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科学オリンピック日本開催に向けたシンポジウムが開催
【ニュース】 2008年7月28日

 

2009年夏ににつくばで開かれる国際生物学オリンピック、また、2010年に東京で開かれる国際化学オリンピック、この2つの科学オリンピック日本開催に向けて、科学オリンピックをより広く知ってもらおうと、7月26日、東京千代田区の科学技術館で、「国際科学オリンピック・日本開催シンポジウム」が開かれました。

この日は、国際生物学オリンピック2009・組織委員会副委員長の浅島誠・東京大学副学長(この夏の、第3回「創造性の育成塾」夏合宿でも講演予定)が講演と、この7月の世界大会の結果報告がありました。浅島先生は、「生物のもつ不思議さと面白さ」というテーマで、自身の研究を振り返り、カエルを使った再生医療の研究に触れ、また、出身である佐渡島での幼少期を振り返り、自然から感銘を受けて生物学を学ぶことの大切さを語りました。

また、会場に来ていた中・高生に向け、「若い人に、夢を持って、まだまだたくさんあるおもしろいことにチャレンジし、次の世代を担ってもらいたい」とメッセージを送りました。

7月開催のオリンピック国際大会の結果を報告

その後、7月に結果が出たばかりの科学オリンピック国際大会の参加報告がされました。
報告された国際大会の結果は以下の通り。





第49回国際数学オリンピック(スペイン大会7/10~22)
97カ国535名参加
副島 真 筑波大学附属駒場高等学校 2年 金メダル
関 典史 灘高等学校 3年 金メダル
今村 志郎 灘高等学校 2年 銀メダル
保坂 和宏 開成高等学校 2年 銀メダル
浅野 知紘 灘高等学校 3年 銀メダル
滝聞 太基 筑波大学附属駒場高等学校 2年 銅メダル


第40回国際化学オリンピック(ハンガリー大会7/12~21)
66カ国257名参加
東 星一 灘高等学校(兵庫県) 3年 銅メダル
小澤 直也 駒場東邦高等学校(東京都) 2年 銅メダル
鈴木 裕太 宮城県仙台第二高等学校(宮城県) 3年 銅メダル
福井 識人 灘高等学校(兵庫県) 3年 銅メダル


第19回国際生物学オリンピック(インド大会7/13~20)
55カ国220名参加
内海 邑 千葉県立東葛飾高校 3年 銀メダル
海老沼 五百理 筑波大学付属駒場高校 3年 銀メダル
大河原 健太郎 麻布高校 2年 銀メダル
水野 俊一郎 福井県立藤島高校 3年 銅メダル


関くん(数学)、小澤くん(化学)、内海くん(生物学)が、引率の先生と共に、それぞれのオリンピックの参加報告と参加の勧めに駆けつけました。

数学オリンピック金メダル・関典史くん
化学オリンピック銅メダル・小澤直也くん
生物学オリンピック銀メダル・内海邑くん

それぞれ、
「去年よりも問題は易しかった。金メダルが取れて嬉しい」(関くん)
「他の国の人たちは実験の手際が良かった。来年も参加したい」(小澤くん)
「問題は、例年と傾向が変わり難しかった。他の国の人に折り紙を教えたり、夜遅くまで生物の話をしたのが楽しかった。インドは格差が大きい社会。刺激的だった」(内海くん)
と報告しました。

また、「科学オリンピックに参加するということは、国内外を問わず、自分と同じ興味を持った友人と出会えるということ。国内選抜でも、学校ではできないことを学ぶ機会が用意されている。自分の興味・能力をを広げる機会として、ぜひチャレンジしてもらいたい」と、後輩に向けてオリンピック参加を勧めました。

3人の表情からは、結果を残したことへの満足感と、世界の同じ興味を持つ仲間と出会い、交流してきた充実感が感じられました。

科学技術館では科学イベント同時開催
会場には、夏休みということも有り、親子連れや中・高生が数多く参加。物理や化学のオリンピックで出された問題が解説される時間もあり、学校とは少し違う問題に、真剣に耳を傾けていました。

また、この日、科学技術館では、「青少年のための科学の祭典」2008全国大会と、「科学技術コンテスト紹介イベント」が同時開催。同館には大勢の小学生が詰めかけ、たくさんのブースで行なわれている、手作りの科学実験や創作実験に目を輝かせて取り組んでいました。

各科学オリンピックのブースも出展されており、未来の挑戦者に向け、参加を促しました。

(事務局:伊奈恵子)