今年7月に茨城県つくばで行なわれる、第20回国際生物学オリンピック。そのプレイベント「未来のダーウィンをめざせ!」の一貫として、ダーウィン生誕200周年記念講演会が、3月20日、上野動物園の動物園ホールで開かれました。
講師の長谷川眞理子・総合研究大学院大学先導科学研究科教授(国際生物学オリンピック2009組織委員会委員・日本進化学会会長)が、「ダーウィンの見たこと、考えたこと」というテーマで講演。
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講演会の様子 |
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長谷川眞理子教授 |
自らを“ダーウィンオタク”と称する長谷川教授は、ダーウィンを育んだ家族のエピソードや、自ら撮影したダーウィンの生家などの写真も交えつつ、その生い立ちを紹介しました。裕福な家柄の両親に育てられ、生涯、不自由なく過ごしたこと、劣等生だった学生時代には、医学を志し、諦めたこと、また大学時代に幼いころから昆虫少年だったダーウィンが、植物学、地質学の優秀な先生と出会い、その後の世界一周旅行中に出会う様々な進化の過程を発見する基盤をつくったこと、旅行から戻ってきてからは、5年間もフジツボの研究に打ち込んだことなど、ダーウィンの持つたくさんの側面を語り、聴衆の興味を惹きつけました。
この日出席していた第20回国際生物学オリンピック日本代表の4人からも、「ダーウィンの人間的な部分が見えて興味深かった」「知識や能力と共に、ダーウィンのような憎めない人柄を持つことも研究者として重要なのだと思った」などの感想が寄せられました。
トークショーの様子
講演会の後は、第20回国際生物学オリンピック日本代表生徒によるトークショーが行なわれ、昨年末に決定した日本代表の、大月亮太くん(千葉県船橋高等学校2年)、中山敦仁くん(灘高等学校1年)、谷中綾子さん(桜蔭高等学校1年)、山川眞以さん(桜蔭高等学校2年)が登壇。(右写真順)司会者から投げかけられる、会場の上野動物園についてや、今現在の生物学に対する興味、オリンピックに向けての質問に、○×を使って和やかに答えました。
翌日の21日から24日まで行なわれる、オリンピックに向けた特別教育では、DNAの経路の仕組みを学ぶ実験や、昆虫の解剖などが予定されており、これについて問われると、目を輝かせて「楽しみです」と答える4人。ダーウィン生誕200周年という記念の年に、日本で開催される第20回国際生物学オリンピックに向けての意気込みを問われると、「良い成績を残せるように頑張ります」(大月くん)、「生物学オリンピックの競合国は、韓国やアメリカなど、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも強い国ばかり。野球の日本代表に続き、良い試合をしたい」(中山くん)、「長谷川教授の講演にもあったように、進化のためには競合も大事だと思う。(生物学における)競合を楽しみつつ、頑張ってきたい」(谷中さん)、「(生物学を学ぶために、)学校にいるだけでは出会えなかった良い先生、環境を与えられているので、頑張りたい」(山川さん)と、力強い言葉が語られました。
生物大使の忽那さん(左)と、代表生徒
また、この日上野動物園の1日園長を務めていた生物大使の忽那汐里さんが、代表生徒の応援に駆けつけ、「日本は今まで金メダルをとったことがないということなので、今年はぜひ4人とも金メダルを目指してください」と激励を送り、会を盛り上げました。
会の最後には、早くも、来年の国際生物学オリンピックの選手選考も兼ねている、第2回全国生物学コンテスト「生物チャレンジ2009」の応募要綱が発表。応募者を募りました。
第一次試験の応募詳細は以下の通り。
一次試験日程:200年7月19日(日)13:30~15:00
会場:各都道府県内の大学及び高等学校
参加資格:20歳未満で大学に入学する前の青少年の皆さん
参加申し込み受付期間:2009年4月1日(水)~6月1日(月)
詳細は、生物学オリンピックHPまで→http://www.jbo-info.jp/#challenge2009
日本開催大会に向け、たくさんの教育を受ける、日本代表生徒の皆さん。その顔には、少しずつ力強さが見られるようになってきました。これからの更なる発展が期待されます。
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