員メダル獲得!
そしてこの日は、第19回国際生物学オリンピックの結果が出る日でもありました。待望の結果は、以下の通りです。

・内海  邑くん 千葉県立東葛飾高校 3年 銀メダル

・海老沼 五百理くん 筑波大学付属駒場高校 3年 銀メダル

・大河原 健太郎くん 麻布高校 2年 銀メダル

・水野 俊一郎くん 福井県立藤島高校 3年 銅メダル


日本代表選手団は、全員がメダル獲得、そして、4回の日本参加の歴史の中で、最高の成績を修めました。真夏のインドでの大会。体調不良など、さまざまなハプニングもあったようですが、これらを乗り越え、4人は見事な結果を出しました。

この4人に続く、熱い想いを持った多くの生物好きが集まった、生物チャレンジ2008。1次試験では約80名が選ばれ、8月21日から24日まで、筑波大学で行なわれる2次の実験試験に進みます。

夏に相応しい熱い大会が、いよいよ始まりました。

(事務局:伊奈恵子)